淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

横文字で表現すること

 ある友人が横文字での表現を嫌っている。最近、2人で飲むたびによくその話題になるのだが、マスヲの答えも硬直化していた。
 友人が言うにはもともと外国語の単語であってもそれを翻訳した日本語があるのだから、日本語で表現すればよいというのが持論のようだ。
 一時期良く使われた言葉を挙げるとコンプライアンスなら法連遵守、プライオリティであれば優先順位という日本語に置き換えが可能だというのだ。

 マスヲの考えは少し違って、外国語と日本語は正確には1対1ではないと考えている。日本語はひとつの単語で表現できる範囲が狭いし、英語では複数の単語の頭文字を組み合わせた単語があるが、それらを日本語に組み合わせるのは難しいケースがある。
 風や雨の表現は日本には四季が豊かなためか、歳時記などを見るとやたらに表現が多い。
「甘雨」を自動翻訳に掛けてみると「Seasonable rain」と翻訳された。「Seasonable rain」を再翻訳すると「季節にふさわしい雨」と翻訳されてしまった。会話や文中での前後関係では伝わる可能性があるが、単語レベルの翻訳にはなっていないだろう。
複数単語の造語は「VIP」や「NIMBY」などがあるが、「NIMBY」は「Not In My Back Yard」の略で日本語では「忌避施設」「迷惑施設」「嫌悪施設」のいずれかの翻訳になるのだが、「NIMBY」のままで表現しておけば受け取り手が前後の関連性から選択できる。

 友人には横文字で表現する必要性もあるということをマスヲが何度説明しても外国語と日本語が1対1ではないからという理屈では納得してくれない。話しているときはお互いに酔っぱらっているせいかもしれないが。

 最近、マスヲは新しい理由に気がついた。外国語をカタカナでそのまま表現したほうが発音しやすいケースだ。
 さきに書いた単語、コンプライアンスやプライオリティはそのまま当てはまる。「ホウレイジュンシュ」と「ユウセンジュンイ」と片仮名で書いてみると両単語ともサ行が多い。
 日本語で発声が難しいのがサ行であることは、高校時代に放送部に所属していたために、知っていた。早口言葉などでもサ行が混じっていることが多い。

 試しに自分で両単語を交互に声に出して発声してみたが、やはり「法令順守」よりも「コンプライアンス」、「優先順位」よりも「プライオリティ」の方が言い易いし、言い間違いも少ない。
 今度、友人とお酒を飲むときにはこの理論で再説得しようと考えている。