淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

後輩たちとの同乗で

f:id:mobemobe617:20191030232001j:plain
通勤時に一撮。スマホで撮影。
 今日で10月も終わり。今の現場、豊田市までの通勤も今日で最後になる。自宅から名古屋都心へ向かうのではなく、郊外へ向かう電車に乗ることもしばらくないだろう。

 実は平日の毎朝、かつて自分が通っていた高校の横をかすめて通勤している。自分の母校は愛知環状鉄道のある駅から歩いて、数分のところにある。
 そのために、毎朝のように後輩と一緒の電車に同乗し続けている。

 彼らは自分が先輩であることを知らないが、自分は彼らが後輩であることを知っている。ある意味においては不公平かもしれない。
 何度か彼らに向かって、自分が先輩であることを話しかけたくなる衝動に駆られたが、自省してきた。白髪が交じったオッサンに、いきなりそんなことを話しかけられたら、彼らだってただ戸惑うだけだろう。

 昨日の朝、後輩の中で目を引いた女性を見かけた。他の生徒よりも背が一回りは高くて顔が小さい。肌が白くてキレイだった。
 見るからに日本人離れしていて、隣に一緒に居た女生徒と外国語で会話していた。留学生か何かだろうか。
 だが、自分が通っていたのは県立の公立高校だったので、交換留学生のような制度はおそらく無いだろう。
 人目を引いてしまうキレイな後輩を見ていると、いつの間にか高校を時代のことを思い出していた。高校三年生だったころの朝の通学時のことを。

 高校に入学してから三年に進学してしばらくは、地元の中学から一緒に進学した友人たちと毎朝、一緒の電車に乗っていた。
 自分が寝坊したある日のこと。その電車に乗り遅れた自分は、他の高校に通っている女生徒に一目惚れをしてしまったのだ。
 彼女は色白で、髪が少し栗色かかっていた。そのことを幼なじみに話すと、彼は彼女の素性のことを調べたらしい。
 彼は彼女がクオーターだと話したが、今となってはそのことの真偽はわからない。確実なことはどうしようもなく、自分が彼女に惹かれていたことだけ。
 だが、彼女とは高校も違うし、何の接点もなかった。自分は毎朝、彼女と同じ電車の同じ車両に乗って彼女を眺めていただけだった。

 それから10年ほど経ってから、彼女の思い出をモチーフに小説を書いたことがある。ほんの数ページの掌編だが、自分は割合と気に入っていた。
 最近は読み返していないが、この文章を書いていたらふと読んでみたくなった。

 彼女と自分との年の差はふたつ。自分はアラフィフだが、彼女も今年で自分と同じアラフィフになったはず。
 もし、彼女とどこかで再会したら、自分は気がつくことができるだろうか。案外もう既に何回もすれ違っていて、自分が気づけないでいるだけの可能性だってゼロではない。
 少し寂しいことかもしれないが、だからこそ思い出は美しいのかもしれない。

f:id:mobemobe617:20191030235829j:plain
今日の写真のモデルは神井レナさん。