淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

金曜日の夜に飲みに行く?

 マスヲは金曜日の夜はよほどな理由か特別なメンバーでないかぎり、飲みには出かけない。
 最近、連続で仕事がらみで別の方2人に誘わたのだが、ひとりは久しぶりに集まるメンバーだったのだが、丁重にお断りし、もうひとりは違う曜日に変えてもらった。

 金曜日の夜に飲みたくない理由はたくさんあるので全ては列挙しないがいくつかを以下にあげてみる。

  1. 週末を大事にしたいので金曜日は早く帰りたいこと
  2. 明日が休みだと思って深酒をするメンバーがいること
  3. 居酒屋難民になりやすく、店に入れたとしてもサービスの質が悪いこと

 理由を書きだすときりが無いのでこれくらいにしておくが、それでも、年に何回かは金曜日の夜や祝日の前に仕事関係の人間と飲みにいくこともある。
 今年のまだ寒い時期のある金曜日の夜だったが、明日が休みだということもあってその日も終宴が遅くなり、終電の1本前の電車になってしまった。

 マスヲの駅までは終電の終着駅なのだが、路線の終着駅までいく電車は1本前の電車だ。
 そのために1本前の電車の方が混雑することが多いのだが、偶然席が空いていたので座った。
 右隣は自分よりは少し若い男性のサラリーマンで青白い顔をして居眠りしていた。

 電車がいくつかの駅を過ぎていき、大きなターミナル駅に到着するとその駅からも多くの客が乗り込んできて、さらに車内は混雑してきた。
 そしてしばらくすると、マスヲの右隣の人間が目を覚ました。というより、目を白黒させて口に手を当てだした。吐物を戻しはじめたのだ。
 酔っぱらいがリバースする光景は見慣れているが、乗り物酔いで子供などが戻すのとは訳が違う。初めは目を疑った。
 彼の吐物はマスヲよりは右側に座っている客の方に多くかかっていたが、こちらのコートにもかかっている。
「すいません」と小声で彼は言ったまま放心状態になっていたが、次の駅で彼は逃げるように降りていく。
 そのあと、目の前の吊革にぶら下がっていた女性がマスヲにウエットティッシュを差し出してくれた優しさが今でも忘れられない。
 だが、やはりこのようなことは平日に遭遇したことがないので金曜日の夜の飲み会はできる限り避けたいと考えている。

ニュースソースとしてのインターネット

 マスヲの実家は新聞を購読している。マスヲが子供時代は朝刊だけでなく、夕刊も取っていた。
 小学校時代の高学年の頃だったと思うが、夕刊に毎日掲載されるコーナーについて、今でも中の良い友人とよく話題にしたのを覚えている。
 論説などの重い内容ではなく、軽いテーマのコーナーだった。

 昔から、朝早く起きるのが苦手だったマスヲにとっては、夕刊のほうがずっと馴染みがあった。
夕刊を辞める間際、マスヲは朝早い仕事をしていたので、夕刊が届く時間には家にいたので、配達されるのを楽しみにしていたほどだ。
 そんな楽しみにしていた夕刊の購読を辞めることになったときはショックを受けた。

 その理由はマスヲの弟が東京の私大に進学することになったので、家計への経済的負担のためだ。
 マスヲは当時、社会人。家に僅かながらではあったが食費を入れていたので、余計にショックだった。
 父親は晩酌のときに楽しみにしていた瓶ビールを缶ビールに変えていたし、夕食のおかずが少しさびしくなった気もしていたので釈然としなかったが、父親の缶ビールを飲む姿をみて何となく自分を納得させたことを思い出す。

 マスヲが結婚するときに妻と新聞の購読について話しあったがふたりともズボラな性格のため、読み終わったあとの新聞についての処理が面倒だからという理由で新聞の購読はしないことにした。
 それから今も新聞を取っていない。

 夕刊についてよく話しあった友人とは、今でもよく会って飲みながら話をするのだが、最近の話題の中でニュースをインターネットだけに頼っていると情報が偏ってしまうという話で盛り上がった。
 以前も、マスヲからその話をした気もするが、それが酔っぱらい同士のいいところ。
 すっかりそのことは棚上げされた状態で、その夜のテンションの高い話題のひとつになった。

