淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

小さな旅に出る前に

 明日から長い旅に出かける予定だ。旅の終わりは八月のお盆前まで。
 途中、何度かは自宅に戻ってくるつもりだが、帰宅する回数や日にちなどは全く決めていない。
 また、ハプニングがあって、途中で旅が終わってしまうことだって十分に考えられる。旅の目的からして。
 
 今回の旅の目的は仕事。東京都内で63日、新入社員研修の講師として登壇するためだ。
 ポンコツ講師だから、登壇途中で用なしだと判断される可能性だって少なくない。

 どんな旅でも出発する前には不安と期待が入り乱れるものだが、今回の旅に関しては不安の方が圧倒的だ。
 旅の準備が不十分であることもあるが、一番の理由は自分の内面のせい。
 飽きっぽいところが自分にはあるからだ。

 今回の旅では二社の研修を手伝うことになっているのだが、一社はたった5日のみ。もう一社は50日以上も関わることになる。
 その会社の新入社員も含めた関係者はともかくとして、講師たちもほぼ固定。
 歳を重ねるごとに濃密な人間関係が苦手になってきているから、だんだんと苦痛を覚えることになるだろう。
 ほぼ毎日、同じメンバーと顔を合わせることになるから。

 受講生たちはもちろんのこと、講師たちとコミュニケーションを取って仕事をしなければならないことにプレッシャーを感じている。
 数日ならばお互いに我慢できることも、何ヶ月も一緒となると腹に据えかねることも出てくるだろう。それなりに真剣に仕事をしていれば。
 自分のような不真面目な人間ですら、講師の仕事をしていると気がつかないうちに力が入ってしまう場面が少なくないから、他人だったらなおさらだろう。

 長く登壇する会社は昨年も10日間登壇した。
 主担当する講師を含めて何人かは、昨年も一緒に登壇したので面識がある。
 実はメインで担当する講師と自分はそりが合わないことが気になっている。
 その講師は非常に優秀だ。昨年、講義を聴いていて惚れ惚れとすることが多かったが、自分から見たら優秀過ぎるので、どうも合わない。思考や感じ方があまりにも違うからだ。
 自分よりも責任感を感じていることも間違いはないだろうが。

 ただ、自分も講師としての仕事にはそれなりに責任感を覚えているし、人生の巡り合わせのようなものさえ感じている。
 学びのテンポが早くない受講生をフォローするのに、失敗ばかりしてきた負け組の自分は向いていると考えているからだ。

 50年も生きてきた経験上、変わり者の自分とは気が合わない人が圧倒的に多いことは痛感している。
 だが、しかし。仕事なので誰とでもそれなりには、すり合わせなければならない。

 システム開発の仕事などだったら卓袱台をひっくり返して逃げ出したってそれほどは罪を感じないが、講師の仕事だとそうはいかない。
 新入社員の未来に少しは影響するだろうから。

 全ての旅程をなんとか終えることができるのだろうか。
 旅の出発が近づいてきたせいか、昨夜はあまりよく寝られなかった。
 出発前夜になる今夜は、ぐっすりと眠れることができるのだろうか。

今日の写真のモデルはmiki.さん。

封筒の中身

 ほんの少しだけほっとしている今夜。
 今年の講師としての仕事の最初の小さな山を超すことができたから。
 だが、週明けからはすぐに、もっともっと高い山を登りはじめなくてはならないので、気持ちはあまり休まらないでいる。

昨日のお散歩ショット。

 今週はあるTOYOTA関連のシステム会社で登壇していた。
 システムエンジニアとしては何度も関わってきた会社だが、自分の中でのイメージは最悪。
 今までに携わった仕事の中で、一番酷い目にあった現場は会社での仕事だったから。
 その時には自分の同僚も含めた何人もが出社しなくなり、その同僚は心身をおかしくなったまま、会社を去った。
 ちなみに自分に鬱っぽい症状が出はじめたのもこのころだった。
 その後にも何度かこの会社に関わってきたけれど、達成感などの喜びを少しも味わったことがないばかりか、負の感情を抱いてばかりだ。
 それは、この五日間でも同じだった気がする。

 この会社への登壇初日の通勤中に思った。オフラインで仕事をすることと、車での通勤がずいぶんと久しぶりだということを。
 新入社員の研修場所は名古屋市内の中心部だったが、どの駅からも中途半端な場所。
 自転車で通うことも考えたのだが、結局は車通勤を選択した。これでよかった気がしている。
 お昼休みには車でお昼寝できたし、対面での仕事で疲れきった身体で歩かなくてよかったからだ。

