今年のゴールデンウイークは十二連休の人が多いのだろうか。残念ながら自分は暦通り。
今の会社に入社してから半年が経ったので、十日の有休休暇が支給されている。
今後のことを思い描くのが難しくなっているので、いつまで自分が今の会社に居るのかはわからない。自分の意思によって去るだけでなく、会社から肩たたきに遭う可能性だってそんなに少ないとは思えない。
あらゆるケースを考えると、今のうちに有休休暇は使っておいた方がベターだろう。せっかくの権利を使わずに、あとで後悔しても仕方がないから。
ゴールデンウイーク中に有休を申請して連休を増やそうと思っていたのだが、先に牽制されてしまった。今の現場での上位会社のリーダーに。
二人でZOOMによるミーティングをしている時に次のように言われたのだ。こんな状況だからどこにも行けないから仕事をしていた方がいいよね、と。 今年、十二連休になった人などは時間をどのように使うかに頭を悩ませている人も多そうだ。
TVではある父親が、息子二人とベランダでキャンプのまねごとをしていた。テントの中で食事を楽しんだり、眠ったりしているようだ。
ちょっと考えれば、こんな状況でも個人個人にぴったりな楽しみ方が結構あるのではないだろうか。
自分は今日の昼に、ソロバーベキューを楽しんだ。先週末に続いて生涯二度目の。
前回は牛ホルモン、今日はスペアリブを炭火で焼いた。
どちらの肉も焼くと肉汁がしたたって網から炭に落ちて、香ばしい匂いが立った。
庭の片隅でビールを片手にスマホで音楽を聴きながら、のんびりと焼きたての肉を味わった。
気分のよいままに音楽を聴いていると、ある曲の歌詞が気になった。
ある曲とは岡村孝子の『夢をあきらめないで』。
自分の好きな作家がこの曲の二番の歌詞が素敵だと書いていた。その作家が指摘したフレーズは、『似てる誰かを愛せるから』。
その文章を読んだ時にはそれほどピンと来なかったが、今日になって初めてハッとしたのはお酒のせいなのだろうか。
似ている人を好きになったことは今までにあったが、愛した人のことを聞かれると、そこで思考が止まってしまう。
今まで、それなりに恋はしてきた。上手くいかなかったことばかりだったが。
恋はしていても、人を愛したことはどれほどあっただろう? 誰を愛してきただろう? 少なくとも今すぐに即答できるのは娘だけだ。
人を好きになるのは簡単だが愛することが難しいということに、あらためて気がついた。
庭先で一人、真っ昼間にビールを呑んでいたら。