夕方、スーパーに向かった。冷蔵庫の中にある食材が減ってきたので買い出しのために。
お金も減るし、出かけるのを億劫に感じたが仕方がない。仙人のように霞だけ食べて暮らせる訳ではないから。
スーパーの店内ではなるべく余分なものを買わないように気をつけていた。
シャインマスカットを手に取りそうになったが値札を見て諦めた。
ジャガイモを見ているとポテトサラダを作って食べたくなったが、迷った末に買い物かごには入れなかった。自宅にはまだ他にいくつかの野菜が残っていたから。
それでもひとつだけ、余分な物を買ってしまった。洋菓子コーナーで、お買い得品のシールが貼られたフレンチクルーラーを。
先ほど味わったが、やはり専門店のミスタードーナツのものには及ばない。お腹が空いていたので、それなりに美味しく食べることはできたが。
自分がフレンチクルーラーを初めて食べたのは、高校一年生の時だった。部活の県大会の日に同級の女性部員たちが買ってくれたのだった。
その時の感動は忘れられない。ドーナツとは思えないような口当たり。夢中になって食べたのを覚えている。
もし、自分が高校で放送部に入部しなかったら、フレンチクルーラーとの出会いは何時になったのやら。
ミスタードーナツのメニューの中では比較的に新しいメニューだと思っていたが、調べてみると違っていた。
1973年の発売なので、発売されてから今年で47年。アラフィフだからか、親しみを感じた。
www.misterdonut.jp
ポン・デ・リングを初めて食べた時も独特の食感を面白く感じたが、フレンチクルーラーほどの感動はなかった。
定番のオールドファッションも好きだが、自分の中では一番好きなドーナツはフレンチクルーラーのままだ。
フレンチクルーラーを教えてくれた同級だった彼女は今、何処で何をしているのだろう?
彼女が大学に進学した後、しばらくは手紙のやり取りをしていたことを覚えている。
自分がどんなことを文章にして、彼女が何を書いてくれていたのかは、記憶に残っていないことばかりだ。
今読んだら、恥ずかしくなることばかりなのかもしれないが。