淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

寒い暑い面倒くさいと言っていたら遊ぶことさえできない

 梅雨明けしてから、一日をワイドに使っている。
 今日は、朝5時過ぎに起床。着替えてすぐに庭の草抜きに励んだ。先週からの雨のおかげで、草も手の力だけで気持ちよく抜けていく。鎌なども必要ない。
 それでも力を使っているせいか、すぐに全身汗だくになった。まだ、早朝にも関わらず。
 陽が昇りきっていないために日陰も多い。陽の当らない場所でアウトドア用の小椅子に腰かけて休憩しながら、草抜きを続けた。

 休憩しながらでも7時を過ぎると汗で全身がズクズクになったので、草抜きを切り上げた。
 シャワーを浴びて着替え、朝食を作って食べた。味噌汁などの朝食を作っている最中はともかく、温かい朝食を食べているだけでも、また汗が噴き出してくる。シャワーを浴びて着替えたことが無意味なほどに。

 その後はコーヒーを飲みながら読書をし、9時過ぎになったら会社からのメールを確認して返信をしたら、眠くなってきたので仮眠を取った。
 昼前に起きてネットサーフフィンをしながら今日の午後の予定を練った。
 天気予報では14時からは曇が多くなるとのことだったが、その気配は全くない。

 正午を過ぎると乾麺のうどんを茹でて、ザルうどんにして食べた。ネギと生姜とミョウガを薬味にした。ミョウガの涼味がたまらなかった。
 ミョウガが料理の引き立て役にぴったりの時期になったのだ。本格的な夏の到来を感じる。

 食事の後片付けを済ませると車を南に走らせた。雲は少なく、車中も暑かったが久しぶりにある海浜公園へ向かった。
 何かを楽しもうと思い立ったら、寒い暑いなどを理由にしていたら、結局何も楽しめずに時だけが過ぎていってしまうからだ。

 向かった先は、亀崎海浜緑地。この時期のハゼ釣りのメッカだ。
 途中の釣具屋で餌を買ったときに、状況を聞いたら今年は例年よりも魚影が濃いと言われた。まだ、サイズが小さいことも。

f:id:mobemobe617:20180710220537j:plain
亀崎海浜緑地から見た海。昨年は来ていないので、一昨年ぶり。
 公園の駐車場に車を停めて、車外に出た。釣具屋の駐車場と違って海風があるせいか、思っていたほど暑さを感じない。
 道具を持ってポイントの砂浜に向かうと、釣り人はほとんどいなかった。しかも、竿を出している人間が時折上げる竿を見ても、釣果は芳しくなさそうだ。

 ポイントに到着すると水が濁っていた。しかも、海水も生臭い。ひょっとしたら、赤潮が出ていたかもしれない。
 15時過ぎから釣りはじめた。今日の満潮時間が16時30分くらいであることを計算していたので、午後に家を出たのだ。ハゼは潮が満ちてくる時が釣りやすいからだ。

 振り出し竿で脈釣りの仕掛けで、ポイントを探ったがアタリがない。歩きながら、少しずつ仕掛けを入れるポイントを変えていくと、小気味よいアタリがあった。ただ、それだけで自分のテンションが高まっていく。
 まわりがあまり釣れていないなか、2時間ほどで20匹以上は釣った。小さいものは何匹かリリースした。母親と一緒に遊びに来ていた幼児の男の子にも遊びながら手伝ってもらったりもして。男の子も声を上げてはしゃいでくれた。
 2018年の自分のハゼ釣りも幕を上げた。

7月8日晴れ

 台風から変わった温帯低気圧と梅雨前線の影響で続いていた長雨が、ようやく終わった昨日。
 朝、洗濯ものをベランダで干そうと思っていたら、少し雨がぱらついたが、その後は夏らしい一日だった。

 日中は一昨日に引き続き、副業先のラーメン屋で走りまわっていた。二日間ともに感じの良いお客ばかりの来店だったせいか、気分よく働けた。
 来週末の3連休も2日間、自分は働くことになっている。自分が働いている店だけでなく、飲食業界はどこも慢性的に人手不足なのだろう。
 毎日のように出勤しているパートのせいこちゃん。彼女によるとお客に、次のようなことを言われたという。ついにこの店も外国人を雇うにようになったのかと。日本人と結婚したために、国籍こそ日本となっているが、生まれは中国四川省である、毛さん(仮名)のことだろう。

