今日、最初に話したのはオカヤマさん(仮名)。オカヤマさんは近所に住んでいるシニアの男性だ。
近所の小学生の登下校を見守る、ミドリのおじさんをボランティアでしている。
ミドリのおじさん、おばさんという呼称は全国的なものだろうか、それともこの地方だけのローカルなものだろうか。ちょっと気になっている。
近所の小学生が分団登校する際の集合場所が我が家の近くなので、最近の朝はオカヤマさんと挨拶することが多い。
今の現場になってからは自宅を出る時間が早まって、小学生の登校時間と重なったからだ。
オカヤマさん以外のミドリのおじさんも近所の人はほぼ顔見知りなので、出会ったときには挨拶している。
雨の日も、雪が降っている寒い日にも毎日、小学生たちを見守るおじさんたち。本当に頭が下がる。
自宅近所では何故か、ミドリのおばさんはいない。自分が小学生のころ、実家近くには居たのに何故だろう?
しかも、自分が住んでいる近所のメンバーは全員シニアの方だ。その中でもオカヤマさんは最年長ではないだろうか。
年齢を聞いた時に驚いた。80歳を超えていることを教えてくれたのだが、70歳前後だと自分はずっと思っていたからだ。
若々しく見える彼と今朝話したことは、今夜の天気のことだ。
今夜は雨だね、とお互いに口にした。
朝は傘が必用なほど、しっかりとした雨が降っていた。天気予報でも夕方まで雨だったからだ。
今日は第2金曜日。地域のちょっとしたボランティア、夜回りに参加する日。自分もオカヤマさんもメンバーだ。
雨が降れば行わないことになっているが、自分の担当日には何故か晴れることが多い。
昨年まで、自分はオカヤマさんと違うグループでプレミアムフライデーの担当だったが、今年から第2金曜日に変わった。
お昼までは雨が降っていたのに、夕方にオフィスを出ると雨は上がっていた。アスファルトはまだしっかりと濡れていて、水たまりが目立つほどだったが。
この分だと今夜も夜回りは、休みになりそうもない。
オカヤマさんは、数年前まで保護司をしていた。区の保護司の集まりの長にも就いていた。また、近所の町内の副会長も務めていた。
恥ずかしながら、数年前まで保護司を知らなかった自分。偶然、山本譲司さんが著した『獄窓記』を読んだことがきっかけで、保護司のことを知った。
自分とは縁遠い人たちかと思っていたら、意外と自分の身近に居たのだ。
保護司は準公務員。国家公務員ではあるが、現在は無休なので実質的にはボランティア。
最近は担い手不足が問題になっているようで、法務省内でも有償化が検討されているようだ。
世間様の器がどんどん小さくなっている昨今。自分が地区の組長だった数年前、組長会議で驚いたことがある。
ミドリのおじさんたちに保険をかけるように、行政から指導が入った。その保険の掛け金を町内会費で負担するかが議題になり、しかも否決されたのだ。
理由はボランティアだからという意見が多かったように記憶している。
そんな人たちが形成している世間様が、保護司に対して手間賃を支払うことを認めるのはちょっと厳しい気がする。寂しい話ではあるが。