ほしかったですね。
昨日、灯油の移動販売で巡回先から営業所に帰ってきた時に社員からかけられた言葉だ。
先週に引き続き、今週も2,000リットルにポリタンク三個ほど届かなかった。
先週はそのことにそれほどの意味がなかったと考えていたのはうかつだったとしか言いようがない。 灯油の移動販売の給与は日給と歩合給の二本立て。
日給は12,000円。歩合給は1ℓあたり4.5円。だが、歩合が加算されるためには条件がある。一定数量の売上げが必要なのだ。
そのことは面接時に聞かされていたが、閾値のことをいい加減に聞いていた。
普通に働けば、楽に超える数字だと説明があったから。
歩合が発生する閾値は2,000ℓ。いくら暖冬とは言っても自分の能力、自分が担当するエリアでは超えるのは難しい数字のように思えてきた。
自分が一日に走行する距離は140㎞。営業所を朝の7時に出発して木曽川と長良川を渡る。いくつもの団地やニュータウンを巡って営業所に戻ってくるのは19時過ぎ。
その後に給油やお金の精算をして入金すると、早くても19時30分は過ぎるし、20時を超えたことも一度や二度ではない。
拘束時間は12時間超。歩合がない場合、自分の懐に入るのは12,000円だけ。しかも、そこから毎日、ローリー車の自動車保険代金も天引きされる。
拘束時間で除算をすると、時給換算では1,000円くらいになることに気がついた。
丙種とはいえ、危険物の資格を取得してまで準備した仕事の給与としては、期待外れだった。
お金の面だけを考えると、馬鹿馬鹿しくてどうしようもない。一瞬、辞めようかとも思ったが、すぐに冷静になった。
この仕事をすることによって、金銭以外に自分が何か得ているかを考えてみた。
具体的に言葉にして説明するのは難しいが、無いとは言いきれない。
お客の何人かの顔も浮かんだのは事実だが、他に感じたことがある。
それはちょっとオカルトめいたこと。
自分が担当するエリアは長良川や長良川の支流に縁があるエリアばかり。ひょっとしたら、自分の人生は長良川に縁があるのではないかと、唐突に思えてきたからだ。
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一昨年の夏、長良川の支流である津保川が洪水した後に、災害ボランティアに参加したこと。
大昔になるが20代の若きころ、長良川河口堰の建設反対の集会に参加したこともいつの間にか思い出していた。
ウインタースポーツ好きなので20代のころから、長良川の源がある奥美濃地区のスキー場にも数え切れないほどに足を運んでいることも、全て繋がっているのかもしれないと。
そんなことを考えると、費用対効果以外のものを感じる。単なる自分の思い込み、勘違いかもしれないが。
ときによって人の人生は勘違いによって前に進んでいくことがあることも、年を重ねて知ったことのひとつだ。