 どういうことかと言うと、ネットサーフィンをしながらニュースを見ていると自分の都合のいい情報ばかりをいつの間にか集めてしまうということに2人とも気が付いていた。

 それだったら、テレビやラジオでニュース番組を見たり聞いた方が情報の偏りが少ないという結論に達したのだ。
 テレビやラジオは第3者によって、情報のバランスがフィルターされるため、自分で意識しないうちに自分の心地よい情報だけをクリックしているよりはバランスが取れているはずだと。

 マスヲも友人と話す前からそれを自覚していたので、なるべく時間のあるときにニュース番組をぼんやりでもいいから、見るためにテレビのニュース番組を1日にひとつは見るように気を配っているし、友人は家で新聞を購読しているので新聞を読む時間を増やしているそうだ。

 ネットでニュースを見て情報を集めるのは能動的な行為で、テレビやラジオを視聴するのは受動的な行為だと思う。
 一般的に受動的な行為より、能動的な行為の方が世間的には肯定されがちだと思うのだが、情報の取得だけは能動的なことよりも、受動的な方が優れていると考える。
話し上手になるより、聞き上手になったほうが得、とよく言われることも上記のような理由なのかもしれない。

 その点を考えると能動的でかつバランスの取れた情報を取得する方法は新聞がクローズアップされる。
 過去に購読を何回か考えたし、キャンペーンなどの試読をしてみたが、やはりズボラな性格が災いして結局今までは購読にいたっていない。

 以前のプロジェクトでお昼時間に昨日の録画したニュース番組をタブレットとイヤホンを使用して視聴している方がいたが、この方法も情報の偏りを防ぐには有効かもしれないと最初は思った。

 だが、番組を録画すると巻き戻しもできるので早送りもできるので自分が知りたくない情報を早送りし、興味のある情報を何度も見ることができる。
 そのような方法で番組を視聴すると、また情報が偏ってしまう。

 新聞以外の方法でニュースから情報を集めるときには、結局は受け手が意識を高めるしかない気がする。
 今はもうスマフォの普及もあり、インターネットでニュースを見ることを非難や疑問に思うこと自体が時代の流れにそぐわないのかもしれない。
 だが、せめてニュースの受けては情報取得のバランス感覚だけには気を使って欲しいと思うし、マスヲも最近は特に意識している。

冬の宴の終わり

 今週の月曜日から毎日祈るような気持ちで、土曜日のチャオ御岳スキーリゾートの天気予報を見ていた。

 今週もゴンドラの運行時間は6:30~15:00まで。そのために3:30過ぎには家を出た。

 先週と違い、道中はゲレンデに向かいそうな車を高速から何台か見かけたので、今日は最終営業日の前日なので、先週よりは混んでいるかもしれないと思いながら車を走らせたが、いつもよりはゆったりと走らせていたせいか何台かの車に煽られもした。

 向かっているゲレンデの営業日が終わることにセンチメンタルになっていたのかもしれない。

 

 さすがに道中に桜の花を見ることはできずに山肌に山吹や道路のふちなどに芝桜が咲いていた。

 また、先週とちがい道中に霧などはかかっていない。

  開田高原あたりから見えてくる御岳を見ると残雪は残っているが、先週よりは黒っぽく見える。ゲレンデ近くになっても道路脇に残雪はなかった。

  

 ゲレンデの駐車場に6:15に着いた。駐車場の車はまばらだった。

 マスヲが停めた隣の車は岡山ナンバーだった。

 おそらく、定年を過ぎた年齢だろう。挨拶をして話しかけたら、おだやかな話し方で本当に昨日から時間をかけて岡山からこのゲレンデまできたそうだ。

 マスヲもそういう歳を取りたいと思わせるような方だった。
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 駐車場も空いているなら、ベースセンターも空いていた。

 先週はリフト券を買うのに多少の待ちがあったが、今日はすんなり購入できた。

 コース案内図を見ると今週末に滑走できるコースはイーストコースのみだった。

センターコースは無理だと思うと残念だったが、先週の雪の状態をみるとある程度想像はついていた。

 

 センターから表にでると目の前にはもう雪はない。

 ゴンドラ乗り場までの積雪のあるところまで、ブルーシートが敷いてあり、その上を歩いて積雪のあるところまで辿り着き、やっと雪の上を歩く感触を味わうことが出来た。

 

