淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

大鋸屑の味わい

 今朝は久しぶりに朝寝ができた。サラリーマンにとって、朝寝は休みの日の醍醐味のひとつだろう。
 夜明けころに目が覚めた。再び目をつぶってからは、あまり時間が過ぎた気がしていなかったのだが。
 下半身に夏用の毛布をかけていても、暑くなくてほどよい感じだった。
 まだ、朝の早い時間だろうと思いながらスマホを見ると、9時を過ぎていたので少し驚いた。

 遅めの朝食を作って食べると、美味しかった。昨日、買った仙台味噌、具にはタマネギ、揚げ、ほうれん草を入れて作ったばかりの味噌汁が特に。
 考えたら、朝にきちんとした味噌汁を作ったのはかなり久しぶりなのではないか。朝は時間に追われるので、どうしても作り置きにしていたものか、インスタントの味噌汁が多くなってしまう。

 いい気分のまま、食事を終えてホットコーヒーを煎れた。
 味噌だけでなくコーヒー豆も昨日、買ったばかりのもの。ハサミで封を切ると、あたりに香りが漂い始めた。コーヒーの良い香りとは言えないような、雑味を帯びたものが。例えはおかしいかもしれないが、その臭いは大鋸屑*1に似ていた。

 コーヒーを嗜むことが日常になったのは30歳を過ぎて、コンピュータシステムの仕事に従事するようになってから。
 それからは仕事中にコーヒーを飲むことが習慣化している。
 オフィスによってはコーヒーマシンが置いてあって、無料で提供されていたところもあったが、割合的には少ない。

 マシンがないほとんどの現場では、コンビニやスーパーで売っているドリップコーヒーを持参している。
 よほど酷な現場でないかぎり給湯室、給湯ポットか電気ケトルくらいは備わっているからだ。
 家から蓋と保温機能が付いているカップを持参し、一杯ずつ煎れることが普通になっている。

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盛夏に至っていない感じ。

 今から10年ほど昔、総合病院に勤めていたころの話。
 400床もあるような総合病院の情報部に籍を置き、電子カルテや会計システムなどのメンテナンスをしているといえば聞こえはよかったのかもしれないが、今までにサラリーとしてもらった金額の中では一番低かった。
 小遣いで使える金額も少なくなるので、コストカットにも工夫していた。
 どうやら他の部員たちも多額の給料を受け取っていないのが、話や行動から伝わってきた。

 同じ部の中で他にコーヒーを嗜んでいた部員は一人。
 ある日、その部員とお互いに持っていたドリップコーヒーを交換して味わうことになった。
 その部員が持っていたコーヒーが不味いだけでなく、大鋸屑の臭いがすると話したことがきっかけ。
 当時の自分の中ではどうしても、大鋸屑とコーヒーがイメージ的に結びつかなかった。

 だが、試してみてすぐにわかった。確かに不味いだけでなく、口に含むと大鋸屑に似た香りが口の中に広がったからだ。
 そのコーヒーはスーパーで大特価だったと話してくれた部員。

 自分が今朝飲んだコーヒーはお値打ちだった。メーカー品ではなく、割安なのを売りにしているPB商品だったから。
 大鋸屑の香りが味わえるコーヒーを嗜んでいた彼は今、どうしているだろう?
 同じ職場で働いた人間の多くと同じように、その後のことは何も知らないし、それらしい噂さえ伝わって来ていない。

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今日の写真のモデルはめいさん。

*1:おがくず。漢字ではこのように書くらしいです。知らなかった。。。