芥川賞作家の平野啓一郎が書いた大人の恋愛小説、【『マチネの終わりに』。自分はこの小説を新書で買い求めただけでなく、好きな小説のひとつだ。
この小説の映画化が発表された時、複雑な感情を抱いたし、その気持ちの一部をこのblogにも書き記した。
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この記事を書いた1年以上前と変わっていないことは、主役の一人である小峰洋子にキャスティングされた石田ゆり子さんのファンであること。
また、原作小説にも未だに好感を抱いていることだ。
作品を鑑賞したいとは思っていたが、封切りから1か月以上がいつの間にか過ぎてしまった。
上映されている映画館も時間もかなり限られていたので、昨日やっとシアターに足を運ぶことを決めた。名古屋市郊外にある、ショッピングモールに併設してあるシネコンまで。
平日の昼下がりのこともあってか、シネコンは閑散としていた。無人販売機でチケットを買ったが、味気なかった。
自分にとって映画を観るということは、ちょっぴり特別なことだ。それは子供の時に親に連れられて、ドラえもんの映画を見た時から変わらない。
シアターのスタッフに自分が観る作品が知られないメリットはあるが、その点を重要視している鑑賞客はどれくらいの割合で存在するのだろうか。 映画館まで足を運んだ価値があったかを聞かれたら、自分は迷わずにYesと答える。
自分が好きな文芸小説、恋愛小説で映画化された作品で印象に残っているのは、『ノルウェーの森』。言わずと知れた日本を代表する作家である村上春樹が原作者だ。
原作は『ノルウェーの森』の方が好きだが、映画作品としては『マチネの終わりに』が好みだ。
小説の雰囲気があまり損なわれていないし、読者として自分自身が描いていた映像を、映画化された映像をいくつかのシーンで比べていたし、自分が想像していた絵よりもほとんどの場面は映画の方が勝っていた。
だが、誰もが愉しめる作品であるかは、微妙な気がする。自分は原作小説と石田ゆり子さんのファンであること、もうひとりの主人公である福山雅治も嫌いではないので、ひいき目に見ている可能性もある。
実際、上映中の席は閑散としていた。平日の日中であることも影響しているのかもしれないが。 自分が写真撮影に興味を持ちだしてから、初めて映画館で作品を見た、昨日。
今までと作品を見る視点がいくつか増えていた。シーン毎にどんなレンズで、どのようなアングルで撮影しているか、場面毎の明暗や影などに興味を持てて面白かった。
カメラマンや監督などの制作スタッフの意図がどのようなものであるかまでも、知らないうちに考えながら観ていた。