出勤時に世間では休みの人が多いのを改めて確認させられた。
住宅地である自宅近辺は車が少なくて走りやすかったが、東名の名古屋インターに近づくにつれて車は多くなった。
インターを通り過ぎて猿投グリーンロードに入ると、金曜日よりも車は多かった。
自家用車ばかりで見ることが希なナンバープレートがあったことも考えると、紅葉を楽しむために香嵐渓などに向かった人は多かったのだろう。
ちなみに帰宅時もグリーンロードは混雑していたので、避けて帰ってきたが所謂サンデードライバーが多くて、リズムが悪くて、休みの日なのに帰宅するまでにかかった運転時間は63分。余計に自分を疲れさせた。
連続で一時間以上の運転する場合は休憩することを勧められてはいるが、今日の帰宅時の自分はどのタイミングでハンドルから手を離すべきだったのだろう?
ほとんどの人が気づいていることだが今日は旗日、勤労感謝の日。
わざわざそんな日が制定されているという事実が、世間では勤労が軽視されているということだろう。
自分だってそうだ。汗水垂らして働くことが尊いなんて恥ずかしくて口にできないし、その資格もないだろう。
それでも今日は、客先常駐のサラリーマンエンジニアとしての最低限の仕事はしたとは思う。とりあえずは出勤したし、遅刻も早退もしなかったから。
自分の真後ろの席はプロパー社員のリーダーの席。自分も含めた社外のエンジニアに対して指示を出す立場にあるプロパー社員が座っている。
始業してすぐ、そんな彼の席に自分と同様の傭兵エンジニアが近づいた。
リーダーが振り返ると、雇われ兵の彼は次のような言葉を口にした。26日と27日は有給休暇を取得するので休ませて欲しいと。
少し間が空いた気がする。その間は当事者二人の体感時間はかなりのズレがあったかもしれない。傍観者である自分とも。
間の後にリーダーは口にした。なんとか口にしたように自分は感じた。口にした台詞があまりにも陳腐だったし、聞き耳を立てていた自分はその台詞を聞いて失笑しそうになってしまったから。
リーダーは有給休暇を取得する理由を聞いたのだ。有給休暇を取得するのに理由を聞くことはコンプライアンス上おかしいし、そんなことを文章にしている自分すら笑えてくる。
法律上、答える必要もないのにボールを投げられた彼はすぐに返球した。私用のため、と。
すぐに返球されたリーダーはまごつきながらもなんとかミットでボールを捕まえたように見えた。
勤労感謝の日に、そのことを風刺するようなコントを朝から見ることができただけでも、今日という日の意味が自分にはあったかもしれない。
それでも、誰も自分の勤労については態度に示してくれなかったので、ハイボールを呑みながら自分で自分をねぎらいながら、この文章を書いている。