昨日の夕方、名古屋で一番の高い山である東谷山に再び登頂した。カメラ仲間が夜景を撮りたいと声をかけられたからだ。
名古屋で一番の標高といってもたかだか198メートル。登山口にある駐車場から、徒歩で20分強の距離だ。
昨日は梅雨の雨上がりであることもあって、ところどころ滑り易くて足下が悪かった。
そんなこともあってか、登りだしてすぐに同行した友人が、音を上げはじめた。ちなみに友人とは同じ年齢どころか、誕生日もたった2日違い。加齢による体力差などはほとんどないはずだ。
登山中、あとどれくらいかを何度も聞かれた。子供が何かを待ちきれないときのように。
無事に山頂まで着くと友人は汗だくになっていた。マイクロフォーサーズで軽量とはいえ、カメラとレンズ数本と三脚などの荷物を携えての登山だったので、運動不足であればそれなりに堪えるだろう。
友人からしたら、自分は平然としていたように見えたようだが、それなりには疲れていた。
山頂にある尾張戸神社にお参りすると、前回夜景を撮影した木製の展望台に昇った。
自分が三脚を用意していると、友人の三脚の部品が外れて壊れてしまったのだ。
友人の三脚の方が見た目はしっかりしていたので、いくらくらいかを尋ねると自分のものより、1,000円ほど高価だった。
仕方がないので、オリンパスのpenに付いている撮影モードの中で『手持ち夜景』を使って撮影することを勧めてみた。すると、友人は撮影した写真を見て喜び驚いているのが伝わってきた。これで充分じゃん、と大きな声で口にもしていた。
実は、自分も前のカメラから今のカメラに買い換えた時にこのモードを初めて使用して撮影したときには驚いたし、はまっていた。呑みに行った帰りなどに、街中で意味があまりないスナップ写真を撮りまくっていたくらいだから。
友人は新しい単焦点レンズに途中で変えて撮影していた。そのレンズを使用したくて仕方がなかったこともわかった。この気持ちも自分はわかるし、カメラで写真を撮ることが好きな人間なら同調してくれるだろう。
写真を撮っていると時間が流れるのはあっという間。気がつくと登頂してから1時間以上が経って20時30分を過ぎていたので、帰ることになった。
往時は黄昏時だったので、木々に遮られた登山道でも多少はまだ明るかったが、帰り道は闇に覆われていた。
前回、この暗い道を独りで降りたことに友人から驚嘆された。ガッキーに頼まれたって嫌だ、と。
ガッキーに頼まれたって嫌ですね、自分は続けた。石田ゆり子に頼まれたなら話は別だけと、と。
すぐ、友人に切り返された。好きなタイプの女性に頼まれなくても、カメラやレンズを買ったりしたら独りでも来たくなるんじゃないですか、と。
確かに否定はできない。それくらい写真撮影にはまっているのは間違いないからだ。
だがどうして、一緒に暗い道を歩いている友人だって、さほど自分とは変わらない気がしたが。