淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

本業よりも楽しくなってきた

 秋、真最中の3連休の最終日。休んだりのんびりしていた人が多かったのではないだろうか。一昨日と昨日、自分は働いていたのだが。
 世間が遊び回っている中で自分が仕事をしていると、どうしても面白くないと思えることが多かったが、この二日間は違った。特に文化の日と日曜日が重なった昨日は。

 正直、一昨日の土曜日の出だしは気分が悪かった。名古屋城が開門する15分前の8:45に出勤すると、社長一人で黙々と撮影の準備をしていた。
 お互いに形通りの挨拶だけをして、すぐに社長を手伝ったがいくつかの疑問を抱いていたから。
 普段なら朝の撮影の準備は三人。それを社長が一人でせわしなく動き回っていた。
 日中は写真の販売や客の呼び込みなども含めて四人体制。ひょっとしたら営業中も社長と二人なのかと考えていた。

 開門の数分前に息切らしながら一人の同僚が出勤してきた。彼は社長の顔を見るなり謝っていた。彼はもっと早めの出勤予定なのに、寝坊したようだ。
 なにか自己弁護したいであろう彼に話しかけると次のようなことを口にした。昨夜の仕事の終わりがそれなりに遅かったから、と。
 たとえ21時に仕事が終わったとしても22時に眠れるように人間はできていないから、と自分はフォローしたのだが、彼はびっくりするような切り返しをした。僕はすぐに寝れますけれど、と。
 時間にルーズなだけでなく、人の気持ちがわからない奴だ、ヤレヤレ。

 遅れてきた彼は自分よりも一回り以上、歳下。平日も他の会社でアルバイトとして、撮影の仕事をしているらしい。芸大で写真撮影を勉強したので、自分とはまるで違うのだ。なんちゃってプロカメラマンではなくて、バリバリのプロカメラマンのはずだ。なにかとゆるいところがあるものの。

 遅れてきた罰ゲームなのかはわからないが、一昨日の撮影はほとんど彼が行ってくれた。自分は10組も担当しただろうか。
 だが、昨日は違った。午前中の撮影をほとんど自分が請け負ったのだ。その数時間の経験が自分の中の何かを大きく変えた。仕事での撮影が楽しくなってきたのだ。

 一緒に働いている人間の中では自分が一番キャリアは浅いので、足りないことだらけ。そのために、社長はともかく他のカメラマンからの叱責が凄いのだ。
 ノミの心臓である自分は何か言われる度にテンションが落ち、撮影に身が入らなくなるという負のスパイラルにいつも陥ってきた。

 だが、昨日はスタートから自分が撮った写真が快調に売れた。おかげで多少は自信も出てきて、社長からの言葉にさえ意見することが増えてきたし、理由があればそれでいいとも思えてきたのだ。その理由が自分なりの正論であれば。

 昨日一日の中でも一番気持ちがよかったのは、自分が声をかけたお客さんを自分で撮影し、そして最後に自分自身で販売するという偶然が起きた。しかも、そのお客さんは写真を購入してくれた。
 一連の流れ全てに自分がコミットした結果に、全くの他人が対価を払ってくれたのだ。そんなことがこんなに嬉しいと思えるなんて、ちょっと不思議な感覚だ。
 少しだけ、来週の撮影の仕事を楽しみにしている自分さえ居る。

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今日の写真のモデルは中嶋乃蒼さん。

自分よりも、やさぐれている友人の二人

 なにかとネガティブになりがちな自分。そんな時、自分がまわりに与えているイメージを自己分析すると、主にふたつのキーワードに集約できる。それぞれのキーワードは『投げやり』と『やさぐれる』。
 ちょっと前までは自分がネガティブなモードに陥った時、まわりにはかなり迷惑をかけていたという自覚はある。本当にどうしようもない奴だ。

 自分のネガティブモードが数年前よりはマシになった。その代わりに自分の身近な人間が負のオーラをまとっているのには敏感になっていると思う。思うという表現にしたのは、自分だけの勘違いの可能性も否定できないからだ。
 とりあえず、勘違いかどうかの可能性は置いておいて、ここ最近の自分の友人の中で、やさぐれていることが気になってしまう人物が二人いる。

 その二人にはいくつかの共通点がある。自分と知り合った時期が20歳過ぎ。それぞれ別に仕事上で一緒に働いたことがきっかけだ。
 高卒の自分にとっては珍しく高学歴。一人は名古屋市内で一番の公立大学、一人は私立大学の大学院を卒業している修士だ。
 仕事内容は理系職でエンジニア、それぞれ結婚して妻子が居るが、妻と知り合ったきっかけが職場恋愛だということも、一致している。

 ひょっとしたらまだ他にも共通点あるかもしれないが、上記に挙げた分でもそれなりに多い。これだけ多かったらなにか必然的な理由があるのでは、と考えざるを得ないが本当のところはどうなのだろう?

