淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

新しくなった橋

 自宅から200メートルほどのところに小さな川が流れている。一応は一級河川
 ドブ川と呼ぶには水が綺麗だし、小川と呼ぶほどのイメージの良さはない。

 子どものころ、母方の祖父からその川の土手で捕まえたというマムシをビン詰めにしたものを見せてもらったことが記憶に残っているが、最近はそんな話を噂にも聞いたことがない。ヌートリアやアライグマの出没の話を聞いたことはあるが自分は直に見たことはない。

 その川にはいくつかの橋がかかっているが自宅から一番近くの橋が、しばらく通ることができなかった。車は通れないほど狭くて小さな橋が、修理されていたからだ。
 その橋を渡った向こう岸には、古くからの友人が二人、住んでいる。

 今日の仕事が終わった後に耳鼻科のクリニックへ通院して帰宅した直後、その一人の友人から連絡があった。釣ってきた魚をおろした刺身の御裾分けの連絡が。
 よかったら友人宅で一緒に食べてはどうかという誘いの言葉もあったので、その好意を素直に受け取った。

 友人は母親と2人暮らし。父親は数年前に死去していた。
 母と息子の2人暮らし、互いの母親の年齢もそれほど離れていないので、自分の実家の状況となんとなく似ている。

 友人宅にお邪魔して3人で食事をしていると、友人の母親の口数が一番多かった。彼女の話題のほとんどは息子に対しての愚痴。
 自分の母が弟に対しての不満を自分へ口にしていることへの既視感を覚えた。
 友人も姉がいるだけなので末っ子なのも、自分にそう感じさせたのかもしれない。

 母親と自分の言葉がほとんどだったと思う。
 横で母親がマシンガンのように本人へのことを並べ立てられれば、他の言葉を口に挟むような隙を見つけるのは難しかっただろう。
 それでも、彼は不機嫌そうには見えなかった。

 互いに明日は仕事だったこともあり、腰が重い自分としては早めに退散した方だろう。
 1人で家に向かうと、新しくなったばかりの堤防とちょっぴり小綺麗になった橋を月明かりが照らしていた。
 これから何度、この橋を渡るのだろう? 何度渡ることができるのだろう?
 少しばかり感傷的になったのは、いつも当り前のように通り過ぎていた橋を、久しぶりに通った夜のせいかもしれない。

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今日の写真のモデルはめいさん。