淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

ミックスナッツ

 仕事先の作業フロアが3Fから5Fに変わって二週間。
 慣れというのは恐ろしい。前の環境があまり思い出せなくなってきた。歳のせいで記憶力が落ちていることもあるだろうが。

 決定的に違うのは一人あたりのスペース。今はパソコンのモニターの置き方を考えないと隣の作業者と当たってしまうほどだが、前はそんなことはなかった。

 客先での流行病の陽性者はそれなりに出続けている。
 オフィスは寒さを感じるよりも暑さを感じるようになってきたせいか、マスクを外す人が目立つようになってきた。特にプロパー社員が多い気がする。会社から手厚く守られているからだろうか。

 ちなみに自分が傷病手当金を受け取るのにはまだまだ時間がかかりそうだ。
 財布が寂しいまま、連休に突入しそうである。

 彼らは新型コロナウイルスが怖くないのだろうか。三回目の職域接種があったこともあってか、ワクチンだけには敏感になっているのが、少し滑稽な気がする。
 自分は二回目のワクチン接種から三ヶ月も経たないうちに、新型コロナウイルスに冒されたから。

 今の自席は右側が通路、左側には男性エンジニアが座っている。プロパー社員ではないのに今の職場に10年以上も居るらしい。
 変わった職場環境に長く居ることもあってか、彼は変わっている。
 マスヲのことをよく知っている友人にはお前が言うかと突っ込まれてしまうかもしれないけれど。

 とにかく、くせが強い彼。
 机の上には常に3種類以上の飲み物が置いてある。今日は午後ティールイボスティーとカルピスの三本のペットボトルと缶コーヒーがスタンバっていた。
 いつも蓋付きのマグカップも置かれているが、中にどんな液体が入っているかは知らない。

 貧乏ゆすりもなかなかのもの。彼の癖が酷すぎて仕事に集中できないと、他の作業者から愚痴を聞かされたこともある。
 先日、そのくせについて彼にやんわりと言ってあげた優しい自分。
 だが、まわりくどかったせいか気がついてもらえなかった。
 自分の優しさはなかなか他人にはわかってもらえない。

 貧乏ゆすりよりも自分は気になっていることがある。それは彼があるものを突然、食べ出すこと。
 日に何度もキャビネットを引き出してミックスナッツを食べ出す。

 彼が食べているのは大袋サイズのミックスナッツ。
 時には袋を傾けて直接口に流し込み、時にはわしづかみにして口に放り込む。
 手でナッツを触った後、ティッシュなどで拭くこともなく、そのままキーボードに触れるワイルドさ。とても自分には真似ができない。

 なぜナッツを食べるのかを尋ねたら、眠気覚ましとのことだった。
 この間、昼休みが終わっても俯したまま眠っていた彼。
 そんな彼に優しく手で起こしたのは自分ではない。貧乏ゆすりを嫌がっていたエンジニアだった。

 そんな彼らの顔を見るのも数えられるほどになってきた。
 今のオフィスに出勤する残りの回数は、あと16回……。

今日の写真のモデルはななこさん。