淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

万障お繰り合わせの上

 今朝、副業先に出勤したらパートの女性からの最初の話題が以外だった。彼女とはここ数年、毎日曜日にほぼペアを組んでいるので、ある程度のことは予想できる。
 彼女の最近の第一声はマコちゃんかマコちゃんが恋焦がれている中国人従業員への愚痴がほとんどだったからだ。

 しかも、今週の金曜日にいよいよマコちゃんが片思いしている女性が1人前としてデビューしていたはずだったので、そのデビューに巻き込まれている彼女が思いをぶちまけてくることを想定していたから。

 現在の副業先には、自分とほぼ同年代のアルバイト男性が自分以外に2人いる。彼ら2人と彼女が昨日一緒に働いていた時に『万障お繰り合わせの上』という慣用的な表現が話題になったらしい。
 彼女が会話中に使ったと思うのだが、それを聞いた彼らはリアクションできなかったのだろう。彼らはその表現を自分で使ったことも無ければ見聞きしたこともなかったようだ。
 彼女はびっくりして帰宅した後に旦那に話したところ、「そいつら日本人か」と答えてくれたそうだ。珍しく夫婦の会話が弾んだと付け加えてくれた。

 言葉は生き物だ。時間の流れとともに産まれるものもあれば淘汰されるものもあることはわかる。
 また、世代毎に価値観やカルチャーがある程度の差異があり、当然会話や文章を書くときの表現も同じ日本人同士でも差があるのは当然だとも思う。
 自分はその表現を知っていたが、使うよりは見慣れている表現のひとつだ。様々な告知の文章中に自然に使われていた表現だが、最近見ることが減ってきたような気はしている。

 言葉の中でも意味を噛みしめて入出力しているものと、当たり前すぎて記号のように見聞きしたり、表現したりするものでは当然後者の方が印象に残るし、意味についても理解が深まる。逆に前者は慣用的過ぎるために自分の中を通り過ぎるだけなのではないだろうか。

 自分がその表現を知っていることを話すと彼女は安心したように、話題は予想していた方向に変わっていった。マコちゃんと彼のマドンナへの愚痴っぽい話に。
 そのことに絡めて、副業先の忘年会の日時が決まったことも教えてくれた。昨年はマコちゃんの無配慮から自分が参加できない時間に決められたが、今年は現場での突発的なトラブルでもないかぎり顔くらいは出せそうな時間だ。

「万障お繰り合わせの上ご出席下さい」、というところだろうが、マコちゃんもこのような表現をきっと使いこなせないだろう。