 なんとか6:45ころに最初のゴンドラに乗ることができた。

 ゴンドラから眺めるとまわりの針葉樹の緑は先週より、しっかりと色を強めている。ゲレンデも急速に初夏へと向かっている。

 ここで春スキーをはじめたころは聞こえてきた鳥の泣き声はウグイスだけだったが、今週はかっこうまできこえた。

 さすがに今週末が最後の営業日だということが納得できるように、イーストコース以外のコースは黒い山肌をあちこちに見せていた。

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 1本目を滑って見る。コース幅は正直に言って想像よりも狭かったが、それ以上に今週も雪質は想像以上だった。

 滑っていて、この爽快感が今週限りだと思うと切なくなってきた。

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 2本目のゴンドラで偶然、駐車場で隣り合わせた岡山の紳士と一緒になった。

 1本滑ったが先週の志賀高原の一ノ瀬や寺子屋よりも雪質は比べ物にならないくらい、いいらしい。

 来て良かったと言われると、不思議な話だがこちらまで気分が良くなってきた。

 

 朝のうちはほとんどスキーヤーしかいなかったが、時間がたつにつれボーダーが増えてきた。

 ゴンドラに乗り合わせた若い男性ふたりのボーダーと話をしていたら、本当は昨夜友人と3人で飲むはずだったのだが、あとひとりの友人が約束を反故にしたらしい。

 その時、彼らは頭に来ていたらしいがスマフォでここのゲレンデが滑走可能なことを知り、お酒を飲むのを辞めてそのままここに直行したらしい。

 

 友人に約束を反故にされたことを怒っている様子は、全然見えない。代わりに、俺たち来週から何をすればいいんだろう、と呟かれた。

 マスヲはそんなにボードが好きなら来週末から白鳥ウイングヒルズのサマーゲレンデの営業が始まるから、そちらを進めた。

 ふたりはウイングヒルズのサマーゲレンデの経験がないらしく、いろいろ聞かれたがとりあえずグラトリができることを話したら乗り気になっていた。

 

 10:00を過ぎたら空腹を感じたので表の屋台で焼きそばとノンアルコールビールを楽しむことにした。

 今日は風もなく、空も真っ青のために寒くなく暑いくらいだった。

 焼きそばが焼けるまでに10分ほどかかるとのことだったので、空き缶を片手にくっきりと見える御岳を見ながら、焼きそばが焼けるのを待った。

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 焼きそばを食べた後の2本目くらいに岡山の紳士に再開した。僕も彼を探すというよりは単調な一本のコースなので、どこかで顔を合わせるだろうと思っていたが、向こうもマスヲを探していたらしい。

 何時まで滑走する予定なのかを聞かれたので、12:00までのつもりだと話すと、それまでお互いに一緒に滑ることにした。

 

 一緒に3本くらい滑ったと思うがこの重たい雪の上を軽快に滑っていく。失礼を承知で年齢を尋ねると62歳だと教えて頂いた。

 ゴンドラに乗るたびにいろいろと話が盛り上がったので、滑走後レストランでコーヒーを飲むことになった。

 

 朝は車中泊をして明日まで滞在し、滑走する予定だと伺っていたが想像していた以上に雪質に満足できたために今日ゆっくりと帰宅することにしたそうだ。

 その話しの中で印象的だったのはアウトドアスポーツが好き過ぎて取りつかれている人間をちょっと際どい言葉で表現したことだ。

 一時期発行されることが無くなった、釣り漫画のタイトルに似たような言葉で表現していたが、まったく嫌な印象も受けずにそれどころかこちらも同感だった。

 また、アウトドアスポーツを愛好する人間は仕事ができる人ばかりだ、おっしゃっていたがマスヲは自分のことはやんわりと否定すると同時に、最近の自分の仕事ぶりを考えると少し恥ずかしくなった。

 最後に彼へのメールの宛先を聞いたので、後日こちらから連絡をすることをして別れた。

 マスヲがこの記事を書いている最中も事故に遭っていないことを祈っている。

 

 帰りに濁河温泉市営露天風呂に寄った。

 今年は濁河温泉のある旅館にも宿泊したし、先日は旅館御岳の日帰り入浴もしたが、市営の露天風呂も気に入っていたので、立ち寄ることにした。

 確か、昨年のシーズン最後のスキーも立ち寄った気がする。

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 濁河温泉から国道41号線の飛騨小坂まで抜ける山道の途中で脇の木陰で仮眠をしようとした。温度計を見ると20度を軽く越している。車内も締め切ったままだと少し汗ばむほどだった。

