師走が近づいている第四土曜日の今日は朝から一日中、ハンドルを握っていた。自分の車とローリー車のハンドルを。
朝、副業先の営業所で自分の車からローリー車に乗り換えて、北へ向かった。木曽川を超えて隣県の岐阜県まで。
途中からは名岐バイパス、国道22号線を走ったが走行している車の数は先週と大差なし。むしろ、少しだけ多いような気もした。
最初のエリアに着くまでの時間が先週よりも5分長くかかったから。
今日の灯油の売り上げも芳しくなく、先週よりもダウン。
今のところ今シーズン最初の日の売り上げ量がもっともよく、それからは週を追う毎に右肩下がり。
売り上げ歩合には初めから期待はしていないが、今のところの結果は寂しい。
それでも最初のエリアの売り上げだけは、先週よりもマシだった。
気分がよかったので、次のエリアに移動する途中である小料理屋で昼食をとることにした。先週、偶然に立ち寄った店の食事が期待以上だったから。
小綺麗とは言い難い店で出された牡蠣のバター炒めは白飯と味噌汁つきで600円とは思えないようなクオリティだったからだ。
その店はコンビニとドラッグストアが隣接している敷地内にこぢんまりと店を構えている。
先週の昼に暖簾をくぐると、自分よりも歳上の男性ばかりが昼からビールを傾けていた。地域の社交場にもなっているのだろう。
彼らが常連なのは想像がついたが、先週よりも店内は静かなのではないかと期待して店の扉を開けたが、その期待は見事に裏切られた。先週以上に店の中は賑わっていただけでなく、煙草の煙で店はくぐもっていた。
喫煙者ではないこともあって、食事中に他人の煙草にはいい気持ちを抱けない自分。
店席に座るとすぐに、店の窓を開けて換気することの許可を店主と他の客に取った。
昼から酒を呑むなとは言わないし、自分にはそんな資格はないだろう。似たようなことをしているから。
だが、彼らと仲良くはなれそうもない。彼らの言動が気になったからだ。
先週、テレビを見ながら彼らが毒づいていたのをはっきりと覚えている。三連休の初日に行楽地へ訪れている人たちを非難していたからだ。
さらに、その中の一人はこの店に来るのにも気をつかったと冗談を言っていたが、自分からしたらブラックジョークにもなっていなかった。
彼らが過ごした店は、街中ではないかもしれない。
それでも、春先にはその近くで流行病のクラスターが発生していた。
そのことを彼らは遠く感じているのだろうか。それとも、酒に酔って、忘れていただけなのだろうか。