淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

鍵当番

 今朝、出勤すると休日には見慣れない人が出勤していた。女性部長だ。珍しいこともあるものだ。おかげで朝から雨が降っている。
 彼女は今日の鍵当番だったらしく、9時から出社していたようだ。だが、完徹で作業をしていた男性がいたので鍵当番の意味がなかったらしい。
 人影もまばらなオフィスで彼女の気配は強すぎる。自分の後から出社してきた人物はみな部長の気配に気がついていたようだ。

 ただでさえ、今の現場の会社はドレスコードがゆるいのに、休日のためスーツを着ていたのは自分と部長だけだった。
 自分も服装の趣味は悪いが彼女の私服も見たら悪い意味で目を見張ってしまうような気がする。

 正午になると彼女はバックを持ってそそくさとオフィスを出て行った。先日のことがあるのでどこで食べるのかがどうしても気になってしまう。まさか、今日は社長ではない別の男性と待ち合わせてランチをするなんてことはないのだろうか。
 少しだけ後をつけてみたかったが、仕事の区切りがついていないので席を立つことはしなかった。

 午後からは仕事に集中していたので、彼女のことはしばらく忘れていた。強烈な存在感を漂わせていたかもしれないが、今日は自分の集中力の方が勝っていたようだ。仕事に関しては集中力が続かないので珍しい。

 17時を過ぎると小走りに誰かがオフィスを出ていく。どうやら鍵当番が帰るようだった。ちなみに、完徹の男は作まだ作業をしていた。
 こちらが、ねぎらったふりをして彼に言葉をかけると集中力が無くなっているから生産性が悪すぎるとブツブツ言っていた。
 そんなに、長い時間作業をしている部下がいることも彼女には関係ないのだろう。そんな上司の態度を見てやる気を失ったのかもしれない。しばらくすると、彼も彼女を追うように帰った。

 街中はハロウィンの前夜祭的な雰囲気が漂っている。あちこちで早くお祭り気分に浸りたい人たちが仮装しているのを何人か見かけた。
 今働いている街、大須は名古屋のオタクの聖地。コスプレしていても人から変な目で見られることが少ない街だ。
 徹夜で作業をする部下を助けるよりも、重要な予定が彼女にはあるようだが、それはどんなことなのだろう。ハロウィンだからこその特別な予定なのだろうか。