淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

一区切りついた秋の夜に

 二月からの歯科への通院が今日で終わった。途中、新型コロナウイルスに警戒して、通院を一時控えたりもしたが。
 通院を始めたころは、二月のまだ寒さが厳しいころ。
 そのころの仕事は、電車を二回も乗り換えて知多市まで通勤していた。
 その現場の仕事は、流行病の影響で桜の花が咲くころからは在宅に変わった。

 暑い中、エアコンをつけるのを我慢してアイスクリームで涼を取りながら仕事をしたのが懐かしい。
 そのころに買ったアイスクリームがまだ、冷凍庫に数本残っている。
 夏が終わり、秋が深まるにつれて冷菓を楽しむ気持ちは日に日に遠くなっている。このままだと、季節が一回りするまでそのままかもしれない。

 最後の通院になった今日は、自分が最終の患者だった。診療予約時間は18:45。
 お世話になっている歯科医院は木曜と日曜が定休日。主治医だけでなく、他のスタッフたちも疲れていただろう。
 それでも、皆が優しく接してくれたような気がした。

 金属を二つも入れたこともあって診療費は7,860円。自分の予想よりも少し大きな金額だった。
 12,860円を財布から出して、5,000円のお釣りを受け取った。その際に半年以内には歯のメンテナンスに来ることをアドバイスされた。
 感じのよい女性の言葉には素直に従うことが多いのだが、以前の自分だったらどうだろう? 歯医者が苦手だったから。

 気が小さいのは相変わらずだが、今回の長期間の通院で歯科医の診察台に座っているのにもかなり慣れた。歳が近い主治医にも。
 院内のスタッフは主治医も含めて全員が女性。
 彼女たちのことを自分はほとんど何も知らないのに、彼女たちは自分のことをそれ以上に知っている。

 主治医もかつては自信が無さそうだったのを治療中に時折感じたこともあった。
 彼女と出会って二十年くらいになると思う。その間に彼女の顔に少しだけしわが増えたが、それでも十分に素敵だ。自分が昔から好きな声は、あまり変わっていない気がする。

 歯科医になってからの彼女の人生に少し思いを巡らせてみた。
 仕事が嫌になったことはなかっただろうか。どれくらい恋をしてきたのだろうか。男性の患者で気になった人は、どれくらい居たのだろうか。もちろん、自分はその中に含まれてはいないだろう。

 虫歯が多いので、彼女たちとのつきあいは今後も続くだろう。それでも、その接点に限りがあるのは確か。
 平均寿命まで生きることができたとしても、自分の残りの人生は1/3ほどしか残っていないから。
 なんとなくしんみりとするのは、深まった秋の夜のせいかもしれない。

f:id:mobemobe617:20201111225151j:plain
今日の写真のモデルはarinaさん。