1Fの和室で寝るようになって数日が経った。
エアコンを使えるので朝まで快適な室温なのだが、早く目が覚めてしまう。
和室だから窓側がカーテンではなく、障子なので朝陽が部屋に差し込むからだ。
朝の陽射しで目覚めるのは贅沢なことなのかもしれないが、夜型人間の自分にとっては少々辛い。
おかげで最近は寝不足気味。そんな状態でビールと焼酎の水割りを嗜んでいたら、眠気が襲ってきたので21時過ぎには布団に入った昨夜。22時前には眠りに落ちていたはずだ。
あまりに早く眠ると、変な時間に目が覚めてしまうことが気になったが、睡眠欲には抗えなかった。
目が覚めると室内は暗かったが、障子の方を見やるとほのかに明るい。スマホで時間を確認すると5時過ぎ。思っていたよりは長い時間眠れていたようだ。
次の瞬間、ある衝動に駆られた。陽が昇る光景を写真に撮りに行こう、と。
すぐに日の出の時間をスマホで調べた。こういうときにスマホは便利だと思う。
数年前までは、パソコンの電源を入れてブラウザを起動していたことを考えれば。それでも暦で調べるよりは正確だし、手軽ではあるが。
ネットで調べると今朝の日の出時間は5:15。その時間には間に合わないが、朝陽を捉えた風景は十分に撮れると考えたので、自転車に跨がって自宅を飛び出した。
朝飯は食べなかったが、着替えることとカメラを携えることは忘れずに。
ペダルを漕ぎ出すと陽差しがないために暑くはなかったが、涼を感じるほどではなかった。
路上では時折、誰かとすれ違ったがほとんどが自分よりも年長だった。
自分が考えていたポイントに着くとバックからカメラを取り出して、シャッターを押し始めた。
撮影に使ったのはオールドレンス。
マニュアルフォーカスに慣れるためにも、スナップを撮るときにはなるべくこのレンズを使うようにしているこのごろ。
それにも関わらず、ピントの調整には手間取ってばかりだし、ジャスピンだと言えるような写真はほとんどないが。
陽が昇っていく中で、シャッターを押したのは70回ほど。
満足いくような傑作を残せた訳ではなかったが、新しい空気の中でカメラを触っていると、悪い気はしなかった。