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昨日撮影したモノクロ写真。
 そのうちの一人と先月末の夜、久しぶりに一緒にグラスを傾けた。きっかけは、友人が所属している会社は自分が作業していた会社だったからだ。彼はバリバリのTOYOTA系列の会社に勤めるプロパー社員なのだ。
 だが、面白いことに彼は自分以上に自分が所属している会社のことを嫌っている。昨年末に会ってお酒を呑んだ時の彼は、自分の会社が潰れればいいのに、と何度も呟いていたのが今でも忘れられない。

 月末に呑んだ時も、人目を避けられる街で呑むことを友人は提案した。TOYOTA系列の会社ではプロパー社員と外注の人間が二人きりでお酒を呑んでいるのが誰かに見つかると、ただならぬ空気に見舞われるのだろう、きっと。
 その二人の間の過去にどんな関連性があったとしても。
 大会社の人間とその会社から仕事とお金を恵んでもらうことが、彼らの心の中に間違った優位性でも芽生えさせているのだろうか。TOYOTA系列の会社のプロパー社員になったことはないので、上手く想像できないが。

 どうでもいいけれど、大会社に勤めているというだけで、女性からチヤホヤされるのだろうか。もし、そうであるならば時と場合を選んだ時のみ、大会社に勤めている擬態ができれば、人生がよりよく愉しめる気がしてきたが、どうだろう?

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今日の写真のモデルは加藤凪海さん。パレット撮影会にて撮影。

とにかく名古屋がパラダイス?

 久しぶりに名古屋市内でシステムエンジニアとして働いた昨日。前の会社を退職してからなので、7ヶ月ぶりとなる。
 前日までの豊田市内で、世界のTOYOTAの仕事とは違って名古屋市内、しかもオフィス街で別の自動車メーカーの仕事をすることになっていた。

 久しぶりに朝、都心へ向かう電車に乗った。普段なら人いきれで嫌になりそうなものなのに、負のイメージではないものを感じた。それは、懐かしさとワクワクするような気持ちが入り交じったようなものだった。
 自分のテンションが前日までと全く違っていたし、そのことをお昼休みにはしっかりと自覚した。

 前日までの作業場所にはカメラを持っていっては駄目だった。それどころかスマホAndroidであった場合、MicroSDカードすら執務室に入る際には抜いて、ロッカーに保管しなければならなかったのだ。
 誰が何のために作った規則なのかは知らない。その決まりを作った人がどれだけの人から何を思われているかも、
 当然知らないだろう。少なくとも自分は、アホらし過ぎて失笑していたが。
 スマホは本体自身が記憶媒体であるし、今時のスマホクラウドの思考を帯びているはずだから。そんなことは、情報処理技術者であれば、常識だと自分は考えているが、三河地方では違うのだろうか。その中でも特に山深い挙母町では。

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オフィスがある丸の内のワンショット。スマホで撮影。
 カメラを持ってオフィスを飛び出したお昼休み。錦方面に向かって歩いた。
 昨日からの自分が作業しているオフィスは丸の内。名古屋一の繫華街である錦は最寄りだからだ。
 夜はもちろんのこと、昼食を取れるお店も結構、充実している。何を食べようかといつの間にか目移りしてしまっていたが、自分が食べたいものを提供してくれる店は、人の列が既にかなり伸びていたので諦めた。
 結局、財布に優しくて早く料理が提供される立ち食いそば屋でワンコインランチを食べた。
 昼食を食べるやいなや、持っていたカメラをバッグから取り出して、撮り始めた。お昼休みが終わるまでに30くらいショットしていた。
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昨日のお昼休みに撮りまくったモノクロ写真。
 終業後は仕事上で数年前に知り合った友人と夜遊びをしにいくことになっていた。自分が無事名古屋へ生還できたことを祝福してもらったようなものだ。
 テンションが高かった自分はいきなり一軒目から、イヒヒとニヤついてしまうような店を選択したが、その選択は大吉だった。
 最後に友人と自分に接客してくれた女性スタッフがあまりにも魅力的だったから。
 二軒目では一軒目の浮ついた心を静めることなく、逆にかみしめながらも決して長くはない秋の夜が過ぎていくのを楽しんだ。
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名古屋の繫華街、錦のワンショット。
 仕事をするのも夜遊びするのも、三河の田舎町なんかよりも、名古屋の方がずっといい。
 今はまだ、名古屋がパラダイスだと感じている自分だ。
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今日の写真のモデルはayanoさん。名古屋市内で夕方に撮影。

使用人根性

 10月が終わった。社畜に戻って二か月が過ぎた。
 その間、客先常駐のシステムエンジニアとしてだけでなく、週末に写真撮影の副業に従事して、自認せざるを得ないことがある。今年の三月まで働いていた時と、仕事に対するモチベーションが全く違うことを。完全に受け身なのだ。
 副業先であればその経営者、システムエンジニアとして働いていた際には、自分が所属している会社やその上位会社だけでなく、発注元である会社のことやそれに関わる人間のことなんて微塵も考えていない自分が居る。

 どちらの職場でも言われたことだけ、最低限度の作業をして決められた時間、その場所でやり過ごすことしか考えていない。作業内容でではなくて、その場所で自分が拘束されて、指示者の指示に従っているフリをすれば自分は対価を得ることができるからだ。
 積極的な態度を見せて誰かに目を付けられたり、相手の要望を満たしている以上の作業をして、失敗して揚げ足を取られるよりはよっぽどマシだ。
 若かったころは今よりはまだ時折、自分がした仕事で誰かに喜んでもらいたいというメルヘンチックなことを考えていた気がするが、そんな考えはどこに消えてしまったのだろう?

