淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

野麦日和

 日中、ホームゲレンデである野麦峠スキー場で雪遊びを楽しんで、今ペンションの自室でこの文章を書いている。温泉を露天風呂で堪能したところだ。自室に戻ってくると暖房がよく効いている部屋は暑いくらいだったので、部屋の暖房器具のスイッチをたった今切ったところだ。

 今回の雪遊びは高校の友人夫婦と一緒に来ている。今日は野麦峠スキー場によって、乗鞍高原温泉のペンションに泊まり、明日は乗鞍高原温泉スキー場にて皆で雪遊びをする予定だ。
 同行している夫婦は、自分が結婚するきっかけを作ってくれた2人。そんな2人と一緒に旅行をすることになるなんて、人生は本当に先がわからない。

 今日の野麦峠スキー場のゲレンデは、今シーズンの中でも一二を争う素晴らしいコンディション。3月中旬にも関わらず、先週何度か降雪に恵まれたおかげだ。
 きっと、同行してくれた夫婦2人の日ごろの行いが良いのだろう。自分の小さな悪事をカバーしてくれるほど。

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パノラマゲレンデから下部を望む。ゲレンデ下部でも終日、雪が緩むことはなかった。
 いつもスノーボードをするときは、スキーの後にしていたが、今日はいつものパターンと変えてみた。縦水の坂の迂回路が滑走可能になったこともあって、先にスノーボードを楽しんだのだ。
 まだ、ほとんど荒らされていないゲレンデをスノーボードで滑るのは、思っているよりも気分がよかった。ただ、自分のレベルよりも高めのゲレンデも滑ったので、自分の転倒によってゲレンデを荒らしてしまったのはご愛敬。

 友人のスキーのブランクは10年ほど、奥さんの方は四半世紀とそれぞれ道中に話していたが、久しぶりのスキーを満喫してくれたようで、自分としても嬉しかった。
 あと1時間もしないうちに夕食になるのだが、またその時にもグラスを交わしながら楽しい談義になるのだろう。全員明るい性格だし、話題も豊富なので、今から楽しみにしている。

 昨日、所属している会社に退職を申し出た。小さな会社なので、一応上司である社長が自分と話をしたいと言ってくれたが、その日時が明明後日の火曜日だったのには、びっくりした。
 自分と何か話す気があるのなら、次の営業日の月曜日を申し出ると思っていたからだ。
 火曜日であれば、自分はその申し出を断るつもりだ。有休消化に入っているので、ゲレンデに雪遊びにくるつもりだからだ。

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社長からのメール。形式的な会話ならば、必用ないと自分は考えているのだが。
 それなりに考えてだした結論なので、社長に対して特別話したいことはない。立つ鳥跡を濁さず、とは言わないが自分がいなくなる組織のことに何かもの申すほど、おこがましい性格ではない。
 今更、社長は自分に何を聞きたいのだろう? 何を話したいのだろう?

他人が変わることに期待するよりも自分が変わる方が楽

 ここ何日か10年来の友人から、何度か電話で同じ相談を受けた。その相談とは仕事のことについて。その友人は女性で、今は中間管理職。
 彼女の相談というか愚痴は、使えない上司と育たない部下というステレオタイプのものだ。

 1回くらいの電話であれば、自分の考えを押し殺してある程度は聞き役に徹することはできるが、それが2回目、3回目ともなるとだんだん難しくなってくる。
 相手が自分の考えや正論を求めていないことはわかっているのだが、どうしても素直に相槌を打ち続けることができなくなってしまうのが、自分の性分だ。

 彼女の旦那も自分の友人だ。旦那も職場の愚痴で、まわりの人間に対して使えないということを、口にしたことを度々今までに聞かされた。
 仕事は最低限度のことさえ行えば良いという、ある意味ではサラリーマンにとって究極の教えを悟った自分と彼ら夫婦は、根本的に価値観が違う。

 もっと言うならば、できる・できないという概念自体が本人の主観に基づいているというのが自分の考えだ。社会の構成員それぞれが主観で評価したり動いたら、息苦しい社会になってしまうのではないだろうか。
 そんな辛い社会を自分たちの後の世代に渡したくないと、最近は考える。そのように思わせてくれたのは、間違いなく自分を親にしてくれた娘のおかげだ。

