淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

しくじり世代の負け組二人

 高校時代に同じ部活だった友人と昨日の白昼に電話で話していた。お互いに今の状況が似ていることもあって話が盛り上がって、夕方には一緒に呑むことになった。
 自分たちが所属していたのは放送部。文化部だったが、活動事態は活発で、大会などで遺した成績は人に聞かれても恥ずかしいものではなかった。

 通っていた高校は郊外の公立の普通科。自分たちは11回生だったので、割に新しい学校だったが教室などがピカピカというほどでもなかった。
 その学校は今も存続していて、夜のお店で相手をしてくれた女性が自分の後輩だったということも、一度や二度ではない。

 待ち合わせの駅の改札を出たところで、帽子とマスクを身につけたオッサンが立っていた。自分を待っていてくれた友人だった。
 駅舎を出て歩き始めると新鮮だった。
 昨年の今ごろは通勤のための乗り換えで、三ヶ月間も使用していた駅だったが、駅の違う出入り口を使用していたからかもしれない。
 また、高校生のころにも通学のために同じ駅を使っていたが、まわりの光景は一変していた。一軒のラブホテルを残して。
 学生だったころは思春期らしく、ラブホテルの前を通り過ぎるだけでザワついたものを感じていたような気がする。

 店までの道中、友人は退屈そうに見えたが、自分はキョロキョロしていた。建っている家々や路地、光や影を追いかけているだけで新鮮だった。
 正直、ポートレートを撮ることには少し熱意を失っている気はするが、気軽に撮るスナップにはまだまだ面白みを感じている。

 店に着いたのは17時過ぎ。
 入り口に消毒液が置かれていること、席が間引かれていること、調理場と客席やボックス席毎にアクリル板で仕切られていたことが今の状況を現していたように思うが、それだけではなかった。
 品切れのメニューが多かったからだ。客数が少ないために、発注を減らしているからだろう。
 飲み物の種類が限られていたのは残念だったし、それならばコンビニで好きな飲み物を買って、オンラインで呑んでも悪くなかった気もした。

 ビールで乾杯した友人は工場の派遣社員。自分も客先常駐のIT土方なので二人とも似たようなもの。
 彼は翌日、つまり今日は帰休扱いだと電話で話してくれていたので、乾杯後に自分の状況も彼に話した。
 自分は減給になるが、友人の給料は満額らしいので安心しているようにみえた。

 お互いに長男、父を癌で亡くしていること、予備校まで通ったが大学受験に失敗していること、一人旅が好きなことなどのいくつかの共通点がある。
 最終学歴が高卒のままなのも、きちんとした家庭生活を送っていないことも、同じ高校の同窓の中では少数派だし、収入の面でも底辺に近いのではないか。

 段階ジュニアの世代のことをしくじり世代と揶揄しているのを何かで読んだが、その表現は的を射ているように思えてならない。
 頭数だけは多いのに社会に対しての影響度があまりにも少ないように思えるから。

 そんな世代の負け組二人が久しぶりに再会して、焼き鳥を肴にグラスを傾けた。
 誰かを揶揄することも、悪く言うこともなかった気がした夜だった。

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今日の写真のモデルは、初めましてのRIONさん。