 この五日間の研修でいろいろなことを少しだけ綴りたい。
 新入社員の彼ら全員が会社の社風に染まりはじめていることを感じた。一言で表すならば社畜の兆しを感じたことだ。
 講義前と講義後には日直のような当番が発する号令に従って一人として乱れていない丁寧なお辞儀をしていた。まるで軍隊のような。
 何度見ていても気持ちが悪かったが、その理由に気がついた。そこには彼らの感情が込められていないと感じたからだ。指示された通りのことをしているだけと思えた。
 大きな会社で働くためには必要なことなのかもしれないけれど、違和感しか覚えなかった。

 また、ある日の講義後に人事担当が現れて新入社員一人一人に封筒を配りはじめた。封筒には入社式での集合写真が入っていた。
 こんな時代錯誤なことをしている会社があるなんて。
 同じようなことをしている会社は国内ではどれくらいあるのだろう?
 写真は無償なのだろうか。それとも、給料から天引きされるのだろうか。少し気になる。

今日の写真のモデルは、初めましての加藤みほさん。

クレジットとアマチュア

 自分が作ったと言っても許されるのは小説くらいだろう。
 声を大にして言えるほどの自信はないけれど、作ったという手触りみたいなものはいくつかのものには残っている。
 同人誌として活字になって、自分と直接に関わりがない人に読まれて、感想や意見などが返ってきたことが一度や二度ではない。
 好感を持てたものばかりではなかったけれど、確かにきちんと読んでいてくれたことが感じられたら批判的な言葉でも悪い気はしなかった。

 同人誌の人間関係に疲れたので、同人から抜けて数ヶ月。
 いつかまた気が向いたら小説を書くこともあるだろうが、そのときは同人誌という媒体を選ばないような気がする。
 ただ、自分が書いた小説を他人が読んでくれたことに意味があったことは間違いなかったので、小説を書き上げた時にはどんな手段でも誰かの目に触れるようにしたいとはぼんやりと思っている。

 仕事としてシステムエンジニアになって20年以上は経ったが、何かを作って残したという実感はない。
 ほとんどの場合は関わったプロジェクトによって、様々なルールが存在した。
 それらのルールに従って、プログラムや設計書などのドキュメントには自分の名前を書いてきたが、ただそれだけだ。ある意味では記号のようなものだ。

 今年になってからの暖かくなったころ、SNS上でカメラマン同士が関わった仕事でのクレジット有無についてのやり取りがあって、それなりに白熱していた。
 世の中で仕事に関わっているほとんどの人は名無し。
 自己表現ではなくて、生きるためだけに仕事をしている人の方が圧倒的に多数だろう。
 しかも、彼らの存在があってこそ、世の中が回っているはずだ。
 そんな視点で考えると、自分の仕事の成果でマウントを取ろうとするなんて考えるのはサミシイヤツだと思う。

 カメラマン繋がりで少しだけ。
 アマチュアカメラマンという言葉が好きではない。
 代わりになるようなよい表現がないので、自分も使ってしまっているので、より気になってしまっている。
 一部のジャンルではアマチュアとプロを使い分けているが、カメラマンはどうなのだろう。
 アマチュアカメラマンと仕事で関わる他の職種の人たちに聞いてみたい気もする。

今日の写真のモデルはMIKIさん。

恋のラリー

 身内や友人から文字でやりとりする時のレスポンスが素っ気ないと、よく言われる。
 自覚はあるのだが仕方がない。文字で誰かとやりとりするのが昔から得意ではないからだ。
 実は自分の娘もそんな様子が伺えるが誰に似たのか。

 仕事でメールを書くのも嫌いだが、読むのはもっと嫌い。
 最近はSlackやTeamsなどのチャットで情報を共有することが多いのだけれど、それらでのやりとりもやっぱり苦手だ。
 メールよりも要点だけを伝えられる場面が増えたメリットは確かにある。
 だが、コミュニケーションが気安くとれるために必要以上の情報が共有されている気がして、それらに気が取られてなかなか他の仕事に集中できない。
 あ、それは言い訳だったかも。自分は仕事に集中できるタイプではないから。

