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※ 昨日の記事の続きです。
9:30が過ぎて試験が始まった。受験生が一斉に問題冊子を開けたのだろう。紙がめくられた音が教室に響いた。
自分も問題冊子を開いて試験問題に目を通し始めたが、最初の設問からつまずいた。
今まで繰り返し解いてきた過去問題集などと、文体が少し違うような気がした。問題冊子は持ち帰ることができないので、試験を終えた今となっては、自分の記憶だけが頼り。どこがどう違ったのかを説明することは難しいのだが。
マークシート入力での解答なので、問題は全て選択形式。未回答の設問こそなかったものの、はっきりと自信を持って答えられた問題は全体の1割くらいだった。
受検時間は1時間15分なのだが、熟考した問題は計算が必要な1問だけだったので、解答にはそれほど時間がかからなかった。
マークシートの入力間違いと解答全体の見直しをそれぞれ2回行ったが、それでも試験開始から30分も過ぎていなかった。
受検時間の大半は残されていたが、そのまま教室に残っていても、受検結果は変わらないと思って試験官に向かって手を挙げた。教室を退出するために。
試験官が近づいてきたので退出希望の意思を伝えると、やんわりと断られた。試験開始から35分経過した後、10:05以降しか退出できないと説明されて。
仕方がないのでもう一度、自分の解答内容とマークシートの入力をチェックしたが、すぐに手持ち無沙汰になった。
静かな時間が流れる中、窓の外をただぼんやりと眺めて時間をやり過ごした。
10:05を過ぎると、試験官は退出希望者が退出できることを告げた。すると、どうだろう? 全体の1/4くらいは退出の意思を表したのではないか。
退出するとお手洗いに立ち寄って、校舎を出た。退出者の問題の出来はどうだろう?
自分が今まで受けてきた資格試験は、仲間同士で一緒に同じ資格を受けている受験者が多かったせいか、試験会場を出たとたんに受験者それぞれが、解答の手応えなどを口々に話しているのをよく聞いてきた。
だが、自分が今回受検した危険物の試験では、そのような光景をほとんど見かけなかった。
考えたら、受験会場である教室の中の受験者などの顔ぶれに何か統一された傾向もなかったように思える。あえて言うならば、女性の受験者が少なかったくらいだ。
校舎を出たところで、おそらくもう来ることはないだろう天理大学内の敷地で何度かシャッターを切った。
校舎の出口からすぐのところにコンビニがあったのには驚いたが、今時の大学では珍しくないのかもしれない。夏休みのせいか、コンビニは営業していなかったが。 大学前の表通りまで戻ると、受験前に自分と同士に発破をかけてくれた女性警備員が、シニアの男性と話していた。
その男性が警備員に自身のスマホでの撮影を頼んでいたが、警備員はその依頼に戸惑っていたのが見てとれた。
こちらから、彼らに話しかけて彼女に代わってシャッターを切ってもいいことを申し出ると、彼女がホッとしているのがわかった。
彼からスマホを受け取って2回シャッターを切った後、スマホを返した。スマホを受け取った男性はすぐに写真を確認したのか、数秒後には笑顔で自分にお礼を言ってくれた。
彼らを後にして車が駐車してある宿へ戻り始めた。朝も暑かったが、帰りも暑かった。ただ、道が緩やかな下り坂だったし、手応えはともかく試験が終わったことにホッとしていたせいか、暑い中でも気分は悪くなかった。
宿に戻ると車を駐車させてもらったお礼を一言述べてから、自分の車を出庫した。ナビを大阪の難波にセットして。
大阪へ向かう途中、付近の観光名所の案内標識を見る度に気になって立ち寄りたくなったが、予定があったので先を急いだ。法隆寺、唐招提寺などなど。
法隆寺は小学校の修学旅行で立ち寄ったが、唐招提寺は訪ねたことがなかったので、後ろ髪を引かれたが。
途中、大和郡山市のネットカフェで休憩した。昼食、そして当日分のblogを書き上げることも兼ねて。
blogを書き上げると、店を出て大阪の都心へ車を向けた。
目的地は難波にあるカメラ量販店。その店で中古のカメラレンズをひとつ買い求めるためだ。
奈良から大阪ヘはアップダウンの多い道が続き、ドライブするには快適だった。知らない道を渋滞に巻き込まれずに、気持ち良くアクセルを踏み込むことができた。
陽が強く差し込むと、車内が暑く感じることもあったが、それ以上に高揚感の方が勝っていた。
14時前になんばウォーク付近の駐車場に入庫した。地下街に潜ると、目的地がさっぱりわからない。ただでさえ、土地勘があまり無い大阪の難波。しかも、地下なので陽が差す方角から、東西南北を分析することもできなくなっていた。
お店に電話をして、店の場所を聞くことにした。最初、電話に出てくれた女性店員に自分が居た場所を説明したが、相手が困っているのがわかったので、別の店員に代わってもらった。代わりの店員は男性だった。だが、男性店員と話していても、会話は相変わらず噛み合わないままだった。
すると、電話の向こうの彼は、あることに気がついてくれたのだ。店がある場所は『なんばCITY』で、自分が居た場所が『なんばウォーク』なので、随分距離があることを。
車を入庫したので、そのまま歩いて向かう旨を話すと、電話の彼は距離があるので車で移動することを勧めてくれた。
彼の提案を受け入れて、駐車場まで戻って車を出庫した。『なんばCITY』を目指して。『なんばウォーク』付近もそれなりに車は多かったが、『なんばCITY』はその比ではなかった。車を駐車場に入れるのさえ待たされたほどだったが、なんとか入庫することができた。車を停めると足早に目的のカメラ量販店へ急いだ。
カメラ量販店に入店した。この店を訪れたのは、数ヶ月ぶり。実は自分が今、一番愛用しているカメラはその店で買ったものだ。その時は、神戸帰りに電車を使って来店した。
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店の売場に直行すると、自分が買い求めるつもりだった商品は、取り置きされていた。こちらが依頼しておいたので。
すぐに持っていたカメラに取り付けて試し撮りをして、問題がないことを確認した後、購入した。
購入したレンズは35㎜換算だと50㎜相当になる単焦点レンズだ。わかりやすく説明するとズームが一切できないレンズで、その代わりに明るさや画質の良さがズームレンズよりは優れている。50㎜というサイズは人間の視野に近いと言われていて、比較的に近い距離で被写体を写すことに向いている。
この後、このレンズが期待以上の活躍をすることになるのだが、それはまた別の話。(つづく)