今、自分の心を煩わせている人間は何人もいる。本業の仕事で関わる人がほとんどなのだが。全員のことが嫌いになれないでいるのが余計に厄介。
他人のことを完全に二元論で考えられたらどんなに楽か。善悪か、好きか嫌いかで。
もちろん、少しも好意を持てない人間もいるが。
今月から自分の右横の席に着任した男性エンジニアも、自分を悩ましている一人。
個性的であると自認している自分が言うのもなんだが、彼はアクが強い。着任する前に現場リーダーが言っていたのが、今ではよくわかる。
このblogで一部の読者に人気があった、串勝男なみに。
hatehatehahaha.hatenablog.com
勝男と同じくらいに個性的なのだが、何故か今まで適切な愛称をつけることができずにいた。
ネーミングセンスが自分には乏しいからなのだろう。
諦めて彼のことを今後は次のように呼称することに決めた。隣の彼、と。
ちなみに隣の彼は、未年の40歳。年上に見えたので、干支を聞いた時に50代だと自分が言ったら、表情を変えた、隣の彼。
隣の彼は着任してからことある毎に、自分に尋ねてくるキーワードがある。
そのキーワードは『請負』と『準委任』。仕事中のことだし、まわりの目があるので自分の本音を彼に伝えたことはない。
というか、たまたま仕事先で隣り合っただけの人間に自分の本音を語る人間がどれだけいるのだろう? かつての自分も含めて、そんなお人好しはかなりの少数派ではないだろうか。
建前と本音がわかりやすすぎるほど乖離してしまった現在で、何を人に聞いているのだろうと、隣の彼の質問については思ってしまう。
ましてや自分と違って隣の彼は、学校を出て以来この業界に身を置いているのだから。しかも、ずっと同じ会社に所属しているらしい。 だが、彼とのやり取りで準委任について文章を書くことができたのは、感謝すべきなのかもしれない。
自分のように客先常駐で働いている多くのシステムエンジニアのことを、他の人に少しは知ってもらえる機会になったかもしれないから。
自分の考えでは、準委任≓偽装派遣。二重派遣がコンプライアンス上、問題があるから準委任という契約で法の目をかいくぐっている。
かつては、客先常駐で働くシステムエンジニアも請負と派遣契約が多かったようだが、今ではほとんどが準委任契約だ。少なくとも自分が知るかぎり。
上の図で説明すると、自分は二次下請けのT社に所属している社員。
契約上はM社と準委任契約を交わしているが、仕事上ではS社から指示を受けている。
M社は自分の勤怠を管理しているだけで、実務には関与していない。
ちなみに隣の彼は、S社からみたらM社と同等の他の会社から準委任の契約を交わしている会社に所属しているようだ。
自分と彼が同じグループで仕事をするのは、本来ならばおかしいはずだし、そのことについて彼が尖っているのをある程度は理解できる。
だが、あくまでもある程度。ずっと同じ会社に居る彼に、自分が所属している組織を糾弾する勇気があるとは、とても思えないからだ。
かつて、自身が所属していた法人と法廷の場で争った自分とは気概がかなり違うだろう、きっと。