淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

脇が甘い

 昨日のお昼、いつもと同じように左隣の席に座っているエンジニアとお昼を食べに行った。
 普段は行きつけのお蕎麦屋さんが多いが、昨日は天気が優れなかったこともあって、オフィスから屋根付きのプロムナードを歩いて行ける居酒屋を利用した。
 彼は1,000円の刺身定食、自分は800円のイカフライ定食を注文したが、何故か彼のオーダーの方が提供されるのは遅かった。普通に考えたら、刺身よりも揚げ物の方が手間はかかるはずなのに。

 その、居酒屋での一コマである。
 彼と二人で一緒になると、ほぼ話題は決まってしまう。二人が参加しているプロジェクトのこと。その中でも、一緒のグループ員のことだ。
 話題として一番の占有率は体積に比例するかのように、自分の右横に座っているふくよかな女性課長が断トツで№1。彼女は背も座高も高いのだ。
 自分の声が一番高くなりかけた時だった。向かいに座っていた彼が顔を近づけてきて、自分自身の唇に人差し指を立てながら、呟いた。あちらに、プロパー社員の二人が居るから声を下げた方がいい、と。

 彼がそう言ったので、自分はそれに従った。ただ、それでも自分は気まずいと思ってもいないし、間違ったことをしているとも考えていなかった。
 お金や仕事を通じて利害が対立する者同士が、当人の居ないところで何かしら口にするのは当たり前のこと。卑しいと考えている人もいるかもしれないが、自分からしたらいかにも人間臭い行為のひとつに思えている。

 その二人は若き日の自分に似ている『マスヲJr.』が憧れているマドンナとその同僚。その同僚は男性でマドンナと同期だ。
 当初、自分と自分を窘めてくれた彼は、二人がいい関係かもしれないと勘ぐっていたが、今ではいい男女の関係だと断定している。そうでもなければ二人きりでランチになんか行かないだろう。

 彼らが居ることに気がついた当初、彼の表情は硬かったが、話題が変わると表情がニヤついてきた。話題が、『マスヲJr.』のことに移ったからだ。
 三角関係ですね、と自分は言った。彼はすぐに否定した。三角関係にもなっていないよ、と。
 マドンナの目に『マスヲJr.』が全く映っていない、と彼は認識しているようだ。
 自分はさらにふざけて言った。趣味で小説を書いていると話したことがあったかを。ちょっと誇張して書けば、充分にフィクションとして成立すると。
 彼は自分の言葉を本気で捉えていないようだった。
 まさか、彼ら三人のことだけでなく彼自身のことまでも、ノンフィクションとしてwebで公開されているとは思ってもいないだろう、きっと。

 仕方がない。自分がblogも書いていることまでは、話していないからだ。仕事で知り合ったばかりの人間に、自分の全てのカードを見せるほどのお人好しではない。かつてはそうだったかもしれないが。

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今日の写真のモデルは柊七海さん。ナゴヤオートフェスティバルにて。