淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

通勤電車での旅行とうたた寝

 今の現場で自分の向かいに座っている男性エンジニアとは毎日、お昼を共にしている。
 彼と自分の性格は正反対。二人の上位会社である責任者の見立てでは。
 責任者曰く、自分はテンションが高く、彼のテンションは低いらしい。
 ある意味では当たっているかもしれない。休み時間も仕事中も、彼は言葉が少ないからだ。
 マスヲはどうかって? オフラインで知っている人は想像通りだろうが、今の現場では賑やかだ。

 彼がどう思っているかは別にして、最近の現場で知り合ったエンジニアの中では、不思議と気が合うほうだ。
 時折、彼と帰宅の電車も一緒になるが、そんな時はお互いに本音が出る。自分たちよりも、立場が上の人間が居ないからだ。
 今の現場に一年ほどの在籍になる彼。当初はそれほど長く留まるつもりはなかったらしい。
 それというのも、彼は通勤に時間がかかっているからだ。

 今の現場で彼以上に通勤に時間がかかってしまうエンジニアはいないのではないだろうか。
 自宅から現場まで二時間以上、かかってしまうとのこと。
 彼が住んでいるのは、岐阜県岐阜市。県境を超えているだけでなく、長良川木曽川も毎日の朝夕に渡っている。

 そのせいもあるだろう。彼は午後になると睡魔と戦っているのが、見て取れる。嫌みではなく、負けてしまえばいいのに、と思っているのは自分だけだろうか。
 彼の名誉のために書いておくが、自分の目の前で彼が居眠りをしていたことはない。

 今の客先は、とかく居眠りに関しては口やかましい。ドレスコードだけでなく、就業ルールに関しては全体的に緩いのに。
 その緩さは立地上、エンジニアが集まりにくいことも関係しているのではないか。
 であれば、多少の居眠りぐらいは見て見ぬ振りをすればいいのにと、思わずにはいられない。
 昔の自分ならいざ知らず、客先常駐のシステムエンジニアであれば、居眠りくらいは当たり前だと考えているから。

 彼は通勤に時間がかかることを友人に説明すると、次のように言われたらしい。通勤ではなくて旅行だと。
 他の人から見れば、彼は旅人ということになるのかもしれない。
 通勤ではなくて旅なので、往復の電車内でうたた寝することも珍しくないだろう、きっと。

 古今東西で人生は常に旅と重ね合わされてきた。
 今の現場で仕事しているという旅路。彼とマスヲのどちらが先に終路に辿り着くのだろう? 
 互いに今は、そのことを知る由もないのだが。お互いの小さな分かれ道のことも。

今日の写真のモデルはぺんぺん。