淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

サンタコスプレ

 帰宅時には今の現場のオフィスから地下鉄の駅へ向かう途中に、メイド喫茶の横を通る。大抵の場合は、店のメイドさんがビラを配りながら客引きをしている。
 気が弱い自分はそのビラを今までに何度か受け取った。ビラを見ると昼は喫茶だが、夜は居酒屋営業をしているらしい。興味がないわけではないがまだ来店したことはない。

 今夜、仕事帰りにその店の横で客引きをしている女性を見ると、装いが変わっていた。いつものメイド姿ではなくてサンタコスプレになっていた。今日見た彼女は自分のタイプではなかった。
 コスプレは可愛い子がすると魅力的だが、残念な容姿な女性がすると見るだけで可愛そうになってくる。現実は実に残酷だ。

 女性のコスプレにはあまり惹かれることはない。サンタコスプレも同様だった。
 だが、恥ずかしながらここ数年惹かれてしまうことがたまにある。サンタコスプレが似合っている女性に。

 今までで1番印象深かったのは、昨年の今頃に鷲ヶ岳スキー場で出会ったボーダーだった。若い女性のグループが全員お揃いのサンタコスプレで滑走していた。グループ全員のルックスレベルも高かった。
 仲間同士の会話から聞こえてくるイントネーションから関西方面から遊びに来たことがうかがえた。
 その中で気になる女性が1人いた。身長も165センチくらいはありそうで、足もすらりとしていた。ボードの技術もグループ内では目立っていた。

 スキーヤーもボーダーも滑走技術が高ければ外見も割増で見えるものだが、彼女はボードのテクニックも相まって非常にゲレンデで目立って見えた。
 自分は1人で来場していたために、リフトに乗っているときなどは退屈だ。知らず知らずの内にリフトの上から彼女を時々探していた。

 昨年は降雪が遅かったため、その日の営業はリフトも1基で滑走できるコースもたったひとつだけ。そのせいもあって、昼近くになったときにゲレンデで目の前を滑っている彼女を見つけた。
 そのあとはスピードを少し抑えて彼女との距離が近づかないようにしていた。彼女の綺麗なフォルムを見ながら。

 ゲレンデ下部に差し掛かったところで彼女は転んでしまった。暖かい日だったこともあって人工雪も緩み、荒踏みの状態になっていたので板を取られたのだろう。
 彼女のサンタ帽が転倒した場所よりも、数メートルゲレンデ上部に残っていた。

 拾って立ち上がったばかりの彼女に帽子を届けた。サンタはお礼の言葉と素敵な笑顔をプレゼントしてくれた。
 自分にとっては少し早いクリスマスプレゼントとなったのが、良い思い出になっている。