淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

元上司からの年賀状

 今年は8日から配達料金が変わることもあって連休前から年賀状は一通も届いていない。おそらく、自分宛ての年賀状はほとんど届いているだろう。
 マスヲは今までかなりの数の会社を渡り歩いてきたが、それらの会社で上司だった人間に年賀状を出しているのは1人だけ。現在77歳の男性で、当時自分が勤務していた会社では顧問を務めていた。その上司からも毎年、年賀状を受け取っている。

 今までの経験上、様々な組織で巡りあった上司はほとんどろくな人間がいなかった。だが、敬意を抱けるような人物も少しはいた。年賀状を出している元顧問もその1人だ。
 彼には仕事の細かなことなども見習うべきことがいくつかあった。新しく受け取った他人の名刺の整理方法などは良い例だ。彼は名刺の表側に初見の日付など、自分のメモ書きなどを書いていた。そしてその名刺の整理を会社や苗字の50音順ではなくて、初見の日付などの時系列にしていた。

 名刺の表側に何かを記述することは最初抵抗があった。少し考えてみると、受け取った名刺は自分のものだ。エンジニアなので営業職と違って誰かに提出したり、見せたりすることはほとんどない。しかも、名刺の表側に情報が集約されていた方が自分の作業効率が上がることにも気がついた。
 稀に自分が名刺の表に書いている日付などのメモ書きなどに何か言ってくる他人もいるが、理にかなっていることを仕事中に他人に説明するほど、自分は仕事中に余裕をもっていない。時間の無駄だ。

 また、名刺を時系列で整理する方法は人間の記憶方法と同一であることが証明されている。詳細は野口悠紀雄の整理法に関する著作に書かれているが、その著作を読んでさらに顧問の整理法に驚いた。彼は野口氏の著作を読んでいたのだろうか。それとも自分なりに考えついた方法なのだろうか。
 時には顧問から、最初は無茶とも思えるような指示を受けることもあったが、後で考えるとほとんどは自分のためになっている。

 同じ会社に在職中に顧問の妻が亡くなったので、通夜と葬儀の受付の手伝いをさせてもらったのも鮮明に覚えている。
 妻が亡くなった後に自宅を引き払って彼は娘と住むことになった。受付の手伝いのお礼かどうかはわからないが、冷蔵庫が要らなくなるとのことだったので頂いた。
 当時、我が家には大型の冷蔵庫がなかったので、ありがたかった。ちなみにその冷蔵庫は今でも現役で10年以上使用している。

 彼の今年の年賀状には少し気になることが書かれていた。昨年の5月から7月まで入院したことが。理由はアルコール依存症であることも隠さずに説明してあった。
 普通の人ならば他人に隠したいことだと思うのだが、堂々と年賀状で公表するようなところも、自分が敬意を感じずにはいられない人間性の一部だと感じる。
 今年もできるだけ元気でいられることを願っている。