淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

愛着

 今日の午前中の一コマのこと。
 自分の真後ろに座っている現場リーダーが、自分と同じように他の会社からお手伝いにきているエンジニアを呼び出した。
 はじめは二人だけで会話をしていたが、途中からリーダーの隣に座っているプロパー社員までが加わったので、会話に加わっていたメンバーそれぞれの声は次第に大きくなり、その内容が自分の耳にまで届いてきた。

 リーダーから呼び出されていたエンジニアは現場の会社から引き抜きにあっているらしく、近いうちに面談を受けるようだ。
 その前に会社へ提出するための履歴書を書いているようだが、その内容についてプロパー社員があれやこれやと上から目線でアドバイスをしていた。
 その光景が自分からはコントのように見えた。プロパー社員の二人が声をかけられたエンジニアが同僚になりたがっていると決めてかかっていたから。

 彼らが所属している会社は自動車製造業界ではそれなりに名を知られたサプライヤーらしいし、東証一部にも上場している。
 20年、10年先の会社の先行きはわからないかもしれないが、5年先に会社が無くなっている想像はあまりつかない。
 今の時代を考えればそれなりに安定している組織だとは言えるだろう。

 それでも、今の現場で二ヶ月働きながら自分が内部から見てみると、そんなに愛着を感じるような会社なのだろうかと思ってしまう。
 創業者の親族が今も会社の代表を務めているだけでなく、組織図の中でも創業者と同じ名字の人物が多数いるので、自分から見れば同族会社にしか見えない。
 じいちゃん、ばあちゃん、父ちゃんと母ちゃんとで営んでいる家内制手工業と規模が違っているだけのようにしか。
 社風はよく言えば牧歌的、普通の感覚からはただただ時代錯誤の組織だとしか感じないのではないか。

 プロパー社員が自分たちの所属している組織に入れ込んでいることを、ある意味ではうらやましくも思う自分。
 社会に出てからいくつもの組織に所属してきたが、それらに一度も愛着を感じたことはないからだ。

 自分が今まで籍を置いてきた組織や集まりにはあまり思い入れはないが、あえて挙げるとすると一番は高校時代の放送部。次は今も所属している同人誌くらいだろう。

 さみしがり屋のくせに人と群れるのが好きではないことに半世紀ほど生きてきて、ようやく気がつくことができた。
 一匹狼を気取ろうとしても、外面内面ともに難しいことはわかっているが。

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今日の写真のモデルはRIHOさん。