淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

スマホ持参が入店条件

 昨夜の仕事後、ある知人と2人で居酒屋に出かけた。その知人とは以前、同じプロジェクトに於いて同じチームで働いたことがあった。そして、偶然にも今の現場でもチームこそ違うが同じプロジェクトに従事している。
 これも何かの縁だと、どちらからともなく2人で呑みに行く話になり、やっと昨日実現した。

 2人という少人数で呑みに行くのに、忘年会シーズン真っ盛りの12月の金曜日にする必用もないと思われるかもしれないが、それぞれの事情が重なって昨日になった。
 知人は今月が誕生日のようで、還暦になる男性だ。結婚して娘が2人いるようだが、どちらも社会人になっているらしい。

 以前一緒に参加したプロジェクトでも呑み会が何回かあり、その際に3、4回はグラスを交わした記憶があるが、いつもは大所帯だった。
 一度、プロジェクト全体の忘年会に参加したが、あまりにつまらなかったため、途中で一緒に抜け出して帰ってきたことが印象に残っている。

 昨日出かけた店は自分が決めた。以前、街を歩いていたら居酒屋のチラシを受け取ったが、その内容が気になっていたからだ。120分飲み放題1,000円、のキーワードに惹かれたからだ。
 チラシに金及び土曜日は除くと書かれていなかったことも、確認した。
 だが、それ以上に気になっていたことがある。それは予約をしていなかったこと。オフィス街の12月の金曜日の夕暮れ時だと、居酒屋難民になる可能性は否定できなかったからだ。

 知人の彼は7F、自分は6Fで働いているためにビル1Fのエントランスで待ち合わせをして、目的の居酒屋がある雑居ビルまで歩いた。
 雑居ビルに到着すると、目的の店がある8Fまでエレベータで上がった。扉を開けて入ろうとすると、自分よりも年長に見えたサラリーマン2人組が外へ出てきた。その瞬間、自分の予感が当たったのかと思った。

 確認するように、店員に尋ねると席はあるという。たた、あることを質問された。スマホを持っているかを。
 知人はガラ携だったが、自分はスマホを持っている。そのことを店員に話すと、メニューの注文がスマホでするシステムであることを説明され、それでも問題ないかを確認された。
 自分は店員に質問を返した。店内でWi-Fiが使用できるかを。店員は即答で使用できることを答えてくれたので、自分は了承した。

 席に案内されると個室になっていた。4脚の椅子があったので、それぞれが空いた椅子に荷物を置いて向き合って広く座った。
 店員がおしぼりと数㎝四方の紙を持ってきて、テーブルに置いた。入店する際、店員に飲み放題コースの選択を伝えていたので、最初の飲み物を聞かれた。2人はそれぞれ、生ビールを注文した。

 続いて店員はおしぼりと一緒に置いた紙を自分に近づけた。見るとQRコードが書かれている。店員にスマホでそのコードの読み込みを指示された。
 すると、スマホの画面が切替って上部に残り時間が表示されている。最初は90分超だった。どうやら、120分の飲み放題でもラストオーダーは90分までのようだ。
 液晶画面の下部半分以上はメニュー選択になっていた。この画面からメニューを選ぶことを説明された。
 テーブルに一応メニューはあるのだが、呼び鈴はない。

 店員は消えると、お互いに先客2人が帰っていった理由がわかり、そのことをしばらく話題にした。
 彼らは次にどこの居酒屋を尋ねたのだろう? 居酒屋難民にならなかっただろうか。

 スマホが自分のものであったこともあり、注文は自分の担当になった。知人が8割以上話し、自分はそれを聞きながらスマホを操作する構図で時間は過ぎていった。
 自分にとって時間が過ぎるのは早かったが、楽しかったからそう感じた訳ではない。ただ、落ち着けなかったからだ。
 率直な感想を言うと、この店にはしばらく訪れたくない。せっかく仲間とお酒を呑みに来ているのに、強制的にスマホを見る時間が増えてしまうからだ。会話にも集中できないし。

 試み自体は悪くないとは思った。飲み放題の時間はリアルタイムに表示されるし、注文したかどうかも簡単にわかる。
 似たようなシステムでタブレットなどを導入している飲食店も増えてきたが、それに比べれば初期導入費用が安価なために、お客に価格も還元されるだろう。
 また、最近街中の低価格体の居酒屋で見かける外国人の店員も見かけなかった。設備投資だけでなく、人件費も節約できるはずだ。

 飲み放題の時間が過ぎると、メニュー画面は表示されなくなった。スマホからは店員を呼ぶこともできない。個室でテーブルに呼び鈴がないので、この点も改良する必要はあるだろう。

 この話を今日、副業先のラーメン屋で賄いを食べている時に皆に話した。社員は特に興味を持って聞いてくれた後に、次のようなことを口にした。
 アイデア自体は悪くないし、これから同じような店が増えてくるのではないかと。

 自分は賄いのラーメンを食べながら考えを巡らせた。
 居酒屋やファミレスだけでなく、ラーメン屋や牛丼屋などでもスマホが無いと入店は出来るが、注文できない店が近い将来、出来る可能性を。もちろん、その分価格には転嫁されるだろうが。