淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

山田さん

 よくある名字である、山田。今の職種、システムエンジニアになってからは、山田さんに縁を感じる。
 今の現場での自分の前任者は、山田さん。女性で年齢は40代だったようだ。
 現場のメンバーからも未だに時々名前を出されている。居なくなっているのに、仕事ぶりについて酷いことを言われ続けているのだ。

 仕事の出来、不出来なんて客観的に評価できるものではないというのが、社会人を20年以上経験してきた、今のところの自分の結論だ。相対的、主観的にしか人は人のことを評価できないからだ。
 よって、他人の仕事ぶりについて軽々しく言及する人間に、自分はあまり好感を抱けない。

 今、参加しているプロジェクトはプロパー社員の女性が多い。しかもわりと皆、癖が強い。千鳥のノブに一言、言わせてみたいほど。
 それでも20代、30代の女性は最年少を除くと全員結婚している。
 入社数年目の彼女と自分より、やや年上の2人は独身だ。2人には仕事と、歓迎会でそれぞれ絡んだことがあるが、独身であることにまったく疑念を持たなかった。
 そんな癖のある同性のプロパー社員たちから、外注扱いされて働くのは、大変だっただろう。女性特有の難しい人間関係の中で。
 山田女史の新しい現場は、癖のある同性が居ないといいが、どうだろう?

 今の仕事で一番インパクトのあった山田さんのことを書こうと思う。これまで自分が生きてきた中でも、一番インパクトがあった山田さんのことを。
 見た目から、50代の男性だったと思う。自宅は関東地方のようだが、お互いに巡り会ったのは大阪の梅田だった。5年前のこれくらいの季節に。

 そのころの自分は出張で日々、大阪で過ごしていた。お店の玄関マットのリースや、ドーナツショップを経営しているダスキンの仕事をしていたからだ。主にクリーンビジネスに関わるシステムを新しくするために。
 月曜日の朝、名古屋から新幹線に飛び乗って週末までビジネスホテルに滞在し、週末にまた新幹線で帰宅するという生活を半年ほど続けた。

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オフィスがあった梅田スカイビル。25Fで働いていた。
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梅田スカイビルと梅田の駅方面へ繋ぐトンネル。
 その際に同じプロジェクトの別チームのメンバーに山田さんは居たのだ。
 新しいシステムがどうあるべきかを検討する会議で、彼とは顔を合わせるようになった。自分もその会議ではよく、叱責された1人だが、山田さんに比べればたいしたことはない。
 会議中に自分をかばってくれたプロパーが怒られ過ぎて追い込まれ、ストレスで体調を崩して出勤できなくなった。
 また、自分と同じ会社の同僚もある日突然、出勤しなくなった。

 だが、山田さんは違った。その会議で一番叱責されていたのに。彼のおかげでよく会議が停滞したし、お開きになったこともままあった。
 それでも、彼は次の日にはけろりとして会議に出席してきた。精神的にハードな男だった。今の職種では、彼よりタフな男を見たことがない。
 しかも、自分がどんなに責められても、けして他人のせいにしなかった。まさに男の中の男。

 タフな山田さんは、今どうしているだろう? おそらく東京近郊で働いているとは思うが。
 今週はどれくらい怒られたのだろう?どんなに怒られても、何事もなかったように泰然としている彼が、目に浮かぶ。