今日は火曜日。もう火曜日になってしまったと焦っている人もいれば、まだ火曜日だとうっとうしく感じている人もいるだろう。ちなみに自分は後者だ。
定時近くになったころにほっとしたのか、急に胃が痛くなってきた。
常備薬を飲むか考えていたら、我慢できないほどの痛みは治まったが、今でもまだ疼きはある。
そんな調子なのだからやめておけばいいものの、この
文章を書き始めるとすぐに、冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
グラスに注いで飲みながら、続きの文章を綴りだした。今日は仕事をしていて、気を揉むことが多かったから。 嫌なことがあると、どうして人はお酒を呑みたくなるのだろう?
上手く酔うことができれば、酔っている間だけは現実逃避はできるが、それも酔いが覚めるまで。
身体に負担をかけてまでお酒の力を借りたとしても、ほんの一時しか気を紛らわすことはできない。
何も変わっていない現実に気がついた時に、虚しさを感じるのは自分だけではないだろう。
人生で最初にヤケ酒を呑んだ時がいつだったのかを思い返してみた。
二十歳のクリスマスイブだと思っていたが勘違い。
ただ、そのままそう思い込んでいた方が、ある意味では物語が浮かびやすいし、他人の興味も惹きそうだが仕方がない。
細かいことをはっきりとは思い出せないが、おそらく十九歳か二十歳の今ごろ。高校で同じ部活だった友人と後輩から預かっていたお金を落とした時だと思う。
三人で一緒に渡辺美里のライブに行くための費用を預かっていて、どこかで落としてしまった自分が嫌になったのだ。
そのことが良い薬になったのか、おっちょこちょいの性格な割に、以降は財布や高額な金額を落としたり、どこかに置いてきたり、忘れてしまったことはない。
同類はやはり同類を呼ぶせいか、自分の周りには辟易するほどのケチが何人かいる。
だが、以外にもそんな彼らからはよく財布を置いてきた話をそれなりに聞く。ほとんどは酔った時のようだ。
一番身近でそれをやらかしているのは実弟。
家族内では醜いほどの守銭奴なのだが、外で呑んで財布を置いてきたのは、母親に言わせるとしょっちゅうのようだ。自分に比べると外で会食する回数は圧倒的に少ないはずなのに。
逆に外で酔っ払って自分が置いてくるのは雨傘ばかり。
傘だけと言っても過言ではないが、それでも弟との貯蓄は比べようもないほどの差がある。
お金の落とし方は知っているようだが、使い方は知らないようだ。
昨年、自分の娘がお盆玉をせがんでも、苦笑いを浮かべたまま切り抜けた弟。
器が小さいままだと、本人がいくら望んでも結婚するのは難しいだろう。
貯金をいくら残しても、最後は自分の娘のものになるとは考えられないのだろうか。