在宅勤務になってからは、平日の昼食はほぼ自炊。朝はもちろんのこと、夜も飲み歩くことが激減している証として、米の減りが早くなっている。
先々週くらいに、米を買ったばかりの気がしていたが無くなってしまったので、今日の夕方にドラッグストアまで買いに出かけた。
店の入り口に置いてあるアルコール消毒液が切れていたので店員に伝えて次にものを用意してもらっている間、あたりをキョロキョロしていると、珍しい光景に出会った。
店頭に置いてあった緑の電話から、男性が硬貨を取り出していた。もちろん、泥棒などではなくてNTTから委託されている業者の人だろう。
そのシーンに遭遇して、いつも利用しているドラッグストアの前に公衆電話があることに気がついた。
携帯電話が当たり前のように普及している今、昔に比べると彼のような仕事は激減しているはずだ。
ひとつの仕事が激減することが世間で大きく注目されたり、されなかったりするのは何故だろう?
独り暮らしなので三合を一度に炊いて、食べきれない分を小分けにして冷凍保存している。
普段は5㎏入りの米を買っている。妻と一緒に過ごしていたころは10㎏入りを買うことが多かった。
夏の賞与がないことになんとか諦めをつけたが、このままだともっと酷い惨禍が自分を待ち受けている。
再来月の給料が4割減給されてしまうという事実が、どうしても自分の緊張を高めてしまう。
そんな状況を考えて、あと数週間で新米が売り出される時期にも関わらず、家を出るときには10㎏入りの米を買うことを決めていた。
それでも売り場に行くと迷った。10㎏入り2,980円のものと2,880円のものを購入するかで。消費税まで計算するとその差をかなり大きく感じてしまった。
自分が働き始めたころ、中年になった自分がお米の値段なんかで汲々としている姿を全く想像できなかった。
だが、今の自分は年収で比べればその当時とそれほど変わっていない。
幸いなのは、米価もほとんど変わっていないこと。
だが、それはもっと別の大きな問題もある。米を作っている農家の収入もほとんど増えていないことになるからだ。
この30年ほどの間、物価の中で大きく変わったものとそうでないものの差はかなり目立つ。
車、医療費、高校や大学などの授業料などはかなり高くなった。一方、土地などはバブルのころに比べれば下がっている場所もある。
その原因は何なのだろう?
もちろん、その原因に自分たちも全く加担していない訳ではないだろうが、自分にはほとんど心当たりがないのは、どうしてだろう?