昨日が石田ゆり子さんの誕生日だった。朝の通勤中にスマホを弄っていたら、映画のプロモーションをtweetで知った。
友人たちに公言しているほどの石田ゆり子ファンなのに、それまで彼女の誕生日を認識したことがなかったのが、自分でも不思議。
自分が今まで恋をした相手のほとんどの誕生日を知っていたし、そのうちの何人かは今でも覚えているほどなのに。
自他共に認める妄想族であるマスヲであっても、芸能人と一般人の線引きを何処かで引いているようだ。
彼女の誕生日のことを考えていたら、次のような妄想に駆られてしまった。
彼女の部屋で向き合って、食事をしている自分を。
平日の昼間に互いに休みを取って、テーブルに向き合って座っている。秋のくっきりとした陽射しがレースのカーテン越しに、部屋と彼女を照らしている。
テーブルの上には彼女が作ってくれた料理が並び、彼女と自分がワイングラスを手に持ちながら談笑している。
グラスに注がれているワインは白。自分には白どころかワインすら似合わないが、彼女には一番、白ワインが似合うはずだ。 昨日のお昼休み、久しぶりに一人で昼食を食べた。中華風の居酒屋で台湾うどんのランチを。
バイキング形式の無料トッピングがあったので、思いっきり入れてしまった。刻んだ生のネギ、ニラとニンニクを。
産まれながらの貧乏性の性もあるかもしれないが、自分に顔がデカいと言ってくれた美人ではない課長が、近づいて来れないように魔除けの意味も込めて。
いつも一緒にお昼を食べている左隣のエンジニアは、自社の営業とお昼を一緒にすることを聞いていた。
客先常駐で働くエンジニアには決して珍しくないこと。前の会社の社長は、お客との契約上の変化があり、何か自分から情報を得たいときのみ、ランチを奢ってくれたことが、今となっては懐かしい。
お昼休みが終わって1時間ほど経ったころ、左隣のエンジニアの彼と目が合った。彼は自分に飲み物を買いに行こう、と口にした。
彼は昼に営業から仕入れた情報を自分に話したかったようだ。彼が自分の自慢話をするようなタイプではないとは思っていたので、話さずにはいられないことがあったのだろうと、なんとなく考えていた。
人の目、元請けの会社やTOYOTA関連の人たちの耳を彼は気にしていたと思う。
オフィスが入居しているビルを彼に従ってウロウロしたが、落ち着く場所はなかなかなかった。
結局二人が辿り着いた場所は喫煙ルーム。煙草を吸わない自分でも堂々と胸を張って仕事をサボるために、昔はよく利用した場所だ。
彼は自身の契約が来月半ばまでになったことを切り出した。煙草に火をつけながら。
室内に漂っている煙草の煙に、彼が醸し出しているやるせなさが混じり合っていた。彼は肩を落としていたし、納得していないようだった。
会社の上司からのメールによると、プロジェクトへの自分の去就は今日、決まるはずだ。
ある意味、それを楽しみに待っているし、いつかは確実に訪れるであろう、その日のことも。石田ゆり子さんの手料理を味わえる日と違って。