淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

ジェット風呂で呟いていた爺さん

 財布の中にある回数券が残ったままだった。その回数券はスーパー銭湯のもの。
 確認すると一年以上の期限はあったが、久しぶりに使用することを決めたのは、昨日の午後のこと。
 会社からは自宅待機だと言われているので、定時時刻である18:00を過ぎてから家を出た。

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一昨日のお散歩ショット。

 昨日は二十五日。五十日のせいか自宅近くの幹線道路はどの方向へも車は多かった。
 裏道に入ったが、その道も流れるようには走れなかったので、目的地に着くまでかかった時間は想像以上。
 目的地へ着くと駐車場が広く見えたが、平日だということを考えれば、停まっている車の台数は以前とそれほど変っていない気もした。

 大きな暖簾をくぐり、自動ドアが開くとど真ん中にアルコール消毒液が置かれていたのが気になったし、腑に落ちなかった。その理由を求められても、上手く説明できなかっただろうが。
 着衣を脱いで大浴場に向かった。
 入り口そばに備えてある荷物置きにシェービングクリームと髭剃りを置いたのは久しぶりだった。自分のものを置く隙間を探したことも。

 週末ではなかったので、浴槽も洗い場も広く使用できたのは何よりだった。
 露天風呂になっている炭酸泉で身体を伸ばしていると、気持ちはほぐれた。
 大きな露天風呂に浸かっているだけで、小さな幸せを感じることができる。

 その銭湯では寝湯に浸かることも多かったが、昨日は控えた。銭湯での滞在時間は短くした方がいいと考えたからだ。
 湯上がりする前に泡風呂に浸かった。座ると背中や腰だけでなく、足裏にも圧がかかった泡が吹き付けてくるタイプの浴槽で、特に足の裏が気持ちいい。

 座って正面を見ると、かなりの年配者がジェット風呂に浸かっている。
 顔を見ると口をもぐもぐさせながら、視線は彷徨っていた。時折はこちらを見ているような気もするが、気のせいだったのかもしれない。
 ただ、彼の口元は終始動いていた。どんな言葉を発していたのかはわからなかったが。
 それぞれが浸かっている浴槽の泡とジェットが刻む音、浴室内の喧噪などがかぎ消していたからだろう。
 単純に数を数えていただけなのだろうか、好きな歌を口ずさんでいたのだろうか、それとも帰依している宗教上のありがたい言葉の一部だったのかは、今となっても謎だ。

 どうしても不気味に思えたし、怖かったのですぐ隣へ移って座ったが、正面から斜め前に彼が見えるようになっただけだ。
 実は今夜も同じ銭湯へ行くか少し迷っている。彼が口にしていたのは、翌日も自分を誘うようにさせるためのお呪いだったりして。

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今日の写真のモデルは夏凜さん。