テレビを見ていたら猛烈にカレーが食べたくなってしまった。バラエティー番組でチキンカレーを特集していたからだ。
その番組の作り手たちは、夏といえばカレーという安易な発想で企画したのかもしれないが、すぐにその気になったオッサンが少なくともここに一人いた。
野菜の旨みが詰まっているスパイシーなチキンカレーをどうしても味わいたくなったので、その手段を三日ほど考えていた。
味のイメージを抱くことはできるのだが、それに近いカレーを出してくれるような店を知らなかった自分。
最近はかなりできがよくなってきたが、スーパーやコンビニに並んでいるレトルトには自分の期待に応えてくれそうなものはなかった。
こうなっては仕方がない。暑苦しいキッチンで手間をかけて調理することを決意した。
材料を買い集めている時にふと思った。カレーを作るのは何時以来だろうかと。
独り暮らしになってからもよくカレーを作っていたが、三月末から在宅勤務になってからは作ったことはなかったはずだ。
むかしはちょっと抵抗があったレトルトカレーを食べるのにも、ここ数ヶ月で何の違和感も覚えなくなってしまった。
昨日、カレーを作る上で拘ったのはタマネギの下ごしらえ、鶏肉と茄子の火の通し方。
タマネギの1/3はすりおろし、2/3はニンニクと一緒にみじん切りにした。
鶏肉は熱したフライパンにさっと焦げ目をつけた。サラダ油を厚めに敷いて、スライスしたニンニクがしんなりした後に。
フライパンのものを一旦、除けた後にみじん切りのタマネギとニンニクを炒めた。鶏肉の旨みをタマネギが吸い取ってくれたはずだ。
すりおろしたタマネギを鍋に移して水とトマト缶を投入して火を入れる。
フライパンのタマネギの色が変わりはじめたところで、鍋に投入。取り除けていた鶏肉も。
赤ワイン、麺つゆ、ケチャップ、ウスターソーズ、ターメリック、ブラックペッパーを少々。乱切りにしたトマトも。
最後にカレールーを入れたのだが、少なめにしたのがポイント。とろみと旨みは具から出ていたから。
ちなみに使用したルーは、ジャワカレーの中辛。
カレールーが溶けるのを待つ間に1.5㎝ほどにスライスした茄子を別のフライパンでさっと火を通して、ライスを盛り付けたカレー皿に盛り付けた。
鍋中のカレールーが均一に溶けたら完成。
カレー皿にルーをたっぷりとかけて食べ始めると、一口で感動した。
自分が今まで作ってきたカレーの中では断トツで№1だったから。今年、自分が作った料理の中でも。
誰が作ってもそれなりに美味しくできるのが、カレーのいいところ。
そんなカレーの長所を差し引いて考えても、昨夜に自分が作った料理は味わい深かった。夏の魔法のせいなのかもしれないが。
暑さはよりカレーを引き立てるのかもしれない。