 窓を少し開けて微睡しながら考えた。昨年よりも雪が多かったせいもあるが、今シーズンのスキーは例年になく得ることが多かった年だったと。

 でも、どんなに素晴らしい宴にも終わりはある。

1380億ドルよりも価値がある

 平日、睡眠が浅くなりだしてからは毎日お昼休みの昼食後に昼寝をするのが日課になっている。
 晴れの日にはお気に入りの木製のベンチがあって、街中ではあるが裏路地のせいか利用者も少なくマスヲ専用のお昼寝ベッドになっている。

 春先はまだまだ寒い日も多く、スーツの上着だけでは寒いのでアウターを1枚来て寝ていた。
 目元が明るいと寝つきが悪いことに気が付いて目元にハンカチを乗せていたが、春先は風が強い日が多くよく飛ばされたので、アイマスクを買って利用するようになった。

 陽気がよくなるにしたがってアウターを脱ぎ、最近ではスーツの上着さえ脱ぐことが多くなってきたが、それでもここ何日かは暑く感じることが多くなってきた。
 そのためか、今日は上着を脱いだままランチに出かけて、昼寝をしようとするとアイマスクがない。アイマスクは上着のポケットに入れっぱなしの習慣になっていたからだ。

 仕方がないので昼食を済ませるとマイベッドでの昼寝をあきらめて、現場の自席に戻った。
 時計を見るとお昼休みはまだ30分以上あった。スマフォで音楽を聴くことや1回読み終えたばかりの読後感の良かった小説を読むことも考えたが、机にうつ伏して昼寝を試みることにした。

 気が付くとお昼休みを告げるチャイムの音がぼんやりと聞こえる。目を開けて顔を上げると自席でしっかりとした眠りについていたことに気が付いた。
 しばらくは頭がぼんやりしていたので、正面をぼんやりと見ていた。マスヲの正面は机でできた3列の島の向こうに表通りに面した窓がある。
 普段はブラインドがかかり、その向こうにはこの季節にぴったりの新緑を街路樹が装っていた。
 街路樹は大通りの手前と向こうに2本見え、光の当たり方や風の向きや強さが違うためか常に違う表情を続けていて見ていてあきない。いつも見ている窓からの景色なのに、まったく別物に見える。

 給湯室に行き、ドリップバックのコーヒーを入れて飲むためにドリップバックの入った包装を開封した。コンビニのPB商品のために高価なものではないし、マスヲがマスクをしているのにも関わらず開封しただけでコーヒーのしっかりとした香りが広がった。
 もちろんドリップしている最中もいつも以上にコーヒーの香りがしたし、入れ終わってのんでもいつもよりもおいしく感じた。

 このあたりから自分が昼寝にも関わらず、最近経験したことのないような深い眠りについていたことを確信した。
 普段悩まされていた偏頭痛も昼からはほとんど気にならなかった。

 コーヒーを飲みながらブラインド越しに街路樹を再び見ても、時間の経過のためか日の当たり方が変わり色合いが違っていることにも気が付いたし、手前の街路樹は先ほどよりも強い風に吹かれていたが、奥の街路樹はそれほど揺れてはいない。

 まわりの人たちを眺めると昼下がりのせいか、ぼんやりしている人や睡魔と闘っている人、真剣な表情でパソコンに向かっている人たちの力の入り方までが読み取れている気がする。

 表で風に当たりたくなりエレベーターに乗った。上のフロアから乗っていた女性のフレグランスを強く感じた。マスクと花粉症気味のせいか最近はほとんど気になったことがなかった。

 表通りの通っていく車を眺めているとバスが多いのに気が付く。大きな駅前の大通りなので当たり前だが、普段はそれにもあまり気が付いてないのに、誰が乗っているのかにも自然に好奇心が湧いた。
 歩道を歩いている人たちを見るとひとりひとりの手の振り方や、足音の違いにも気が付いた。

 オフィスに戻ろうとエレベーターに乗ろうとすると同乗した女性がいた。彼女はマスヲより少し年上に見えたが彼女の髪の毛からタバコの臭いがした。このビルの1Fには共用の喫煙所があるので、きっとそこで喫煙していたのだろう。