 来週末は初めて毛さん(仮名)と一緒に働く予定になっている。彼女の旦那同様に、魅力ある女性との恋であれば、ボーダレスなマスヲ。彼女の魅力にはまってしまうのだろうか。
 せいこちゃんからしてみれば、毛さん(仮名)にメロメロになっている店の男性従業員は、マコちゃんを含めて2人。自分も3人目になってしまうのだろうか。それとも、夜遊びで鍛えている選球眼の成果が表れるのかは、来週以降でないとわからない。

 昨夕は、母と弟の3人でビアガーデンに出かけた。名古屋だけでなく全国的にも有名な浩養園に。実母の誕生日だったからだ。
 母は外の景色を見ながら食事をすることと、ラム肉が好きなので、亡くなった父が元気なころから、毎年家族で出かけるのが恒例だった。
 昨年はイレギュラーで他の店にしたのだが。
hatehatehahaha.hatenablog.com
 今年も自分の娘を誘うのか、当日まで迷った。だが、昨年妻が自分や家族に対して取った態度が、どうしても納得できなかったので、娘に声をかけるのをためらったのだ。

 浩養園へは鶴舞駅から無料のシャトルバスが出ている。そのバスの時間まで少し時間があったので、駅周辺を散歩した。
 JRの駅前は鶴舞公園の正面になっている。雨上がりのせいか正面にある花壇の花の色彩が鮮やかに見えた。

f:id:mobemobe617:20180709112217j:plain
鶴舞公園正面の花壇
 バス乗り場、周辺で待っていると弟と母が表れた。母の歩き方が少しだけぎこちない。最近、片方の足首が歩くときに気になるようだ。
 自分よりも二回り年上だが、年齢以上に若くみえる。だが、加齢によって少しずつではあるが体に不調が出て来ても仕方がない。あと、何回こうして一緒にビアガーデンに行けるのだろう?

 浩養園に着くと今年は空いていた。予約していたこともあるかもしれないが、人工的に作った滝に一番近い席で、ロケーションも良かった。
 まわりの席は閑散としていた。店員の情報によると、日曜日は空いていることが多いらしい。ちなみに浩養園の従業員も外国人が目立った。

 予約をしていたのは18時。まわりが明るいうちは、少しだけ暑かったが、ビールを美味しく呑むのには適温だった。
 実家のダイニングで話しているときとは、解放感が違ったせいか会話もいつもより弾んだ。そのせいか、時間が過ぎるのも早かった。
 来年も母の誕生日をここで祝うことができれば、と思ったが2人には口にしなかった。

f:id:mobemobe617:20180709102840j:plain
ビアガーデン内に作られた人工の滝。自分たちのテーブルはすぐ脇だった。

10年と10歳

 

f:id:mobemobe617:20180708150322j:plain
昨日参加した講談会。会場は名駅の西口近くだった。
 昨日、久しぶりに講談を聞きに行った。2回目だったが、心から楽しめたのは初めてだった。
 プロの講談師、旭堂南左衛門の演目を鑑賞することができたからだ。前回は彼の弟子たちの噺しか聞いていなかったからだ。
 上方講談協会会長でもある、南左衛門が口にした言葉が印象に残っている。その言葉は、一芸10年。

 知人が講談を初めたのをきっかけに、自分も講談に興味を持つことができた。歴史好きなこともあって、初めて聞いたときも新鮮だったが、やっぱりプロのレベルは全く違うことを、昨日は見せつけられた。

 噺家のプロである彼が言った言葉が、自分にとって重かった。もし、自分が書いている文章、blogはともかく小説が芸であるのなら、文字通り文芸になる。
 自分が人を楽しませられるレベルになるためには、最低でも10年が必要ということになるだろう。
 そう考えると30代に一度自分が筆を置いてしまったことが、残念に思えてきた。

 講談会は16時に開演して、18時過ぎには終わった。その後は一緒に講談を楽しんだ友人と、近くの居酒屋に足を運んだ。
 講談を聞くことも楽しみではあったが、一緒に講談会に参加した友人とお酒を呑むことの方が、この予定が決まってからより楽しみにしていた。

 自分と友人は2人用の小さなテーブルの席に案内された。机も狭いが、隣の席とも距離も数十センチとかなり近い。最初は空席だったが。
 2人で講談やお互いの近況などを緩い感じで話していると、隣にカップルのお客が着席した。2人とも20代に見えた。
 女性は見るからにいい女。対して男はその女性に見合っていなかった。首筋が伸びでいるTシャツを着て、眼鏡をかけていた。自分が言うのもなんだが、イケていないタイプの典型だった。