 自分がサラリーマンに戻った理由は、自分の都合のため、自分のエゴのためだけだ。
 新しい車に買い換えたこと、写真撮影に楽しみを見出したので、次々に新しいカメラやレンズが欲しくなっているからだ。
 実際、今月末に発売される新しいカメラの予約もしている。そのカメラについては後日、このblogでもおそらく触れることになるだろう。

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昨日、豊田市に向かう途中にスマホで撮影。
 勤め人に戻って使用人根性丸出しで働いていることを自己否定するつもりは一切ない。
 自分の周りで働いている人の感じ方も、以前働いていた時と全く違っている。
 それが証拠に以前ならば、上記の文章表現に『自分の周りで働いている人の感じ方も』の部分を『自分と一緒に周りで働いている人の感じ方も』と書いただろう。

 本業でも副業でも自分だけでなく、他人も自分のためだけに働いている感覚をどうしても拭いきれない。
 以前の自分がただの甘チャンだった気がしているし、自分と自分が大切にしたい人を守ることが働いてお金を得るための本質だと思わざるを得ない。

 そんな視点で見ていると、仕事をする上で接する人がせせら笑えてきてしまうことばかりだ。特に、仕事をする上で自分よりも上位に居る人は。
 一例を挙げるならば、副業先の社長。先日、自分が灯油の移動販売の仕事を始めるために、撮影の仕事を控えたい旨を話すと、こちらの立場も理解して欲しいと言ってきた時だ。
 そんな言葉を口にした相手こそ、自分の気持ちを慮ったことはあるのだろうか、と思わず考えてしまった。
 そればかりか、そんなことを平気で口にしてしまう相手には、どうしても敬意を抱けない。仕事をする相手に対して、敬意を払う必要があるかは別の問題かもしれないが。

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今日の写真のモデルはゆうりさん。

後輩たちとの同乗で

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通勤時に一撮。スマホで撮影。
 今日で10月も終わり。今の現場、豊田市までの通勤も今日で最後になる。自宅から名古屋都心へ向かうのではなく、郊外へ向かう電車に乗ることもしばらくないだろう。

 実は平日の毎朝、かつて自分が通っていた高校の横をかすめて通勤している。自分の母校は愛知環状鉄道のある駅から歩いて、数分のところにある。
 そのために、毎朝のように後輩と一緒の電車に同乗し続けている。

 彼らは自分が先輩であることを知らないが、自分は彼らが後輩であることを知っている。ある意味においては不公平かもしれない。
 何度か彼らに向かって、自分が先輩であることを話しかけたくなる衝動に駆られたが、自省してきた。白髪が交じったオッサンに、いきなりそんなことを話しかけられたら、彼らだってただ戸惑うだけだろう。

 昨日の朝、後輩の中で目を引いた女性を見かけた。他の生徒よりも背が一回りは高くて顔が小さい。肌が白くてキレイだった。
 見るからに日本人離れしていて、隣に一緒に居た女生徒と外国語で会話していた。留学生か何かだろうか。
 だが、自分が通っていたのは県立の公立高校だったので、交換留学生のような制度はおそらく無いだろう。
 人目を引いてしまうキレイな後輩を見ていると、いつの間にか高校を時代のことを思い出していた。高校三年生だったころの朝の通学時のことを。

 高校に入学してから三年に進学してしばらくは、地元の中学から一緒に進学した友人たちと毎朝、一緒の電車に乗っていた。
 自分が寝坊したある日のこと。その電車に乗り遅れた自分は、他の高校に通っている女生徒に一目惚れをしてしまったのだ。
 彼女は色白で、髪が少し栗色かかっていた。そのことを幼なじみに話すと、彼は彼女の素性のことを調べたらしい。
 彼は彼女がクオーターだと話したが、今となってはそのことの真偽はわからない。確実なことはどうしようもなく、自分が彼女に惹かれていたことだけ。
 だが、彼女とは高校も違うし、何の接点もなかった。自分は毎朝、彼女と同じ電車の同じ車両に乗って彼女を眺めていただけだった。

 それから10年ほど経ってから、彼女の思い出をモチーフに小説を書いたことがある。ほんの数ページの掌編だが、自分は割合と気に入っていた。
 最近は読み返していないが、この文章を書いていたらふと読んでみたくなった。

 彼女と自分との年の差はふたつ。自分はアラフィフだが、彼女も今年で自分と同じアラフィフになったはず。
 もし、彼女とどこかで再会したら、自分は気がつくことができるだろうか。案外もう既に何回もすれ違っていて、自分が気づけないでいるだけの可能性だってゼロではない。
 少し寂しいことかもしれないが、だからこそ思い出は美しいのかもしれない。

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今日の写真のモデルは神井レナさん。