 帰宅中の電車でも再読していた小説を読んでいるときも再読のせいもあるかもしれないが、初回に読んだときと描写のイメージがより自分の中で膨らんでいく。
 そのせいもあってかあっと言う間に自宅近くの駅についた気がしたし、振り返ってみれば昼からの時間の経過も全体的にいつもより早い。

 駅のホームに降りると20代らしきカップルがマスヲの前を歩いていた。
 彼らがホームから改札をでるまでの間の歩くスピードや寄り添い具合などからお互いをどのように思っているかを想像しながら微笑ましく見ていた。

 駅の自転車置き場から自転車で自宅に向かった。自宅までは幹線道路を横切らなくてはいけないが、そのための信号は2か所だ。
 いつもはどちらで渡るかも迷うし、あわてていたりイライラしているときなどは信号でないところで渡ったりすることもある。今日は自然と手前の信号の変わったタイミングと、その次のまた次の信号の変わったタイミングを観察しながら、洞察してふたつ目の信号で渡るとスムーズに渡れることに気が付きスムーズにわたることができた。

 信号を渡る手前に小さな川がある。川といってもドブ川ともいえるような川だが、夕暮れを浴びた雑草の中で黄色い花が綺麗に咲き揺れているのが目に入った。
 そして風が川の方から草の臭いを運んできて、マスヲを気持ちよく包みこんだ。

 なんだかとてもゆったりした気分で帰宅することが出来たし午後からは特別な日、特別な自分になった気もしていたが、十分な睡眠時間と熟睡が確保されれば毎日が朝からこのような感覚や気分で過ごせるはずだということに気が付いた。

 インターネットで調べると次のような記事を探すことができた。
 Bloombergの記事によると『睡眠不足は翌日に頭痛や倦怠(けんたい)感を引き起こし、日常生活に支障を来すだけではない。労働者の生産性を低下させ、死亡リスクを高めることにより、日本経済に多大な損失をもたらしている』と。
 また、次のように『日本の損失は年間1380億ドル、調査対象5カ国でGDP比が最大』とも書いてある。

 1380億ドルを日本の人口を1億2700万として概算するとびっくりするような金額になった。
 睡眠不足の原因のひとつは間違いなく、最近時事問題のひとつになっている長時間労働だろう。

 その問題を企業や行政に訴えるのには上記の計算金額のほうがアピール度は高いかもしれないが、マスヲにとっては今日の午後のような時間を1日中、毎日過ごせるほうが素晴らしいと思っている。

ドラえもんとツツジの拷問

 安定剤と睡眠剤を服用して寝た場合に見る夢はいつも以上に脈絡が無い夢を見ることが多い気がするが、今日はひとつだけはっきりとした夢を見た。

 マスヲが中学校時代の恩師が出てきた夢だ。女性の先生なのに僕らにつけられていたあだ名はドラえもん。体型からつけられたあだ名だと思うが、当時でも年配で国語の担当だった。
 中学校時代の友人と集まったときでも彼女のことを悪く言われることはほとんどない。

 夢の内容は次のような内容だ。
 自分が中学生で彼女の授業を受けている。授業中に居眠りしていたので、当てられて教科書を朗読させられようとするところで目が覚めた。
 この夢には興味深いことがふたつあった。
 ひとつ目は高校になってからは授業中、居眠りばかりしていたが、中学校まではどんなに眠い時でも居眠りした記憶がないこと。
 ふたつ目は、その文章の作者が中園ミホだったということだ。

 マスヲにとって中園さんは最近の中では好きな脚本家だ。
 しかし、彼女が脚本を書いたドラマと雑誌の対談くらいでしか彼女を評価していないので、著書を直接読んだわけではないが、国語の教科書に取り上げられるような文章を書くようなタイプには思えなかったからだ。
 
 このようなことを考えていると何か暗示的な夢だったのかなという気もしてくるが、今日時点ではその夢が暗示的だったと思うような出来事は起きていない。
 中園ミホが出てきた理由は分からないが、恩師が出てきたのは季節的なことが関係していたのかもしれない。

 彼女の授業の中でのエピソードはたくさんあるが、それがツツジの拷問と本人が読んでいたカタカナの特訓方法があった。
 カタカナの書き順を間違った生徒を見つけると、黒板の右端の上から左端の下までびっしりと『ツツジ』と縦に書かせていくのだ。

 もうそろそろツツジの季節も終わりだが、マスヲが毎朝利用するホームからツツジが見える。
 そのツツジを見ながら確かに時々彼女のことを思い出していた。