名古屋市南部の工業地である、堀田で働きはじめて3日目。お昼休みや、地下鉄の駅から仕事先であるガス器具メーカーの本社までの往復時には表通りだけでなく、裏路地もすこしずつ歩くようになってきた。
また、今日のお昼は名鉄の堀田駅周辺まで足を伸ばしてみた。地下鉄の駅周辺よりは多少は栄えているものの、それほどの華やかさはなかった。名古屋のラストベルトみたいだと、思ったほどだ。 今日のお昼は名鉄の駅前で850円のラーメンを食べた。不味くはないが、特別な魅力もないラーメンにしては高いと言わざるをえなかった。
どうして、勢いを感じない堀田の街のお昼は高くついてしまうのだろうか。3日間のランチ代を平均すると、約900円。それほど豪華なものを食べている訳ではないのに。
街に勢いがなくて店に訪れる客が少ないから、単価が高めに設定されているのだろうか。
土曜日の午後、小中学校の友人と久しぶりに再会したので、喫茶店でお互いの近況を話した。自分が今、堀田で働いていることも。
友人も自分と同じ行政区に住んでいるので、堀田への通勤には多少は同情してくれたが、別の意見ももらった。
堀田に住んでいる住民からみたら、自分たちが住んでいるエリアの方が低く見られているかもしれないことを。確かに、堀田には地下鉄の駅はあるが自分の住んでいる行政区には名古屋市の中で唯一、地下鉄が走っていない。
今の現場で今日、決意を固めたことがある。その決意とは今所属している会社を辞めること。今の会社に居ても、自分の先に展望が開けないと確信していたが今の現場に3日出勤した後に、再考することを自分に課していたが、結局その気持ちは変わらなかった。
今の現場に着任しての問題を上司にメールしてから3日以上経つが、何も返信がないことも自分の決意をより堅くした。 明後日、かかりつけの内科医で胃カメラの検査を受けるが、その検査でよっぽどの異常が見つからないかぎり、その翌日には会社に辞意を伝えるつもりだ。
早ければ今月中の退職を、最低でも来月中に退職するつもりであることも。
5年近く勤めた今の会社の最後にこの街で働くことがなんとなく、相応しいような気がしてきた。なんでもない工場の街、少しうらぶれた勢いの無い街を最後にすることが。
会社を辞めるという選択の行く先が、人生のラストベルトにならないようにしたいが、この決断の結果を知っているのは未来の自分だけだ。