今日のお散歩ショット

 今夕、昔の同僚からスマホにショートメールが届いた。入浴と夕食を跨いで、今もまさにラリーの最中。ラリーがいつ終わるのかとゲンナリしている。
 同僚が素敵な女性であるならば浮き浮きしながら相手の返信を待てるのだろうけれど、相手がオッサンではただただうっとうしいだけ。

 同僚は自分なんかとやりとりをして楽しいのだろうか。
 誰かに何かを聞いてもらいたいだけであれば、キャバクラがガールズバーなどの夜の店に出かけて、店のスタッフに話を聞いてもらえばいいのに。
 彼の経歴を考えると自分よりは稼いでいるはずだから。その前にたしか、パートナーもいた気がする。

 同僚だけでなく自分の友人や身内のほとんどはショートメールかLINEで連絡してくるが、あまり好ましく思っていない。
 不器用なので、返信するたびにスマホで文字を選ぶのがイライラするからだ。
 メジャーなSNSのアカウントはほぼ持っている自分。パソコンに対応しているSNSのDMで連絡してくれた方が助かるし、相手への返信も早くなるだろうに。

 システムエンジニアあるあるかもしれないが、実はスマホタブレットの知識をあまり持っていなかったり、操作が苦手だったりすることも珍しくない。
 さらに言うと、アカウントを持っているSNSはLINEだけと言うエンジニアも少なくない。
 システムエンジニアだから、IT一般の知識や経験が豊富というのは幻想だ。

 なぜ、オッサンたちはLINEやショートメールを使って連絡してくるのだろう。
 自分自身でちょっとしたことだったら電話してくれた方が早いのに。

 そういえば、素敵だと思える女性と最後に電話をしたのはいつだったのだろう?
 少なくとも数年はないように思うが、次にそんなことが起きるのはいつだろう? もう、一生無かったりして。

今日の写真のモデルは月野さきさん。

黄砂越しに見た景色

 今週は毎朝、ホットサンドをよく食べている。
 普段は味噌汁と御飯を中心とした和食を食べることが多いのだが、ホットサンドがどうしようもなく食べたくなることがたまにある。

 自分が使っているホットサンドメーカーはかなり年期が入っている代物でまだまだ現役。
 独身時代に実家から持ってきたもので、ガスコンロで使うタイプのものだ。
 これを使って卵、キャベツやハムを8枚スライスの食パンに挟んで焼くことが多い。

 カーテン越しに朝陽が差し込むリビングでホットサンドを食べていると少しだけ贅沢な気がする。
 だが、和朝食を用意するよりも手間と時間がかかるので、仕事がある朝にプレスサンドを食べることは少ない。

 今週の自分はずっと在宅だったからできた贅沢だった。
 来週以降に仕事として登壇する新入社員研修の準備をしなくてはならなかったのだが、はっきり言ってはかどっていないのが不安ではある。
 昨年と違い、今年は二年目であることもあって、悪い意味で緊張感が足りないのかもしれない。

 それでも今日は朝食を食べる前に来週からの仕事の準備をした。
 着替えるとすぐに自分の車に乗り込んで街中へ向かった。来週からの登壇先の下見だ。
 通勤する時間に車で現地まで移動するとどれくらい時間がかかるかと、コインパーキングの場所などを調べたかったからだ。

 すでに公共交通機関では現地へは訪れたが、自宅からだと乗り換えが発生するし、最寄りにはあまり近い駅もない。
 自転車で通勤することも考えたが、マイカー通勤することにした。
 スーツで自転車に乗ると皺がよったり、スラックスが破れたりしてしまったら困るからだ。
 今の自分の体型を考えるとそんなハプニングが起きる可能性も十分にあり得る。
 先週、久しぶりにスーツを着たら、特にお腹が気になったからだ。ウエストがパンパンだった。

 自宅から登壇先までの距離は直線だと8㎞ほど。
 渋滞状態によっては1時間以上かかるかもしれないと考えていたけれど、今日の試走ではそれほどはかからなかった。
 明明後日の初日、講師は8時には出勤していなければならないので、その時間をシミュレーションしてドライブしたが街中の道はまだ、それほどの混雑はしていなかった。

 だが、自分が自宅へ帰ると、逆行きの車が多くなっていたし、自転車や歩行者なども目立った。
 黄砂で汚れたフロントガラス越しに見たからかもしれないけれど、皆が同じ時間に慌ただしくしているのがなんだか奇妙に見えた。

今日の写真のモデルは、初めましてのももなさん。