淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

難波は広かった【日帰り二都物語 その5】

 難波に向かった理由は、カメラを買うつもりだったから。ネット通販も隆盛を極める中、わざわざ大阪に立ち寄ってカメラを買うことにしたのは、中古のカメラを候補にしていたからだ。
 性能はある程度把握していたが、商品のていどなどを実際に目で確認したかったし、可能であればシャッターも切らせてもらいたかったからだ。

 自分が今まで使っていたのは、『OLYMPUS PEN Lite E-PL2』。1/2成人式に自分が使っていたカメラを娘が欲しいと言ったこともあり、別のカメラを買うことにしたのだ。
 候補はいろいろあったのだが、自分が現在収入のない身であること、娘と一緒に撮影に出かけることもあるかもしれないと考えて、同じシリーズの後継モデルを選択した。
 現在、一番の最新モデルは『OLYMPUS PEN E-PL9』。
 だが、そこまではさすがに手が出なかった。レンズもひとつ娘に譲ることになるので、新しくレンズを買い足す必要もあったからだ。
 結局は2世代前のモデルを中古で買うことにした。カメラ本体だけなら2万円超の『OLYMPUS PEN Lite E-PL7』、に。
cs.olympus-imaging.jp
 地下鉄御堂筋線の改札を抜けてカメラショップがある、なんばCITYを目指した。人の多さもあるが、それ以上に大阪の街特有の問題に悩まされた。地下街や駅ビルなどのわかりにくさだ。
 その点だけは、東京は抜きん出ている。田舎者だけでなく、世界中から人が集まる街だからだろう。自分が住む街、名古屋も以前は相当に酷かったが、今は大阪よりはかなりマシになったと思う。

 名古屋には乗換可能な駅で、別の名前をつけられていることは少なくともない。
 わかりやすい例でいうと、JRは大阪駅を名乗っているのに、私鉄や地下鉄は梅田駅をそれぞれ自称している。しかも、地下鉄は梅田と名がつく駅が三つもあり、その三つが同じ地下街で繋がっているのだ。その駅名はそれぞれ梅田、東梅田、西梅田となっている。
 駅構内では繋がっていないのに、IC切符などで30分以内に乗り継ぐ場合、初乗り料金とならない設定になっているのは親切なつもりなのかはしらないが、エンジニアである自分からしてみれば、駅自体の設計ミスだと考えている。
梅田3駅(梅田・東梅田・西梅田駅)の改札外乗継について|Osaka Metro
 駅員やショップ店員などに何度かルートを聞きながら、なんばCITYに向かったが、彼らのほとんどは同じような言葉を口にした。歩くと結構ありますよ、と。
 なんばCITY南海電鉄難波駅の下にあるショッピングセンター。
 ビジネスや観光で何度か訪れている大阪だが、乗ったことがない私鉄はふたつだけ。ひとつは阪神電鉄、もうひとつは、南海電鉄だ。そのせいもあって、南海電鉄難波駅も訪れたことはなかった。

 どれくらい歩いただろう? 少なくとも20分以上は歩いた気がするが、ようやく目的のカメラ屋に辿り着いた。
 欲しかった商品を店員に告げて、見せてもらった。こちらが申し出ると、気持ち良く試し撮りもさせてくれた。もちろん、SDカードはこちらが用意したが。
 2台在庫があったが、最初に試し取りした方にあっさりと決めた。

 カメラを買ったら気が抜けたのか、一気に足が重くなった。難波からは久し振りにアーバンライナーに乗車して帰るつもりだったので、近鉄の駅を目指した。
 地下街ではなく、地上を歩いた方がわかりやすくて早くいけるかと思ったが、ある程度歩いたところで人に聞くと自分は逆方向に歩いていた。地下街から向かった方がいいとアドバイスされたので、再び地下街に潜った。

 途中、フットマッサージの店の看板が目についたので、吸い込まれるように店内に入った。今すぐに施術可能とのことだったので、足裏マッサージを受けたら足がかなり軽くなった。
 足裏マッサージの施術料金を考えたら、新幹線で帰った方が安かったが、今回のようなことも良い経験になったと思う。少なくとも難波という街が広いということがわかったし、そのことをこのblogに書く残すことも、できたのだから。

 近鉄難波駅で乗車券とアーバンライナー特急券を買い求めると、次の電車まで30分を切っていた。
 仕方がないので、駅構内のコンビニで夕食を買った。弁当、缶ビールと缶チューハイ1本ずつを。
 ホームに向かうと、アーバンライナーは既に停車していたので、乗り込むと車内は空いていた。自分が買った指定席がデラックスシートだったこともあるだろう。
 主な荷物を網棚に上げて、弁当を食べながらビールをゆっくりと呑み始めた。お昼に鱧の天ぷらを食べた時に呑みたかったことを思い出していた。

 ビールを味わっていると、電車がホームを離れた。鶴橋の駅を過ぎるころには、ビールを飲み終わって缶チューハイを呑んでいた。
 暗闇の中を走る特急は、駅だけでなく様々な景色をも次々と置き去りにしていった。弁当を食べ終わり、缶チューハイを呑みきると、いつの間にか、まどろんでいた。
 目が覚めたのは名古屋駅に近づいたころ。車内のアナウンスで気がついた。

 名古屋駅に着くと、弁当と空き缶を構内のゴミ箱に入れると、乗車していた電車まで戻ってきた。新しいカメラを買ったこともあり、写真に撮っておくたくなったからだ。酔っていたこともあり、雑にシャッターを切った。
 シャッターを切り終わると、様々な気持ちが自分を襲ってきた。たった1日で起きた様々なことが、自分を多く揺さぶった。そんな1日は随分、久し振りな気がした。

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乗車していたアーバンライナー名古屋駅ホームにて。
 それが訪れた街、神戸と大阪のせいだったのか、出会った人たちのせいなのかは、文章を書いている今でさえわからない。
 ただ、少なくとも友人の1人が、神戸で自分が働くかもしれないことを、気にしていてくれたことは、少し嬉しかった。(了)