 彼女の身なりはお洒落で持っていたライトグリーンのハンドバッグからセンスの良さを伺うことができた。
 会話も弾んでいるように見えなかったので、キャバクラの同伴かと最初は思ったほどだ。
 だが、すぐに思い直した。男は見栄を張るもの。同伴であれば、もうちょっと落ち着いた感じの良い店を選択するはずだと。

 彼女の素敵なハンドバッグの下にメニューが置かれていた。自分はそのメニューを見て注文をしたかったので、話しかけたことがきっかけで、4人での会話が始まった。
 酔った勢いで友人と自分が2人の関係に会話を向けた。2人がプライベートでの付き合いであることがわかった。プレステ4のあるオンラインゲームで知りあったことがきっかで、2人が昨夜一緒に自分たちの隣でお酒を呑んでいたのだ。

 さらに、驚くことに彼女は神戸在住。ぱっとしない男のためにわざわざ新幹線で名古屋に来たらしい。
 その話を聞いた2人のオッサンは今からプレステ4を買いに行こうかとういう、冗談を飛ばしたほどだ。
 自分たちのノリが良かったせいもあるかもしれないが、2人はもっと詳細なお互いのプライベートなことを話してくれた。彼女の方が年上で30歳、彼氏の方が年下で20歳であることまで。
 友達以上恋人未満のように見えた10歳差の2人。店を出たあとの2人がどんな夜を過ごしたかを考えると、微笑ましくもあったが、気になって仕方がなかった。

今週の平日の過ごし方

 待機になって1週間、ほとんど毎日が雨。インドアでもそれなりに楽しみ方を知っていると自負していても、流石に1週間は気が滅入る。
 家事にも支障が出てくる。洗濯しても、表で干せないからだ。
 良いことも少しはある。夏らしい強い太陽の日差しが届かないために、気温が上昇しないことだ。おかげで、日中も夜間もエアコンを使用していないので、電気代も助かっている。

 火曜日こそ、街中まで呑みに出かけたが、それ以外は対してお金を使っていない。飲酒したのは火曜日の他は、昨夜だけ。
 近所の友人宅にお邪魔してコロナビールをご馳走になった。贅沢な出費というのは、その際に買ったライムくらいだろう。スーパーでライムを探すのにも、意外と大変なことも知ることができた。
 全国展開していて、ショッピングモールも経営しているような大型スーパーに探しに行ったが、買い求めることができなかったからだ。

 次に自宅から自転車で行けるローカルスーパーに立ち寄ったら、フルーツの陳列棚の小さなスペースで見つけることができた。一個200円の価格にも驚いた。自分が想定したよりも高かったからだ。
 考えてみたら、今までにライムを買ったことがなかったことに、気がついた。ライムを買い求める人は、どんな用途で使用するのだろうか。

 叔父から頼まれていたボランティアが終わったので、昨日からは、自分のために使える時間が増えた。
 気持ちにも余裕が出てきたせいか、あることに気がついた。財布からお金がほとんど減っていないことに。
 仕事をしていると、昼食は外食となるので500円から1,000円ほどの出費になってしまう。
 また、仕事中に気分転換と自分に言い聞かせて、近所のコンビニまでサボりに出かける。飲み物やちょっとした食べ物をいくつか買うので、無駄な出費が重なっていた。

 今月になってからは、ほとんどコンビニに行っていない。
 食べたいものを自分で作って食べ、食後に自分で好きなコーヒーをドリップして飲んでも、缶コーヒーやコンビニコーヒーと味は比べものにならず、しかも財布にも優しい。
 買い物はほぼ、スーパーで済ませている。出来合いのお惣菜や冷凍食品、菓子パンやお寿司などを入れた買い物かごをぶら下げた主婦たちが気になってしまう。
 彼女たちは毎日このようなものを食卓に並べて、家族に食べさせているのだろうか。専業主婦なのだろうか。パートとして働いているせいで、疲れているのだろうか。
 それとも、地域や子供が通う学校などのボランティアなどに時間を割かれて、家事にまで手がまわらないのだろうか。

 手間をかければ、リーズナブルに安全で家族好みの美味しい食事を提供できるはずなのに。料理好きなせいか他人のことが気になってしまう。
 自分に余裕ができたために、いつも以上に他人に目が行ってしまうのだろう。
 だが、社畜となって社会にとってはどうでもいいような仕事に追い回されて、思考停止になっているよりはマシだと、自分は考えている。

やっぱり、元気ですか?

