淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

バスガイド

 今朝は通院日。診察を終えて、現場オフィスに向かう途中に、制服姿5人組の女性を見かけた。その女性たちは、バスガイド。
 秋の日差しが色合いをより鮮やかにしていた制服が、彼女たちに似合っていた。

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通院帰りに見かけた、バスガイド。制服が似合っていた。
 今の男子中高生はわからないが、自分たち40代のオッサンたちが中高生のころは、バスガイドに憧れを抱いたことがある人が多かったのではないだろうか。自分もそんな1人だ。

 小学校からの友人の1人が、中学生の時にあるバスガイドと知り合って浮き足立っていたのが懐かしい。
 友人が憧れたバスガイドは、自分たちの修学旅行の時に乗車した箱根登山観光バスのバスガイドだった。当時、自分も彼女のことは魅力的だと思った。

 思春期のころの男にとって、制服姿の少し年上のお姉様は反則である。魔法をかけられたように、より素敵に見えてしまうのだ。
 その職業がアテンダント、看護師やデパートの店員であっても。それらは皆、男性から見たら憧れる女性の職種でもある。

 蛇足だが、自分は独身のころにそれらの職種の女性たちとコンパなどで接点を持ったことがある。
 アテンダントはないが、デパートの店員、看護師と保育士。別居中の妻とも飲み会で知り合ったし、彼女の職業は保育士だ。

 自分の高校3年生の時は男子クラスだった。クラスメイトの40人以上が、全員男。
 はっきり言わなくても華がなくてむさいし、異性の目がないので教室内での皆の振る舞いも柄が悪かった。
 隣のクラスにはたった数人だが女生徒が居たのが、本当に羨ましかった。

 自分の進学した高校は県立高校の普通科。自分が3年時に所属していたクラスの生徒はほぼ全員、大学への進学を希望していたし、自分の知る限りのメンバーはほとんど大学に入学したと思う。進学したあとに、退学した友人も知っているが。
 クラスの中で大学どころか専門学校にも進学しなかったのは、おそらく自分くらいだろう。

 3年生になると、ほとんどの生徒は部活動からも足を洗い、勉強一色になる。というか、親や先生の手前なのかそのように皆が振る舞っていたようにも思う。
 そんな3年生でも、一学期には観光バスを使った遠足があった。自分の人生で最後の遠足が。
 その最後の遠足で利用した観光バスには、バスガイドが2人付き添った。1人は新人、もう1人は彼女をサポートするようなベテランのガイドさんが。

 新人のバスガイドはあどけなさを感じるような、優しそうな女性だった。日ごろ、若い女性に飢えた野獣のような自分たちは彼女を、思春期のイヤらしい視線で見ていただけでなく、泣かしてしまったのだ。
 誰かが発した、たった一言の言葉で。その言葉とは、『ガイドさんは処女?』。

 その質問を受けた後、彼女は黙って泣き出した。そのまま、泣き崩れて仕事が出来なくなってしまったのだ。
 それ以降は、もう1人のベテランのバスガイドがバス車内を取り仕切った。
 最後の遠足についてそれ以外のことは、ほとんど憶えていない。
 今では、あまり見かけなくなったバスガイド。それでもたまに見かけることがあると、彼女の涙を思い出す。