梅雨はまだ明けていないが、昨日と今日の日中は暑かった。
昨日は仕事中に暑さに耐えきれなくなり、エアコンが使用できる部屋に移動した。
エアコンのスイッチを入れてしばらくすると暑さを感じなくなったが、足下に冷たさを覚えただけでなく、机の高さが合っていないこともあって、腰や肩が痛くなってきた。
仕方がないので、エアコンを停めて窓を開け放すことにしたが、やっぱり暑かった。
あまりに暑いとさっぱりしたものが口にしたくなる。
朝はホットコーヒー、午後にはアイスコーヒーを飲むことが多かったが、昨日は違った。
暑さが増した午後にアイスティーを飲んだら、応えられなかった。朝、自分で煎れておいて冷蔵庫で冷やしておいた紅茶を。
今朝も同じように煎れて冷蔵庫で冷やしておいたものを飲んだら、やはり格別だった。
今日、仕事の手を休めた時にアイスティーを味わっていたら、ある映画のことを思い出した。その映画とは『マディソン郡の橋』。
この作品は熟年の男女の不倫を描いた作品だが、下品なところがない上に、はかなくて美しい。
20代だったころの自分はこの映画を見ると感動した。原作小説が自分の本棚に収まっているが、今になって思う。若き日の自分に何がわかっていたのだろうか、と。
当時、働いていた職場にこの映画が大好きな人がいた。その人は初老の妻帯者だった。そのころの自分は独身どころか、付き合っている人さえいなかった。
そんな二人は仕事の休憩時間などに、この映画作品に思いをこめて語り合った。
というか、それぞれに好き勝手なことを述べていただけなのかもしれないが、そんな一時のことを今も思い出すことができる。
クリント・イーストウッドが演じたロバート・キンケイドの職業はカメラマン、年齢は52歳の設定。
その年齢までに自分はまだ数年ある。数年しかないとも言える。
同じアラフィフでも48歳と52歳では何かが違ってくるのだろうか。
熟睡できることはさらに少なくなり、体力はもっと落ちているだろう。
五十肩は悪化して、肩の他に腰などにも常時痛みを覚えているかもしれない。
白髪はさらに増えて、ハゲ散らかしている可能性だって否定はできないだろう。
そんな男にメリルストリープのような素敵な女性とのロマンスが待っている可能性は限りなくゼロだろう。
アイスティーをごちそうしてくれる女性にさえ、巡り会うのは奇跡かもしれない。