 昨日、想定したことが起きた。ある女性からLINEでメッセージが届いたのだ。
 文面は次のようなものだった。『おはよう ございます 元気ですか? 😊😊😊』。
 自分はスタンプのみ返信した。すると数時間後にまた、メッセージが送信されてきた。『元気ですか?』、と。

 このメッセージが来ることになった経緯を書き綴りたい。
 先月中旬に、以前勤めていた会社の同僚から電話があった。近いうちに自分とお酒を飲みたいと。了承したが、来月からの現場の予定が未定なので、近々にしてくれないかと話した。
 すると、相手が今は名古屋で仕事をしていないこと、7月からは名古屋での仕事になることを説明された。

 仕方がないので、相手の都合に合わせて呑む予定を今月にし、彼の現場が名古屋市内の高岳に決まったことを聞いたので、そこから近い東新町焼鳥屋を自分が予約した
 そして、彼と久しぶりに夜遊びしたのは今週の火曜日だった。

 当日、自分が先に焼鳥屋の店内で待っていると、彼が表れた。少し太ってはいたが、顔色も良く元気そうだった。
 彼は自分よりも後に会社を辞めたのだが、自己退職というより辞職に追い込まれていた。心臓の調子が悪く、無理ができない状態となったので、会社から煙たがられたのだ。
 当時、彼の顔色は見るからに悪く、一発で病人とわかるほどだった。

 だが、先日は自分がビールを注文すると、彼もあわせてくれた。その後も自分よりも一回りほどペースは遅かったが、それなりにお酒を楽しんでいた。
 彼に体調のことを聞くと、かなり調子がよくなったことを教えてくれた。ストレスを減らせたことと、服薬し続けた効果なのだろう。

 一緒に勤めていた会社やお互いに知っている同僚の近況などを一通り話し終わると、彼が河岸を変えることを提案した。どこに行きたいかかを尋ねると、彼はフィリピンバーに行きたいと答えた。さも当然と言った表情で。
 確かにここは東新町。名古屋で、いや全国でも指折りのフィリピンバーが軒を連ねる聖地だから、もっともな提案だった。

 だが、自分は気が乗らなかった。フィリピンバーで働く女性たちにねだられて連絡先を教えると、面白味もなく鬱陶しいメールやメッセージがメールなどで送られてくるからだ。
 そのことは口にしなかったが、自分が躊躇している様子が伝わったようだ。相手が気遣ってくれた。嫌ならいいよ、と。

 彼は自分よりも、8歳年長。年長者に誘われて遊びを躊躇しているようでは、遊び人としての矜持に関わる。自分は少し考えて、あることを提案した。自分がよく知っている紹介所が営業していればフィリピンバーに、営業していなければ他の業態のお店で飲むことを。

 雨上がりの繁華街の裏路地を奥へと進んでいく。20時を過ぎたばかりの平日のせいか、人通りはともかく客引きもまばらだった。
 考えたら、東新町の裏路地を歩くのも久しぶりのような気がした。繁華街の中にある公園の角を折れると、見慣れた紹介所から灯りが漏れていた。

 紹介所に入ると主が居た。いつもと変わらず感じの良い笑顔を浮かべていたが、以前よりも元気そうだった。
 彼も心臓を患っており、体調が良くないと何度か聞いたことがあったからだ。体調のことを彼にも聞くと、お陰様で一言返してくれた。顔色とその言葉で彼の体調のことがある程度察しがついた。

 ちなみに、この紹介所の主のことを自分とある知人はこう呼んでいる。東新町の帝王、と。
 理由は彼が心からフィリピンバーを愛していること。彼がコーディネートしてくれるお店は、外れが少ないこと。また、本音でいろいろな情報を提供してくれるからだ。
 帝王の彼女は、あるフィリピンバーのスタッフであることも以前に聞いていた。
 自分がこの街で夜遊びすることの中には、彼との会話を楽しむことが大きなウエイトを占めている。

 帝王が2人に今夜の遊び方の希望をヒアリングしてきた。相方の要望を優先して1軒目の店を決めてもらった。いつものように、帝王は事前に店の状態を電話で確認してくれた。
 紹介所を出て帝王の後に自分たちはついていった。もちろん、2人とも遊びに行ったことがない店だ。
 その店は一見さんの場合、最初に接客する女性を直接お客が選ぶことができるシステムだった。前にも同じようなお店があった。最近、東新町では流行っているのだろうか。
 照明が落としてはあるが、何十人もの女性が自分たちに向かって立ってくれるのはちょっとした光景だ。
 相方に敬意を表して先に女性を選んでもらったが、少し驚いた。自分が一目見て心に決めた女性を彼が選んだからだ。
 仕方がないので、自分は残りの女性を全員見てから決めたが、どうしても彼が決めた女性が気になった。

