眠る前は多少蒸し暑かったが、肌寒さを覚えたので目が覚めた。
梅雨らしい日、雨や曇が多い日が続いているのでこのごろの目の覚め方はそんな感じだ。
諦めたような気持ちでスマホを見て時間を確認すると驚いた。7:30を過ぎていたから。
ベッドに入ったのは日付が変わる前。眠りにつくことができたのはおそらく、それから20分ほど後くらいだろう。
7時間近くも途中で目が覚めることなく眠れたのは、最近では記憶にない。
お手洗いへ行くためにベッドから出ると身体が軽かった。
休日らしく寝たままの格好で和定食を作り、散らかったままのリビングの机に並べて食べ始めると、いつもの朝食よりも美味しく感じた。
食べた食器を片付けると出かけた。スニーカーを履き、自転車の鍵を持って。
歩いて向かった先は自宅からの最寄り駅。自転車だと5分、ゆっくり歩くと10分はかかる。
梅雨の真っ只中とは思えなかった。時折、爽やかな風が吹き抜けていったから。
見上げると雲は多かったが、コントラストが面白い青空が広がっていた。
そんな中を歩くのは気持ちよかったが、すぐに後悔もした。何故カメラを持ってこなかったのかを。
いつもよく見ているような何気ない景色でも、ほんの少しのことで、感じ方が違うのを改めて確認させられた。
最近、ポートレートを撮る前には、前ロケに行くことが増えている。前日までに時間が調整できるときには、ポートレートを撮る予定になっている同じ時間を選んで。明るさや影などの環境が近くなるはずだから。
地球は回っているので前ロケでイメージを掴んでいても、想定したような写真にはほとんどならない。
それもある意味では、ポートレートの面白さのひとつだろう。
昨晩、熟睡できた理由を考えると一つの理由に行き当たった。その理由とは昨日の日中にポートレートを撮ったこと。
カメラ、レンズ、ストロボや三脚などの荷物を持ち歩くだけで今からの季節はすぐに汗が出る。
それなりの重さがある荷物を持ち運びながら、撮影スポットを探し求めて1時間以上も歩いても、あまり苦痛に感じないのが不思議なのはどうしてだろう? 面倒臭がりで怠惰なはずの自分なのに。
先週は在宅勤務を理由にして平日はほとんど出歩かなかった。スマホの歩数計がゼロを記録した日は一度や二度ではなかった。
昨日は久しぶりによく歩いたし、楽しい時間を過ごせたのでよく眠れたのではないだろうか。
ポートレートを本格的に撮り始めて二年目。そして二度目の夏。
夏らしくて自分が気に行った写真を一枚でも撮りたい。そんなことを考えながら過ごしていると、得意ではない夏を楽しく過ごせるかもしれない。