淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

オセロ

 明日からの3連休のどこかで娘とスキーに行こうと思って年明けからメールで誘っていたが、別居している妻からなかなか返事がなかった。
 彼女の仕事が既に始まっていてバタバタしているのはわかるが、何度も電話とメールで連絡を促しているが返事がなかった。仕方がないので、今日の夕食後に彼女の実家を訪ねた。

 実家に到着すると、家の前にある駐車場には2台停車できるようになっているが、両親の車だけが駐車してあった。インターフォンを1回鳴らすが反応がない。家の奥には薄明かりが灯っていて、時々照明の場所が変わるので人の気配がないとも思えない。
 もう1回インターフォンを鳴らしても誰も表に出てこない。諦めかけていたが最後に直接呼びかけた。こんばんは、と。
 すると、家の中から物音が聞こえた後に義父が玄関を開けてくれた。こちらからすれば正直、ヤレヤレという気持ちになった。

 妻宛に新たに届いた年賀状2通を手渡し後に、義理の両親に要件を伝えると娘にはスキーの話を直接していないらしいことが窺えた。予定がはっきり決まるまでの彼らたちの配慮だとは思うが、自分にはあまり落ちていない。
 明日の土曜日ならともかく、成人の日の予定をさりげなく尋ねると、次の日学校だからという返事。
 朝早く出発して早めにゲレンデを出発すれば問題ないと思うのだが、子供のことよりも大人の事情が大きく反映されている気がしてしまう。
 だが、自分にはそのことを強く咎める資格がないこともある程度はわきまえているつもりだ。子供と両親が一緒に住めない環境に関与している一因は自分にもあると思っているのだから。

 お互いの思惑があまりにも違うため、会話していてもむなしいだけ。お年玉だけ娘に渡して帰宅しようと思ったが、義母がお茶の準備をしてくれていたので、それだけは頂いて帰宅しようと考えていた。
 お茶が入れられる間、居間の片隅を見ていたらあるものを見つけた。オセロゲームだ。
 自分は子供のころ好きだったゲームで正月などには来客した大人に対戦相手になってもらうことをよくせがんでいたのを覚えている。

 娘を誘ってみると喜んで対戦してくれた。小学校2年生だけあってルールはしっかりと把握していた。そればかりか自分が子供のころ後攻が好きだったところも知ることができた。それだけでも暖かな気分になる。
 対戦の序盤はこちらが手を抜かなくてもある程度勝負になっていた。だが、映ったままになっているテレビに彼女は気を取られていることもあり、少しずつ劣勢となってしまった。
 負けても笑顔のままだった。何かに満足できたように。 ゲーム版と駒の片付けが終わった後にお年玉を渡すと、笑顔で言ってくれた。ありがとう、と。こちらこそ、ありがとう。
 今回は一緒にスキーに行けなかったけど早く一緒に行けることを願いながら帰宅した。