 お互いに指名した女性を伴って店の奥にあるボックス席に座った。他のボックス席は全て空いていた。他の客はまだ居なかった。
 入店してから、相方のテンションは高かった。しかも、かなりくつろいでいるようにも見えた。
 彼が女性スタッフと話している内容が聞こえてきて、あることを知った。彼がお酒を呑むのが3年ぶりであること。そして、その相手として自分を選んでくれたことを。まったく悪い気がしなかった。
 3年ぶりのお酒は、どんな味がするのだろうか。自分はその味をまだ知らない。

 店のボーイが指名を促してきても、彼が初めてだからいろいろな女性と話してみたいと、外連味もなく自然に返答してくれた。
 結局、ワンセットだけで退店した。タックス、サービス料込みで3,000円だけ支払って、帝王のところに戻った。

 帝王は他の男性グループに接客していた。そのグループは20代後半くらいの3人組。帝王のコーディネートが決まったので、彼らを店まで送り届けるために出ていった。
 夜はまだ長い。帝王が戻ってくる間、2人で何を話していたかは、あまり覚えていない。
 たいして意味のないことばかりだった気がする。それでも、2人の間にあった雰囲気が悪くなかったと今でも思い返すことができる。

 帝王が戻ってきたので、今度は自分の要望を伝えた。時間が遅くなってきたせいか、2店ほど勧めてくれた店に帝王が電話をすると、相手先の都合がつかなかった。
 三度目の正直ではないけれど、3店舗目はなんとか入店できるとのことだったので、了承して紹介所を出た。
 道中で最初は女性スタッフが同じテーブルに座らないが、その間の時間はカウントされないことまで調整してくれたことを帝王は話してくれた。

 入店するとボーイが相方にはウイスキーの水割り、自分には焼酎の緑茶割を作ってくれた。
 しばらくすると、スタイルの良い女性が自分たちの机についた。顔立ちから、日本人だとは思えなかったが話した日本語はかなり流暢だった。
 自分がチーママであること、訪日してから20年ほどが過ぎていることを話してくれた。
 それから、ボーイがコースターを使わずに飲み物を提供したことを詫びながら、グラスの下に敷き直してくれた。
 40歳にしては奇麗なチーママ。彼女の訪日してからの20年は長かったのだろうか。それともあっという間だったのだろうか。

 しばらくすると、チーママと入れ替わった2人の女性が自分たちの席に着いた。2人とも、先ほどの店に居たスタッフよりも若い。その分、少し日本語が拙かったが。
 その店でも相方が取り仕切ってくれ、指名を促してくるボーイを上手くかわしてくれた。
 この店に入店してから、1人のある女性が気になっていた。フィリピンバーではなかなか巡り会えない、顔立ち。スタイルはフィリピン人らしく素晴らしいのだが、顔は日本人っぽくて薄いのだ。目は大きくてはっきりとしているのだが。

 その女性が3人目として自分の横についた。正直、嬉しかった。隣でそばによって見ても可愛いらしい。幾分、お酒のせいで理性的でなくなっていたかもしれない。気を許してしまい、彼女とLINEのIDを交換していた。
 気分よく、酔ったままに退店した。先ほどと同じように1人3,000円だけ支払って。
 店を出ると雨が降り出していた。

 帝王のところに行ってお礼だけ言って帰るのが、いつもの自分の流儀。
 小雨の中、案内所に向かう途中で彼に出くわした。お礼を言うと帝王は、自分の使っていたビニル傘を自分たちに譲ってくれた。こういう心遣いが、自分に彼を帝王と言わせるところなのだろう。
 相方と帝王のお陰で楽しい一夜を過ごすことが出来た。

 2日間、自分が可愛いと思った女性から連絡はなかった。こちらからも何も連絡はしなかった。
 時々、彼女のタイムラインに載せられている写真を楽しんではいたが。どの写真も魅力的だった。
 だが、昨日送られてきたメッセージを見て、少し覚めた。彼女の送ってくれた言葉も、他のフィリピンバーで働く女性たちの最初の挨拶と一緒だったから。

 元気ですか、と彼女たちが尋ねてくる理由が少しはわかる。英語でいう、『Are you fine?』からきていることを推測できるからだ。
 だが、せっかくならば女性とは細やかな言葉遊びをしたいと、考えている自分。そんなことを日本語に慣れていない、女性に求めても仕方がないとは思ってはいるのだが、男は何時だって我儘だ。