先月末から、本業で働いている現場まではドアツードアで90分ほど。9時始業なので毎朝、7時20分過ぎには家を出ている。
時間がかかることもあるのだが、乗り換えの回数は三回。昨夜、友人と話していて気がついた。通勤において、三回の乗換は多いかもしれないと。
自宅から現場までの定期代はひと月で30,000円超。私鉄、JR、私鉄の路線を乗り継いでいるのだが、現場がある駅は特急が停車しないために、手前の駅で乗り換える必要がある。
特急を降りて後続の電車をホームで待つのはアラフィフのオッサンにとって、今の時期の朝にはそれなりに堪える。 一週間休まずに勤務した今週。乗り換え回数は全部で30回。
金曜日の今日、帰宅時にはぐったりしていたせいか一駅、乗り過ごしてしまった。
自分で気がついていないところで疲れが溜まっていたのか、帰宅すると今夜はクタクタだったがゆっくりすることはできなかった。
今夜は第二金曜日。月に一度、町内会の夜回りの日だったからだ。
餡饅と蜜柑を食べてからリビングで仮眠をとって、夜回りに備えた。餡饅は駅から自宅までの帰りにコンビニで買ったものだった。
電気カーペットの上で15分ほど横になったおかげで、少し気力が回復したので夜回りの集合場所である近所の公園に向かった。
夜回りに参加している最年長者は82歳の男性だが、歳を感じさせない。背が伸びてしっかりとした足取りだから。端から見たら自分の方がぎこちなく歩いているように見えているかもしれない。
夜回りの最中に、そんな彼が自分に語り始めた。今春で彼が引退することを。
彼が引退することとは、通学する小学生の見守り。俗に言う、緑のオジさん。
地方によっては、別な言い方をするところもあるのかもしれないが。
15年間、その務めを果たしたと彼は口にした。かつて通学を見守った小学生が今や、大学生になっているとも。
彼は他の人にもその役割を担って欲しいと言った。決まっている一部の人だけではなくて、と。
また、次のようなことも言っていた。昔と違って、自営業者が少なく、勤め人が多いから仕方がないかもしれない、とも。
彼の言葉を聞いていて、何かが引っかかった。
だが、万が一に捨てるほどの時間とお金が自分にあったとしても、彼と同じようなことができるかは問うまでもないだろう。
強欲な人間に、彼の真似などできるはずはないだろうから。