晩酌はしない主義。
外で誰かと呑むときは、ビールならばジョッキで四、五杯は嗜む。調子がよければ、その後に他の酒も続けるので、お酒に弱い部類には入らないだろう。
外で呑んでいる印象が強いせいか、そう自分が話しても、信用してもらえないことも多い。
お酒が似合いそうに見えるのだろうか。
少なくとも昨年末くらいまでは、そうだった。
だが、今の現場に通うようになってからは、夕食時にお酒を呑むことが多くなってきた。自宅で独りなのに。
現場が遠いこと、勤めたばかりとはいえ自分が従属している会社に嫌気が差していることが理由だとは思うが、お酒に逃げてしまっているのは、自分が弱い人間だからだと思う。
だが、いくつかのことがきっかけで宅飲みを辞めようと決意した。
亡くなった父は毎晩のように晩酌をしていた。自分が物心をついたころには。
大瓶のビールを飲んでから、寝る前にはウイスキーの水割りを毎日のように嗜んでいた。歳を取ってからは大瓶が350㎜缶、ウイスキーが焼酎に変わっていたが。
そのことも影響したのだろう。60代の後半で膵臓癌を発症して、今はもうこの世にいない。 お酒を飲むことのデメリットはいくつかあるだろう。酒代、身体への悪影響などなど。
自分が一番、気になるのは時間が無駄になってしまうこと。
お酒を飲むと眠くなるだけでなく、思考力が失われて冷静な判断ができなくなる。
文章を書くことはもちろん、内容によっては読書も難しくなってしまう。
また、パソコンの操作も複雑なことは困難になるので、一眼レフカメラで撮影したデータの現像もままならない。
夕食後の時間を有効に使えないことが気になっていたのに、なかなか宅飲みを辞められなかった。
今週の日曜日、お酒に逃げようとしたがなんとか踏みとどまった。
お酒を嗜なまないで夕食を食べる。アルコールが欲しいのならば、一人で食後に外で飲むことを決めていた。
食事が済むとやはり、お酒が欲しくなった。寒い夜空の下、歩いて駅まで向かった。ターミナル駅まで赴き、お酒を飲むために。
だが、一駅で電車を降りてそのまま帰宅した。なんとか自分の意思で踏みとどまることができた。
それ以来、自宅で晩酌はしていない。まだ数日なので、この先のことはわからないが。
人間なんて、弱いもの。欲求にいつまで耐えられるかなんて、わからない。特に自分のように意思が弱いものにとっては。