スノーボードで右手を骨折してから一週間。自分の怪我の症例名は右中指中手骨骨折。
八文字も漢字が続いてややこやしいせいか、骨折した箇所を勘違いしていた。怪我した部位は指ではなくて手の甲だった。
湿布を貼って包帯を巻いていても、利き手のせいか無意識に右手を使ってしまう。怪我に負担がかかり痛みが走ったのは数えきれないほど。
痛みで身体が覚えたせいか、少しずつ左手を使うようになってきた。
不器用なので、利き手でない手を使ってもできることはたかがしれている。
料理はもちろんのこと、毎日の弁当を作るのにも苦戦を続けていた。
だが、今日はそんな必用がなかった。
怪我をしている自分が車で通勤している危険を現場の会社が鑑みたのか、今日から来週の金曜日まで在宅勤務をする許可が降りたからだ。
もし、自分が通勤中の事故で誰かを傷つけたら、それなりに責任を追及される可能性に偉い人たちは気がついたのだろう。
久しぶりのテレワーク。
前の現場に関わった時の後半はずっと自宅で仕事をしていたが、それはもう二年近くも前のこと。
同じテレワークでもその時との方法はかなり違う。
前の現場では貸与されたノートパソコンを自宅のネットワークに繋ぐだけで客先のオフィスとほぼ同じように仕事ができる快適な環境だった。
その時の客先が利用していたソリューションはそれなりに先進性のあるもので、IT関係のサイトや経済誌などでも取り上げられていたほどだった。
今の会社でのテレワークは自宅にパソコンがあることが前提。自宅のパソコンからZOOMを使わなければいけないから。
ZOOMのリモート機能を利用してオフィスで自分が使用しているPCを操作する方法だ。
スマートとは思えなかったが、それなりの環境は担保された。流石、ZOOM。
今日の自宅での仕事は生産性が高かったような気がする。
通勤時間が省けるために人並みの時間に起きればよかったので仕事中に眠くなることがなかったこと、通勤で疲れていなかったこと、慣れたキーボードやマウスで仕事ができたことなどいくつものメリットのせいだろう。
嫌いな人間の顔を見なくてすんだことも仕事が捗ったことに影響したのかもしれない。
とにかく久しぶりのテレワークは自分を新鮮な気持ちにさせた。
オフィスワーカーがもっと自宅で仕事ができるようになれば、今よりは皆が生きやすい世の中になるのではないだろうか。
気のせいか、今日の自分は少しだけ優しい気がする。