先週の月曜日から今日まで、久しぶりに一日も休まなかった。月曜日から金曜日まではラグビーワールドカップが催されている街、豊田市でシステムエンジニアとして退屈な仕事をし、昨日と今日は名古屋市内の観光名所で副業のアルバイトをしていた。
副業先では観光客向けのスナップ写真の撮影にかかわる様々な雑務を担当するはずだったのだが、昨日突然に状況が変わった。
現場責任者でもある社長の思いつきで、いきなり自分が有償撮影のカメラマンのメンバー一人となってしまったからだ。心の準備も全くないままに。 もっと言うと、昨日と今日自分が働くことになっているのかも、先週の水曜日までは、はっきりと知らなかった。
先週の土曜日9月28日時点ではまだ、10月のシフトが知らされてなかった。どれくらい稼働できるかを聞かれたので、10月は土日であれば問題ないことを答えたのだ。
だが、先週の水曜日を過ぎても副業先の社長からは何の連絡もなかった。自分の本業の方では何かと騒がしい一週間になっていたので、そちらに気を取られてはいたが土日の予定も気になってはいた。
どちらか片一方でも休みであれば、撮影会に参加するなどしてポートレートを撮りたいと考えていたからだ。
社長業どころか、人を使うことにも社長が慣れていないことを感じてはいたので、大きな心である程度は猶予を持って見ていたが、木曜日には痺れを切らしてこちらから連絡したのだ。
社長が電話に出るなり、今月のシフトがどうなっているかの説明を求めると、土日は全て出て欲しいと言われた。今月の自分の休みがほぼ消滅した、瞬間だった。
本業のシステムエンジニアとしてはTOYOTAの仕事に従事している関係で、通称トヨタカレンダーと呼ばれているシフトで勤務しなければならないからだ。
ちなみに体躯の日である16日は、本業の出勤日である。通勤するための電車は休日ダイヤで運行されるのに。
お金を稼ぐということが大変だと、9月から再び働きだしてからは痛感する毎日。本業でも副業先でも理不尽なことだらけだからだ。
ただ、大きく違っていることがある。システムエンジニアとして復帰した今の現場では何も得たことがないのに、副業先では数えきれないくらいの得たものや、気づきがあった。まだ、三日しか出勤していないし、初日の出勤時には辞めることまで考えたほどなのに。
三日間で自分が身につけることができた全てを列挙し出すと、簡単には書き切れないでの今回は控え目にしておく。 昨日と今日の二日間の中で、自分が一番書きたかったことはプロが簡単そうにやっていることは、以外と難しいのだということ。
観光客向けの記念写真的なスナップを毎回同じスポットで撮るだけなのだが、お客が変わってもほぼ同じ構図でとり続けるのが、どんなに難しいのかを痛感した。
昨日の撮りはじめは社長ともう一人の先輩カメラマンに叱責されつづけた。後半はなんとか売り物になるレベルの写真になったと言われたが、一晩寝たら前日の最初のような写真になっていたようだ。
それでも昨日と今日の二日間、自分と面識の無い何人もの人間が、自分の撮った写真を買っていったのだ。その写真の出来不出来は別にして。自分が毎日ランチに使っているより高額な金額を支払って。
プロと呼ばれる資格があるとも思えないが、お金を受け取って写真を撮り、撮った写真をお客が買っていったのだから、レベルはともかくとして自分はプロカメラマンになったのだろう、きっと。