平日の朝に味噌汁を作ったのは、いつ以来だろう?
いつもの朝よりも少し朝寝をしただけでもゆったりできた気分になったし、洗濯物を干した後に朝食を作って食べても午前中の時間はまだたっぷりと残っていた。
radikoのタイムフリー機能で聞き逃した番組を楽しみながらパソコンに向かっていると、なんとなく懐かしい気がした。
今日は有給休暇を取得中。自社の労務管理部からは残っている有休取得を加速するようにとの指示があったのでそれに乗っかった形だ。
毎月、一日ずつ有給休暇を消化してもまだ余る。俗に言うTOYOTAカレンダーで働かされているので、祝日は出勤がほとんど。有給休暇を使ってやっと世間並みの休日数だ。
午前中にパソコンに向かっていた理由は写真の現像。撮影させてもらった未現像のポートレートの撮影データが溜まってきたので、今日は朝からその作業を行うつもりだった。
ハンドドリップでコーヒーを煎れたり、昼食の料理の仕込みをしたりしながらパソコンへ向かい続けた。
昼前には近所のドラッグストアまで自転車で買い物に出かけた。洗濯用の洗剤が無くなったから。
外の陽射しは晩秋にしては強く、薄いシャツを羽織って自転車に乗っていると汗ばむほど。
ドラッグストアに着くと、週末とは違ってそれほど殺伐とはしていなかったが、それでも客の数は目立った。
店内に入ると、アルコール用の消毒液を買うか迷った。家にはまだ残っていて、明日明後日に無くなることはない。
ただ、これからのことを考えると春先のように手に入りにくい状況になるかもしれないと考えたからだ。
土曜日の仕事中に居宅型老人介護施設の前を通った時。入り口に張り紙が張ってあった。張り紙には『面会禁止』の大きな文字。
ニュースによると老人介護施設の中ではすでにまた、消毒関係の医薬品が入手しにくくなっているという。
地方によっては病院でも入院患者との面会を禁止しはじめている所があるようだ。
自分の母親もあと数年で後期高齢者。病気を患っていつ入院をしてもおかしくないだろう。
自分だってそれほど若くはないのだから、入院しなければならないような病気にかかる可能性もそれなりにあるはずだ。
身内や親しい人間が病気になったとしても、互いにお見舞いに行けなくなってしまった状況を想像するとやはり寂しい。
アルコール消毒液などがまた転売ヤーのターゲットになるのだろうか。
そうなったとしても、自分は彼らを責める気が起きない。
それよりも何故、彼らが社会に現れるようになったかの方が気になる。