 相談者の彼女には一昨日の電話で、自分の本音をそれなりに語った。どれだけ伝わったのかは微妙だし、いくらかは伝わったなんて、かいかぶらないようにしているつもりだが。
 上司や部下に変わってもらうなんてことを期待するよりも、自分自身が変わることを助言したのだ。相手に変化を促すよりも、自分が変わった方が早いし楽だ。それに相手に対しての変化を促そうとすると、大抵の場合は人間関係に軋轢も生む。
 自分が変われば視点も変わり、まわりの景色が変わって見えることを、ここ数年趣味によって気がつくことができたのだ。スキー、スノーボードと文章を再び書きはじめたことによって。

 高校生からの友人と呑んでいる時に、その友人が語った言葉を覚えている。彼が課長に昇進したばかりのころに次のようなニュアンスのことを愚痴ったのだ。
 所属している会社が駄目だとわかっているけれど、課長になれば出席できる会議などが増えるので、視野が広がり駄目だと思っている会社をいい意味で再評価できるかもしれないと期待していたら、課長になってみた自分の会社は同じように駄目なままに見えた、と。

 その言葉を聞いたときには、それほど考えることはなかったが、最近になって考え直している。
 昇進しても自分自身が変わっていなければ、見える景色は変わらないはずだと。

目は口ほどにものを言う

 最近、よく眠れる。ベッドに入っている最中も、それ以外の時でも。暦の上では春なので、時期的なものなのかもしれないが、自分はもうひとつの原因を疑っている。それは服薬の副作用だ。

 今、自分が常用している服薬は全部で5種類。その中で副作用として眠くなるものは、半数を超える。先日から花粉症の発症によって、新たに加わった薬のひとつ『アレロック』の副作用が一番、強烈だ。
 診療内科で処方されている安定した睡眠を促すための薬よりも、ある意味効果が出ている。
アレロック』を飲み始めてからの、平均睡眠時間を調べると、ほぼ8時間近い。仕事中に気を失っている時間も入れると、おそらく8時間を超えているだろう。

 今日は胃カメラの検査を受けるために、仕事を休んだ。診察の予約は10時だったので、目覚ましを9時過ぎにセットした。
 胃カメラの検査当日は、食事と最低限の飲み水しか許可されない。そのための対応方法としては、検査直前まで寝ているのが一番だと考えた。
 起床してしまうと、食い意地が張っている自分としてはどうしても何かを口に入れたくなってしまうからだ。

 診察が予約してある時間の10分前に、かかりつけの内科医の受付で診察券を出そうとすると、ちょっとした違和感を覚えた。
 待合室で待っていると、ほぼ時間通りに看護師から診察室に呼ばれた。看護師は女性で、自分よりも少し歳下に見えた。なかなか感じが良い方だった。そういうタイプの女性に対しては、どうしても多弁になってしまう自分。
 胃カメラ検査の前の様々な処置を受けながら、会話を楽しんだ。

 以前の診察は花粉症だったことを自分が話すと、彼女も花粉症だったことで、より会話が弾んだ。
 その際に院長からスタッフのマスク着用が禁じられてしまったことを彼女は話してくれた。多少、愚痴っぽく。
 自分が受付で感じた変化は、受付で働いていたスタッフがマスクをしていないことだったのだ。実は、院長も花粉症を発症しているらしい。

 そんな会話を2人でしているともう1人、看護師が入室してきた。その看護師も女性で自分よりも同じか少し歳重に見えた。3人でマスク着用の是非について話していると、後から来た彼女は次のように言ったのだ。マスクをしている方が患者さんも萌えるかも、と。
 その言葉にほっこりしながらも、自分は次のように切り返した。目が出ていれば問題ないですよ、と。

 そんなゆるい会話をしていると、院長が入室してきて胃カメラの検査は始まった。彼女たちのおかげで少しはリラックスした状態で検査を受けられた。
 ちなみに、前回に引き続き検査結果に問題はなかった。

6分間隔と60円

 今朝も通勤のために名古屋市営地下鉄に乗った。名城線の左回りに。名城線名古屋市のド真ん中、夜にはネオンに彩られる街、錦3丁目の最寄り駅である栄駅を西にして、名古屋市東部をぐるりと一周している。そのために左回り、右回りと呼ばれている。
 全国でも、地下鉄の環状線は珍しいのではないだろうか。

 そんな環状線に欠点もある。運行本数が割と少ないのだ。1日で一番のラッシュ時である8時代でも6分間隔の運転なのだ。名城線の起点である大曽根駅から栄駅を通って金山駅までは、もう少し本数があるのだが、金山駅から名古屋港駅に向かう名港線も走っているからだ。今の現場への初日、自分は間違えてそちらに乗ってしまった。

