一ヶ月近くポートレートを撮っていない。
例年、冬の休日はゲレンデへ雪遊びに出かけることが多いので、今冬もカメラを触る時間が減ることになるとは思っていたが。
祝日と土曜日も仕事のために、休みが日曜日だけになってしまったことの影響は大きいだろう。
また、未現像の撮影データが溜まっていたこともある。少しずつ現像を続けたので少しは減ってきたが。
昨日が立春だったので暦上では春になったが、まだそれ実感はない。
それでも、ポートレートへ挑戦をはじめてからの二度目の春の兆しを感じ始めている。
自分が撮影させてもらったことがある何人かが、ポートレートモデルからの卒業を発表しているから。
昨年も何度か撮影させてもらったモデルが三月で卒業した。
昨年の三月のある日。最後に撮影させてもらった時はおどろくほどに特別な感情を抱かなかった。
だが、徐々に日が経つにつれて自分の思いなどは変わっていった。デジタル保存されている撮影データはそのままなのに。
数日前に彼女の写真を見返していたら懐かしくなって、なかなか辞めることができなかった。
そして思った。もっと、撮影させてもらえばよかったと。
撮影好きのある友人の口癖は、シャッターチャンスを逃しては駄目。その場面を切り取るためには多少の無理をしてでも機材は揃えた方がよいと何度も助言されたことにかなり影響を受けている。
今まで自分がはまってきた数々の趣味の中で、写真撮影には断トツにお金を費やしているし、これからも費やすだろう。
撮影へ出かけるときの機材も増えてきて持ち出す荷物も多くて重くなっているが、シャッターチャンスを逃すかもしれないという不安はあまり減っていない。
自分の撮影技量やそれに基づく自信がないからだろう。
夜の街で浪費するくらいならば、カメラやレンズの購入にお金を使いたいと自然に考えられるようになった。
夜の街でも出会いはあったし、楽しかったことや素敵な思い出もたまにはあるのだが。
写真やポートレートを撮影する魅力を人から尋ねられたら、上手く説明できるかはわからない。お酒に酔っていても酔っていなくても。
ただ、呑んでいればお酒のせいにはできるだろう。