プロの話芸を久し振りに生で見た。昨日の19時から名古屋駅近くのレンタルオフィスで行われたウーマンラッシュアワー村本の独演会に参加してきたからだ。
この独演会が開かれることはtwitterで前日に知ったのだが、最初はそれほど乗り気ではなかった。
彼の考えに共鳴している訳ではありませんが、参加するつもりです。
— 淡白マスヲ (@guchiboushi) July 4, 2019
自分の想像力や洞察力なんてたかがしれているので、直接彼の話を聞いてみたくなったから、ただそれだけです。
だが、twitter上でウーマンラッシュアワー村本について、否定的な言葉のやり取りが目立ったので、気持ちが変わって興味が沸いたのだ。
自分があまのじゃくなこともあるが、他人が実経験もないのに、偉そうに事を述べるのを聞くのは我慢ならないからだ。行ったことが無い場所、見たことがない景色、読んだこともない書籍、そして直接会ったことが無い人について、口にしたり文章にしていたりする人たちに対して。
ひょっとしたら、他人と比べると自分だけが著しく想像力や洞察力が欠けているだけなのかもしれないが、少なくともここ数年はそんな考えを元にして、自分は日々を過ごしている。
昨日は、午後から名古屋の街中でいくつかの所用が重なった。その中で一番大きなことだったのは、次の仕事についての面談だった。
エージェントの紹介により、リクルート系のエンジニアリング会社を通して、某SIerへ面談に行ったのだ。まだ、詳細な入社時の諸条件の提示も受けていないのに。しかも、昨日でそのような面談は2回目だった。
自分で書いていて恥ずかしいが、エージェントからはハイスキルエンジニア*1として、エンジニアリング会社に紹介されているようだ。
自分で不似合いと思えるような最低年収が提示されてはいるが、昨日も含めた前回の分の交通費ですら受け取っていないことに、違和感を拭いきれない。
面談に同行したエンジニアリング会社の営業からしたら、面談中の先方への自分の態度が気に入らなかったらしい。
そのことが原因で営業からハラスメント的なことを先方の前で自分がされたことを、忘れることはないだろう。自分は入社している訳もでもないし、対価を受け取っているわけでもない。
よって、彼とはまだフラットな関係なはずだと考えている自分がおかしいのだろうか。
何事も加害者は忘れるが、被害者にとっては些細なことでも忘れることは難しい。
そんなこともあって、もやもやした気持ちを抱えたまま会場へ向かって、独演会の始まりを待った。
ガラス扉越しに会場を見ると閑散としていたが、そのせいか入口で受付をしていた女性の所作がより素敵に映った。そんな彼女に4,000円を支払って、前から2列目の席に座った。
後で知ったことだが、女性はファンの1人で受付はボランティアだったようだ。
独演会は1時間。内容はシークレットでと言われているので、詳細についてはここでは触れない。
ただ、自分にとっては非常に貴重なインプットになったことだけは間違いない。
久し振りに言葉の力を思い知ったからだ。凶器になりえ、他人を狂気及び狂喜にさせることを、独演会の主催者は自分に対して知らしめてくれたから。
現在、構想を勧めている小説のピッチを自然に上げたいと思えた夜になった。
*1:何を根拠として自分みたいな底辺のエンジニアを高く評価して紹介したのだろう?