 毎朝、栄駅から乗車しているが現場のある堀田駅までの駅数は八つで、14分かかる。ちなみに料金は270円。
 こんなに長い時間、毎日通勤で地下鉄に乗るのは、おそらくはじめてだろう。外の景色が見えない地下鉄への乗車はあまり好きにはなれない。

 栄から堀田駅までは、地下鉄意外のルートもある。そのルートは市バスだ。市バスといっても全国でも珍しい基幹バスがそのルートをフォローしている。名古屋市には基幹バスの路線は大きく分けて2系統あるが、そのうちの基幹1号のルートが。
 基幹バスは複数車線ある公道の1車線、指定されたバス専用路線を走るシステムになっている。普通の市バスよりもバス停が絞られていることもあって、多少は早い。

 亡くなった父親はサラリーマンではなくて、フリーのメカニカルエンジニアだった。自分が子供のころは、街中に事務所を構えていたこともあって、たまにそのルートに乗ったことを覚えている。
 一昨日の帰宅時に、懐かしさもあって久しぶりに乗ってみた。名古屋市の市バスは均一の210円であることもあって。堀田から栄までの交通費が、地下鉄よりは60円安い。

 バス停に向かって歩いていると、目の前でバスは通り過ぎた。バス停に辿り着くと、次のバスまでは10分ほどあった。風もある雨の夕方だったので、バス停で待っている時間も長く感じた。
 バスに乗り込むとワクワクしたのも最初だけ。日が暮れた街の車窓は興味を惹かれることもなく、すぐに退屈してきた。時間も地下鉄よりも余分にかかったし。

 地下鉄を使った場合、ドア‐ツー‐ドアで1時間ほどの通勤時間だが、バスを使った一昨日の夕方は90分ほどもかかってしまった。ちょっとしたノスタルジーと60円をけちったばかりに、時間という大切なものを代わりに失った気がした。

名古屋のラストベルト

 名古屋市南部の工業地である、堀田で働きはじめて3日目。お昼休みや、地下鉄の駅から仕事先であるガス器具メーカーの本社までの往復時には表通りだけでなく、裏路地もすこしずつ歩くようになってきた。

 また、今日のお昼は名鉄の堀田駅周辺まで足を伸ばしてみた。地下鉄の駅周辺よりは多少は栄えているものの、それほどの華やかさはなかった。名古屋のラストベルトみたいだと、思ったほどだ。

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名鉄堀田駅周辺。地下鉄堀田駅周辺よりは多少は華やかか。
 今日のお昼は名鉄の駅前で850円のラーメンを食べた。不味くはないが、特別な魅力もないラーメンにしては高いと言わざるをえなかった。
 どうして、勢いを感じない堀田の街のお昼は高くついてしまうのだろうか。3日間のランチ代を平均すると、約900円。それほど豪華なものを食べている訳ではないのに。
 街に勢いがなくて店に訪れる客が少ないから、単価が高めに設定されているのだろうか。

 土曜日の午後、小中学校の友人と久しぶりに再会したので、喫茶店でお互いの近況を話した。自分が今、堀田で働いていることも。
 友人も自分と同じ行政区に住んでいるので、堀田への通勤には多少は同情してくれたが、別の意見ももらった。
 堀田に住んでいる住民からみたら、自分たちが住んでいるエリアの方が低く見られているかもしれないことを。確かに、堀田には地下鉄の駅はあるが自分の住んでいる行政区には名古屋市の中で唯一、地下鉄が走っていない。

 今の現場で今日、決意を固めたことがある。その決意とは今所属している会社を辞めること。今の会社に居ても、自分の先に展望が開けないと確信していたが今の現場に3日出勤した後に、再考することを自分に課していたが、結局その気持ちは変わらなかった。
 今の現場に着任しての問題を上司にメールしてから3日以上経つが、何も返信がないことも自分の決意をより堅くした。

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上司へ送ったメール。返信は未だない。
 明後日、かかりつけの内科医で胃カメラの検査を受けるが、その検査でよっぽどの異常が見つからないかぎり、その翌日には会社に辞意を伝えるつもりだ。
 早ければ今月中の退職を、最低でも来月中に退職するつもりであることも。

 5年近く勤めた今の会社の最後にこの街で働くことがなんとなく、相応しいような気がしてきた。なんでもない工場の街、少しうらぶれた勢いの無い街を最後にすることが。
 会社を辞めるという選択の行く先が、人生のラストベルトにならないようにしたいが、この決断の結果を知っているのは未来の自分だけだ。

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現場オフィス周辺の裏路地の風景。さびれた工場がどうしても目についてしまう。